少年マガジンが謎の同棲ブームで読むものがない問題
由々しき事態である。週刊少年マガジンを中学生くらいの頃から読んでいるのだが、ここ数年で一気に読むものがなくなってしまった。
なにが問題かって恋愛漫画がやたら多いのである。謎の「お色気」「恋愛」漫画ブームなのだ。なかよしやちゃおより恋愛しているんじゃないかってくらい空前絶後の恋愛ブーム。
そしてさらにその恋愛の中でも「女子と一緒に住む」というシチュエーションの同棲系漫画が5本も同時に連載されているのだ。テラスハウスが帯番組として放送されているような状態にマガジンはなっているのである。
今僕が毎週楽しみで読んでいるのが「ブルーロック」と「東京卍リベンジャーズ」くらいしかない。他は惰性で読んでいていつ連載が終わってもそれほど悲しくならない状態になってしまった。
マガジンを読んだことのない人のために、今どんな恋愛漫画がやっているのか簡単に書いていきたいと思う。(かなり個人的な主観での感想)
彼女、お借りします
・「レンタル彼女の女の子に恋をする」という切り口の恋愛漫画。アニメ化済み。
・初期はテーマに沿っていて新しさがあり見ごたえがあった
・ただ最近は「(男) 告白するぞ!」→「できなかった」→「(女) 私、あいつのこと意識しているかも」→「(男) 告白するぞ!」→「できなかった」……を延々と繰り返す恋愛漫画のよくないループにハマってしまっている
カッコウの許嫁
・同棲漫画その1
・「取り違え子」だった男女が許嫁となる恋愛漫画
・「ヤンキー君とメガネちゃん」「山田くんと7人の魔女」を手掛けている作者なのでキャラクターの可愛さなどは抜群
・ただ、やっぱり恋愛漫画が多すぎて雑誌を通してだと読むのが辛い。好きな作者だけに、恋愛漫画が少ないときに連載してほしかった
女神のカフェテラス
・同棲漫画その2
・「涼風」や「君のいる街」などマガジンではおなじみ瀬尾公治先生の新作
・同作者の「ヒットマン」という漫画の最終話と同じ週にこの漫画の連載がスタートした。働きすぎでは?神か?
・いつもの作品よりドタバタコメディ感が強い印象
・ただ瀬尾先生の作品はわりとカジュアルに人が亡くなって陰鬱な雰囲気になるので、この漫画もいつか不穏なことになるんじゃないかと思っている
男子高校生を養いたいお姉さんの話
・同棲漫画その3
・タイトルのとおりおねえさんが高校生を養う漫画
・ギャグ漫画寄り
・もうけっこう長いこと連載している、300話近い
・途中で読むのやめてしまったので最近のことはよく知らない
恋か魔法かわからない!
・魔法学校の落ちこぼれだった主人公が「自分のことを必ず好きになる魔法」を手にしたことで成り上がっていこうとする漫画
・「自分のことを必ず好きになる魔法」が題材なので必然的にお色気が多い
・漫画の設定だけ聞くとくだらないが、たまに熱い魔法バトルが繰り広げられることもある
・ただ30歳過ぎている自分がお色気漫画を読む気力がわかないのでつらい
賢者が仲間になった!
・引きこもりの主人公のところに「優しい賢者のような女の子」がやってくる漫画
・賢者の要素はほぼ関係ないような気がするラブコメ
黒岩メダカに私の可愛いが通じない
・ドキドキさせたい女の子と、それに動じない男の子(内心はドキドキしている)のやりとりを描いた学園恋愛漫画
・この中だと一番最近の新連載
・男と女それぞれの心情が描かれるダブル主人公形式。最近わりとこういう男女それぞれの視点が描かれる形式が多い気がする
・自分の年齢的にこういう恋愛漫画は読めなくなってしまったなぁ…
カノジョも彼女
・同棲漫画その4
・作者は「アホガール」の人
・アニメ化が決定している
・二股をすることを女の子二人が許可して、3人で仲良く付き合っていくギャグ漫画。というか最近は4股くらいになりそうな勢いがある。
・設定だけ聞くとめちゃくちゃ叩かれそうであるが、とにかく勢いで進んでいくギャグ漫画なので読んでいて気持ちが良いし笑える
・この漫画だけは恋愛系の中でも唯一ちゃんと読んでいる。ギャグ漫画として笑えるので
・ただやっぱり今のマガジンは恋愛漫画が多すぎるので「他の雑誌ならもっと楽しめたのかな」と頭をよぎってしまうことがある
生徒会役員共
・ジャンル的に恋愛漫画ではないが、申し訳程度の学園恋愛的な要素はあるので載せておく
・永遠と下ネタをやりつづけているギャグ漫画
・くだらないけどこの数年間変わらないスタンスで下ネタを出し続けているのは本当にすごい
・もはやコボちゃんとかサザエさんくらい安定感がある
・昔のジャンプで言えば「ピューと吹くジャガー」とか「こち亀」みたいな存在になってきている
・アニメもおもしろいのでおすすめ
・ひたすらずっと続いてほしい
それでも歩は寄せてくる
・「からかい上手の高木さん」作者の漫画。アニメ化が決定している
・将棋部二人のラブコメ。というかほとんど高木さんと似たようなシチュエーションなので、好きな人はとことん好きだと思う
・やっぱり漫画描くのうまいなーという印象。フリオチがしっかりしていて読みやすい
・作者安定のオデコをだしたヒロイン
甘神さんちの縁結び
・同棲漫画その5
・主人公が3人の女性と住むことになるお色気寄りのドタバタラブコメディ
・新連載はたいてい10話くらいまで読むのだけれど、僕が同棲疲れしていたので3話くらいで読むのやめてしまった
自分が歳をとっただけかもしれない
こうやって書き出してみると漫画的な内容がどうとかよりも、単純に「年齢的に恋愛漫画が読めなくなってしまった」だけなのかもしれない。悲しい。
老害的な発言はあまりしたくないのだけれど「不運(ハードラック)と踊(ダンス)っちまった」の頃のマガジンも少しは見てみたいぜぇ……
ヤンキー漫画ってもう流行らないのだろうけれど東京卍リベンジャーズの例もあるし、また「!?」であふれるマガジンに戻ってほしいという気持ちもある。
逆に個人的に最近好きな雑誌だとアフタヌーンとかは読みたい漫画ばっかりで本当に毎月楽しみ。
ブルーピリオド、スキップとローファー、天国大魔境、はしっこアンサンブル、ワンダンス、青野くんに触りたいから死にたい、ヴィンランド・サガ、おおきく振りかぶって……などなど。やっぱり漫画のジャンルが幅広くて雑誌を通して読み応えがある。
まあでもこれは自分が少年ではなくなりマガジンの対象読者ではなくなってしまったという事実なのかもしれない。少年漫画としては恋愛系を増やすというのは正しい選択であり、若い読者に裾野を広げるという意味では必要なことなのであろう。
そもそも30歳過ぎの男が少年誌を読むべきではないのかもしれない。
「お前はいい加減に少年漫画を読むのはやめて同棲する相手でも見つけろ!!」というマガジンからの警告なのかもしれない。悲しい。
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