ベトナム生活、波乱の幕開け

〇前回までのあらまし:
ベトナム転勤が決まった僕は、正式着任の前に、ビジネスパートナーと、有力な営業先の計二社訪問を重要なミッションとして、ホーチミン、ハノイを訪問した。

〇今回:
有力な営業先の訪問を終え、大雨の中、目的地点を大きく超えた場所で降ろされ、(と言うか、どこ連れてかれるか分からないので自ら降り、)ズブ濡れになりながら、半分開き直りながら、その日の晩、飲みの約束があるビジネスパートナー事務所へ向かった。

オフィスでは事前に電話にて事情を伝えてあったThanh(タイン)さんがあたたかく、でも、驚きの表情で出迎えてくれた。
田中さん!どうしたんですか?その格好は!!」そう言って彼は僕の前に扇風機を置いてくれました。扇風機の風をもってしても、簡単には乾かないびしょ濡れぶり。ひとしきり、その日にあった僕の出来事をお伝えしながら、談笑した。
そしてその後、食事に行く前にホテルで着替えさせてもらうことにした。タクシーでホテルまで送ってもらい、Thanhさんにはロビーで待ってもらい、その間に急ぎ、ザッとだけシャワーを浴び着替え飛び出しました。

「Thanhさん、ごめんなさい!お待たせして。」と言うと、彼は「いいえ、とんでもない。サッパリしましたね。こちらでよく流行ってる店がありますから、すぐそこですから歩いて一緒に行きましょう。」日本に国費留学していた彼は流暢な日本語でそう話したかと思うと、1軒のお店に連れていってくれた。


今ではほとんど行くことの無い店。回転鍋の店「Kichi Kichi」である。カウンターがメインのこのお店は1人1人の前に小鍋があり、回転してくる好みの具材を取り、自分の鍋で温め食べるというスタイルになってて、多分今でも結構人気がある店です。

*大人気のKichi Kichi(って、もう2年ほど行ってないのですが笑) 時間制限とかないはずですから、ベトナムの方達はとにかく信じられない位、長い時間楽しみます。

僕は素直に「へぇー、こんな店があるんですね。面白いですね。」と感心している僕に、箸を止めたThanhさんはこう言いました。

田中さん、、僕はね、接待でそりゃあ毎日色んな店行きますよ。超高級店から極めて普通の店まで。客に合わせて色んなお店を選びます。
僕、話の意図分からず「えぇ。あ、は、はい、」
Thanhさんは続けた。「今の御社との関係、本当に、面白くないと思っているんです。何も無い。何のシナジーもない。全く意味が無い。本当につまらないですよ。この店は極めて庶民的な安い店です。要するに私が言いたいのは御社との関係はその程度と言うことです。
僕は言葉を失った。「きっつーー、苦笑(するしかない、してないけど、場の雰囲気的に。)」さっきまで本当に優しく接してくれた彼から、そんな忌憚のない言葉が出てくるなんて。でも、彼が言いたいことは何となく分かった。うちの会社は「動きが早い」とありたいと思いながら、心の中では、でも、めちゃめちゃ決断の遅い、動きの遅い会社である。
ぐうの音も出ず押し黙る僕に対して彼は続けた。「田中さんを責めたいわけではないのです。変えたいんです。変える手伝いをしてくれますか?してくれるなら僕はいくらでもあなたを応援しますし、お手伝いもします。
彼の言ってることは一切間違ってなかった。来られていきなり、こんな話、と多少閉口したい思いはあるが、でも、始めに言ってもらって良かったのだ。そう思った僕は、「もちろんです。頑張ります。ぜひ力を貸して下さい。」そう言うと、彼はニッコリ微笑んでくれた。

さぁ、やるしかない。
そう思って、ホーチミンを後にした。

次に続きます

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