特発性過眠症について

本日は曇りで、雨の降る所も多いようですが、
なんだか急に暖かくなりました。

昨日は、小田原城に桜を見に行ってきました。
おでん祭りや骨董市なんかもやっており、
予想通り人が多かったですね。
桜は、ほぼ満開できれいでした。

近くの、
報徳二宮神社にも行ってきました。
二宮金次郎といえば、
薪を背負って本を読んでいるイメージしかなかったのですが、
幼少期から、かなりの苦労人だったようです。
その経験を生かして、
経営コンサルタントみたいな仕事で出世されたみたいですね。

今回は、
特発性過眠症です。
過去記事「ナルコレプシーについて」と、
若干被りますが、
ナルコレプシーと同様に、
原発性過眠症に分類される病気です。

MayoClinic
Idiopathic hypersomnia.

特発性過眠症(Idiopathic hypersomnia:IH)は、一晩ぐっすり眠った後でも、日中とても眠くなる珍しい睡眠障害です。原因は不明です。また、眠った後の目覚めが悪いことも多いです。仮眠をとると、一般的にすっきりせず、目が覚めても混乱したり、方向感覚を失ったりすることがあります。睡眠欲求は、車の運転中や仕事中など、いつでも襲ってくる可能性があるため、特発性過眠症は潜在的に危険である。

たくさん寝ても、
日中眠くなって、
会議中とかに寝落ちしてしまいます(怒られます)。

運転中だと危険です。


特発性過眠症は徐々に発症することが多いです。特発性過眠症の診断には、より一般的な睡眠障害を除外することが必要です。治療の目的は薬物療法で症状をコントロールすることです。

他の過眠症もあります。(ICSD-3-TRによると、)

原発性過眠症
①特発性過眠症(長時間睡眠を伴うものと伴わないもの)
②カタプレキシーを伴わないナルコレプシー2型(NT2)
③カタプレキシーを伴うナルコレプシー1型(NT1)
④クライン-レビン症候群

続発性過眠症
①頭部外傷、パーキンソン病などの神経変性疾患、筋強直性ジストロフィーなどの神経筋疾患などの医学的疾患に伴う過眠症
②薬や物質に関連した過眠症
③睡眠不足症候群(毎晩の睡眠時間が定期的に十分でないことによる眠気)
④うつ病や季節性感情障害などの精神疾患に伴う過眠症

診断
特発性過眠症を診断するために、あなたの症状について尋ね、病歴を説明します。また、身体診察も行われます。診断のため、あるいは症状の原因となる他の疾患を除外するために、いくつかの検査を受けることもあります。家族歴や服用している薬について話すことも重要です。特発性過眠症と診断されるためには、少なくとも3ヵ月間、毎日過度の眠気に襲われていることが必要です。

①エプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale):睡眠が日常生活にどのような影響を及ぼすかを判断するために、このツールで眠気を評価するよう求めることがある。
②睡眠日記:毎日の睡眠時間と起床時間を記録することで、あなたの睡眠パターンと睡眠時間を知ることができます。
③睡眠ポリグラフ検査(PSG):この検査では、睡眠センターに一晩滞在します。睡眠ポリグラフ検査では、睡眠中の脳の活動、眼球運動、足の動き、心拍数、呼吸機能、酸素濃度をモニターします。
④多重睡眠潜時検査(MSLT):昼間の仮眠の機会を複数回与え、その間に睡眠の種類と段階を測定します。この検査は通常、睡眠ポリグラフ検査の翌日に行われます。

診断としては、
PSGやMSLTが必要で、
MSLTでは5回の昼寝を行い、
①8分以内に眠ること。
②眠ってから15分以内にREM睡眠に移行するのが1回以下。
が目安となります。

治療法
特発性過眠症の原因はわかっていないため、症状を和らげることを目的とした治療を行います。日中の覚醒を助けるために、モダフィニル(モディオダール)などの覚醒剤が処方されることがあります。モダフィニルの副作用としては、頭痛、口渇、吐き気、下痢、食欲不振、体重減少などが考えられます。
米国睡眠医学会が推奨する他の薬は、オキシベートナトリウム(Xyrem)、クラリスロマイシン(クラリシッド)、メチルフェニデート(リタリン)である。
最近、成人の特発性過眠症の治療薬として、ナトリウム含有量が少ないオキシベートナトリウム(Xywav)が米国食品医薬品局(FDA)により承認された。
加えて、夜間の睡眠スケジュールを規則正しく立て、アルコールや睡眠に影響を及ぼす可能性のある薬を避けるよう勧められるかもしれません。

モディオダールが一般的に処方されると思いますが、
若干薬価が高め(約400円/錠)です。
処方するには登録医、登録薬局である必要があります(リタリンも)。

クラリスロマイシン(抗生物質)についてはちょっとよくわかりません。
Medications for daytime sleepiness in individuals with idiopathic hypersomnia.
Cochrane Database of Systematic Reviews.25 May 2021.
によると、クラリスロマイシンはIHには有効ではなかったようですが・・・。

Xyrem,Xywavは日本では認可されていません。

アルコールは残念ながらダメなようです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?