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わした島、沖縄

昨日はかなしみの中ベッドに入り、眠りました。

修学旅行で初めて訪れ、朝の連続テレビ小説「ちゅらさん」が流行り、DAPUMPばかり聞いていた中学の頃。MONGOL800とHYが大好きになり、バンド音楽にハマった高校の頃。進路は沖縄県人会がある大学を選び、そこで沖縄出身の友人ができました。友人には結婚式でスピーチをもらいました。新婚旅行へ行ったのは、4回目の沖縄です。

今年の夏には、お茶の関係で沖縄を訪れました。「お茶」と「沖縄」、まったくつながりのなかった二つの私を司るキーワードがつながった機会となりました。私の短い人生には「沖縄」がいつも静かに流れているのを再確認した節目の年になりました。

そんな今年。あれからたったの2か月半。あの美しいお城が焼けてしまうなんて。強い日差しに負けない、青空によく映える赤。三線の稽古の音。美しい玉座。剛健な文字。隅に置かれた茶棚に茶器。足の裏の感触。歴史を学び肌で感じ、沖縄にもうかなしみはいらないと、このお城はその象徴なのだと私たち観光客の呑気な顔が物語っていました。

5年ほど前には柱の装飾が工事されており、そして今年には新エリアが開園し東のアザナからの眺望を楽しむことができました。訪れるたびにどこかがリニューアルされていて、今なお歴史を更新し続けている最中であるのにも感動を覚えました。たいへんな努力の上に今の首里城公園があるのだと。たしか柱に使われている木、あのように太くてまっすぐなものは非常に調達しにくく復元の際には苦労したと聞きました。

それが一瞬で無くなってしまうなんて。

こうして言葉にできるのは一晩たったからです。ほんとは言葉になんかしたくない。ショックが大きすぎて。何度もいろんな人と訪れ、いろんな写真を撮りました。思い出のいっぱい詰まった場所。ただの建造物とは思えません。玉城知事が復元を急ぐと言ってくれました。応援します。でも…また建て直せばいいなんてとても思えません。10代とおぼしき女性が、ニュースのインタビューで「友だちを失ったみたいな…」と語っていました。ほんとにそうだと思います。私は他県の者ですが、心にはうちなーがたしかにあるみたいです。胸の奥がズキンと痛みます。

できることはかなしむことだけ、報道に耳を寄せ、うちなーに心を寄せることだけです。たったひとり私のちっぽけな心が、少しでも伝わるすべがあればと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

芭蕉布/夏川りみ歌唱

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