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地獄の深夜羽田空散歩

#キナリ杯 #地獄散歩 #実体験レポート

なんでこんな事をしてしまったのか...?
2年過ぎた今でも理由が明確に思い出せずに
いる。

地獄の深夜羽田空港散歩は、新千歳空港最終便で羽田空港まで行き、そこから国際線羽田空港ターミナルまで徒歩で行く事である。
「深夜の空港散歩」と聞けば「映え」が目的にも見える響きだが、待っているものは地獄のみ。

孤独・騒音・悪臭と闘いながら深夜に散歩するのである。
道中投げ出そうにも一方通行に挑んだ記録をここに記していこう。

始まりの舞台は、新千歳空港北海道内の特産品・お土産はもちろんゲームセンター・映画館・温泉まで揃っている最強の空港だ。
道民の中では「空港遠足」という空港に遊びに行くだけのイベントがあるほど、お楽しみ空間なのである。

札幌都心部から空港までは、電車を使って1時間ほどだが、終電は早く22時少しすぎた頃に札幌駅を出発する。
新千歳空港から羽田空港への最終便は、午前1時10分発なので、飛行機の出発まで大分時間を持て余してしまう。

最強空港も最終便が出た後は閉鎖の為、22時過ぎにもなれば閉店するところがほとんどなので、暇つぶしに飲食したいものがあれば、事前に用意しておくことをオススメする。
飛行機到着後も営業しているのは、夜明けまでコンビニ程度なので、覚悟しておかなくてならない。

搭乗時間まで準備しておいたツマミと酒で暇を弄ぶ、普段なら観光客で賑やかなロビーもこの時間は、清掃や微かな話し声程度しか聴こえない異空間のような環境のなかで。
北海道としばしの別れを惜しむようにサッポロクラシックを喉に通す。
格別に美味い。

そんな中、飛行機の出発の時間になる。
スムーズ過ぎる搭乗手続きを済ませ東京へ向かう。
到着後は気の休まらない時間が続く、しばしの休息である。


羽田空港到着後は、閉鎖される為すぐに国内線ターミナルの外に出なくてはいけない、蛍の光が流れ始めた店内のような感覚で後にする。

外に出た瞬間に気づく「暑苦しい」北海道の過ごしやすい気候と長い移動時間内の間に身体は涼しさに最適化された身体になっていた。

外に出た時間は深夜3時、札幌なら外にいたら長袖が恋しくなるほどの気温の時間であるが、ここは真夏の東京は夜更だろうと湿度でこもった熱が容赦なく襲いかかる。

まとわりつく熱気の中重い一歩が歩みを始める。

ここで誤解がないように補足をさせていただきたい。
最終便で羽田空港国内線に着いた場合必ず地獄散歩をすることになるのか?
答えはNOである、空港に着いた人を家族や友人が迎えにきたり、飛行機の到着に合わせてタクシーがターミナルを出てきた目の前に止まっている。
グループ旅行できていて乗る者・一人旅の者達が国際線ターミナルまで話し合って乗り合いで向かっていく、今だと女子の一人旅も珍しくなく女子グループになり乗り合いで乗っていくのも目にする。
乗り合いだと1人数百円程度で着くので、是非オススメしたい。


その中でも地獄散歩をする人は、後を経たない地獄散歩する者は事前に調べて覚悟を決めている、苛酷さも知って挑むのである!ターミナルを出た瞬間に一目散に国際線ターミナルへのルートへの歩みを進めていく。



地獄散歩を決めた者達の目は乗り合いなどという甘っちょろい考えのない眼をしている!

覚悟が違うのである!

道中ルートは一つしかないのだが、誰かの後ろに追いついて付いてしまうと、ルートを真似るな!というオーラをビンビンに出す者も時折いるので、覚悟がない場合は是非ともタクシーを勧める。

それでは始めようか!地獄の深夜羽田空港散歩を。
道は初めて歩く人にはとても分かりにくく、誰が最初に走破したのか?そんな事を知る余地もない。
GoogleMAPに聞いても正しいルートは教えてくれない、ブログに記された道を行く。

まずは、交番を目指そうじゃないか!っえ?道を聞きに行くのかって、そんなワケないじゃないか!ルートは知っている。
交番はルートへの答え合わせに必要な場所なのだよ。

国際線ターミナルを出てすぐ右側に進み1分ほど歩いた所で交番をみつける、「良し、このルートで合ってる」と心の中で確証を得る。

交番を抜けた先の植え込みを跨ぎ、舗装された細い道を進んでいく、周りは働き続ける車の走行音だけが聴こえてくる孤独の散歩だ。

ナニヲ思って、なにを考えて歩む
邪魔するモノはなにもない、歩みを終えるまで好きなことを想おうじゃないか。

しばらく歩くと地獄散歩の関門であるトンネルの中を通ることになる。
トンネルには2種類ある、人が歩いて通る用に作られたものと主に走行車が通る用に作られた物である。

今回は後者を通ることになる、車に乗りながら通る際、窓を開けてしまったまま入った人がいるだろう。

鼻をつく悪臭が車内を一気に充満したと思う、もし、その状況を徒歩で長距離あるくとなったらどうする?しかもトンネル内は歩行者に更なる試練を与える。

悪臭に次いでトラックなどの大型車の走行音が反響した爆音とどこからともなく滴り落ちる水が身体をかすめて落ちてくる。

五感の四つも同時に襲われる苦しみ、走って逃げようにも足場は悪く吸う空気も不味い、鼻と口を手元にあるハンカチで覆い、息を潜めて着実に足を進める。
出口の灯りはまだか!はやる気持ちを収めて行く、ようやく出口にたどり着いた頃には身体から脂汗が滲み出ている。

あぁ癒しが欲しい、この汚れた空間で参ってしまった気持ちを慰めてくれる事はないかと、歩みを進める先に見えてきたものは...。



ボンヤリと見えてくる見覚えの明かり緑・青・白色の光を纏った建物それは、ファミリーマートだった。こんな所に?何故?という気持ちがあったが、冷静に考えてみると働く車が深夜にも関わらず休まず動いていたので、納得のいく立地であった。

迷わず店内に入り心地良い冷気を浴びる、店内を見て回っていると汗もひいていく、小腹も空いているが、まずは喉の渇きを潤したいので麦茶を買う。
店を出て麦茶を喉に流して、また歩みを進める。

コンビニを出るとすぐに分岐点がある、一方は陸橋だが先が明るく飛行場のような物がみえる、もう一方は平坦な道だが木々が生い茂っており先も心細い街頭しかなく薄暗い道。
ルートの情報をなしにどちらの道が正解なのかと聞かれるのと、前者の道を選ぶ人が多いであろう、なんせ国際線ターミナルを目指しているのだから...しかし正解は薄暗い道なのだ。 

私もルートを調べて歩いているのだが、薄暗い道は何かの間違いなのではないか?と思い一度間違った方の道を歩いたことがあるが、陸橋を登ってすぐ分かる、歩道が作られていないのだ。
今までのルートは歩きにくい道はあれど、しっかりと歩道が作られていた。なのでこのルートは間違いと直感が教えてくれる。

薄暗い道を信じて歩みを進めよう、木々を抜けると短いトンネルがあり、それを抜けると国際線ターミナルまでの最後の一本道に入る歩道横の標識には、国際線ターミナルの文字が出てきて、さらに歩みを進めると数回建の巨大な駐車場やモノレールの線路がみえてくる。

ゴールが近い!あと少し!と自分を鼓舞しながら最後の力しぼって進んでいく、すると巨大で静観な国際線ターミナルが迎えてくれる。


ヘロヘロになりながら中に入り空調の効いた中近くの椅子で休憩をする、汗もひいて疲れも少し取れたら建物内を探索していく、深夜のターミナルは深夜や早朝の便を待つ人で、ほとんどの席が埋まっている、話をする者、仮眠を取る者様々である。

館内で、深夜に営業しているお店はローソンとタリーズぐらい、さらに探索を、続け上階に登ると飛行場を見渡せる、展望デッキがある、まだ夜明け前なのでボンヤリとしか飛行場がみえない、はてさて困ったものだ着いたはいいがまた暇になってしまった。

近くの椅子で再び休憩をしつつ調べ物等をしていると、1時間ほど経過していた。時間にして5時前である、ここで思いつくそろそろ朝日が昇る時間じゃないか?思い立ってからの行動は早かった。

すぐさまローソンに向かい、缶ビールとツマミを手に取り会計を済ませ、展望デッキへ急ぐ、
思ったら通りだ!空が徐々に明るくなってきている。

明け方も休まず動く飛行場登り始める朝日を目の前にコンビニ袋に手を伸ばす。「プシュ」という気持ちいい音を立て泡立つビールをグイと喉に流す。**
**格別に美味い


すると目の前にコラボした飛行機が目の前に来た「スターウォーズ」のコラボ飛行機である、カッコいいなと眼にもサカナを頂き至福の時を過ごす。

全てを腹に入れた頃にはゆるい眠気がやってくる、仮眠をして始発過ぎの電車で宿に向かおうじゃないか。

地獄散歩を終えて、寝ぼけながらモノレールに揺られる中、またこんな事をしてまうのかなと思いながら終点まで、また眠りにつく。

旅の印を画像で残そう
羽田空港国内線ターミナルを出た時間とその時の歩行距離

羽田空港国際線ターミナル到着後少し休憩した後(歩行距離を正確にカウントするのに少し時間がかかる為)

時間にして30分強ぐらい距離は4.5kmほど。
聞いてみるとそれほどではないように聞こえるが、通った事ない道を深夜にこれほど進む労力は想像を超えるものがある。

また国内線から国際線へのルートは途中リタイヤできないのでキツくなったら歩ききるか、出発地点までUターンしかないので、覚悟していくように。

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