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トヨタの再発防止レポートに学ぶミス指導

先日、トヨタの仕事術に関する本を読んだんです。トヨタでは徹底的にムダを省き、ミスをなくす工夫をされているとのこと。

その本の中で、トヨタでは何か失敗をしたら「なぜ失敗をしたのか」という原因を調べ、「どうすれば失敗を防ぐことができるか」をレポートとして残すことが習慣になっているそうです。

以前、若い社員がしくじってしまった際、叱られることを覚悟して開発責任者に謝罪に赴いたら

「問題点の理屈はわかったか」

と尋ねられ、わかったと返事をしたところ、

「わかればいい」「失敗のレポートを書いておけ」とだけ言われたそうです。

詳しくはこちらの本に。

この話に関連して、筆者は何かミスが起きたら「再発防止ノート」をつけることを提案していました。何かミスがあったとき、「原因は何か」と「再発防止策」を考えて、ノートに書いてはどうか、とのことです。なるほどと思いました。


わたしが教えている中学生・高校生は、勉強のみならずあれこれミスをします。忘れ物もするし、宿題を完遂できていなかったり、寝坊してしまうこともあります。まあ人間だから完璧じゃないのでミスも出ます。

そんなときに、怒鳴ったり怒ったりするのは最悪。人格否定はもってのほか。

でも、「そんなんじゃ社会に出てやっていけないゾ」みたいに言うのも悪くはないけれど、なんだか違う。私のポリシーじゃない。っていうかこれ学生には全然響かない。

でも、「誰にでもミスはあるよねー」で済ませるのも無責任。成長できないし、悪い子だと「こいつは怒らないちょろい」と甘えてしまうことになります。

「じゃあ今後は気をつけるんだよ」と言えば指導した感じになるけれど、それで再発防止になるのだろうか?生徒の成長を促せるのか?と疑問に思いました。

で、自分なりに行き着いた結論はこうです。

「何かミスしたらまず『ごめんなさい』を言いましょう。そのあとに(怒らないから)経緯を話してね。そこから原因を考えて、そのあと再発防止策を考えようね。大丈夫怒らないで話を聞くから一緒に考えよう?どうすれば改善できるだろうね?」

こんな感じで生徒さんに話しています。

誰にだってミスはあるから、感情的になりたくない。感情的になった瞬間、相手も感情的になる。萎縮するか、反抗してくるか。だから、あくまで理性的に、冷静に、改善策を一緒に考える。そんな感じが今の理想です。

今はこれを口頭でしているので、トヨタ本の著者さんのいうように「再発防止レポート」を導入するのもアリかもしれないです。

もちろん反省文みたいな重苦しいものではなく、さらっと3行くらいで書き留められる程度のものを。

長い目で見て、生徒さんの成長を少しでも手伝えたらいいな。そんなふうに思います。


参考文献


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