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梅毒について

今日も朝から雨です。
霧雨で傘をさすか、迷いつつ面倒なのでそのまま歩いてしまいました。


以前から、梅毒の報告が増えていましたが、
右肩あがりで増えているようです。

Yahoo Newsより、

東京都内「梅毒」報告数 去年より約2割増 20代女性の増加が顕著 “感染症”連絡会議で報告。5/18(木)

東京都は、感染症に対応するための新たな連絡会議を開き、都内の梅毒報告数が去年に比して2割程度多いと報告されました。
先ほど開かれた東京都のあらゆる感染症に迅速に対応するための新たな連絡会議では、都内の梅毒報告数が今月11日時点で1297人と、去年の同時期に比べて2割程度多くなっていると報告されました。
特に、20代の女性の増加が顕著だということです。 都は、引き続き、無料・匿名での検査を通年で実施するほか、女性が安心して受けられるレディースデーの設定など、検査体制を強化するとしています。

「東京都性感染症ナビ」というHPに、検査・相談室や保健所について記載ありますので、興味のあるかたはググってみてください。



それでは、今回はCDCより

Syphilis 
 -CDC Basic Fact Sheetです。


梅毒とは?

梅毒は性行為感染症(STD)の一つで、治療しなければ深刻な健康被害を引き起こす可能性があります。
感染は段階的に進行します(第1期、第2期、潜伏期、第3期)。 それぞれの段階で、異なる症状や徴候が現れます。

梅毒は、「Treponema Pallidum 」という細菌によって起こされる性感染症です。

早めに治療すればなおります。


どのように感染するの?

膣、肛門、またはオーラルセックスの際に梅毒の腫れ物に直接触れることで梅毒に感染する可能性があります。
梅毒は、梅毒の母親から胎児に広がる可能性があります。
以下のような物との何気ない接触で梅毒に感染することはありません。
・トイレの便座
・ドアノブ
・プール
・温水浴槽
・浴槽
・衣服や食器の共有

通常の日常生活では大丈夫です。
濃厚な身体接触以外ではうつりません。


感染するリスクを減らすには?

STDを完全に避ける唯一の方法は、膣内、肛門、またはオーラルセックスをしないことです。 性的に活発な人は、梅毒にかかる可能性を低くするために以下のことを行うことができます。
検査を受け、梅毒に感染していないパートナーと、相互に一夫一婦制の長期的な関係を築くこと。 ・セックスのたびに正しい方法でコンドームを使用すること。・ コンドームは、ただれとの接触を防ぐことによって梅毒の蔓延を防止します。 コンドームで覆われていない部分にただれができることもあります。 これらのただれに接触しても、梅毒は感染する可能性があります。

陰部などに初期硬結といわれるしこりができ、
次第に中心が潰瘍化(硬性下疳)します。

ここに細菌がたくさんいます。
この湿疹は勝手に消えますが治療しないと進行(第2期)します。


梅毒のリスクが高い人は?

性的に活発な人は、梅毒に感染しているパートナーとのコンドームなしの膣、肛門、 またはオーラルセックスによって梅毒に感染する可能性があります。 性的に活発な人は、医療従事者と正直かつ率直に話し合ってください。
以下のような性的に活発な人は、梅毒の検査を定期的に受ける必要があります。 ・ゲイまたはバイセクシュアル男性である。 ・HIVに感染している。 ・HIV予防のために曝露前予防薬(PrEP)を服用している場合 ・梅毒の検査で陽性となったパートナーがいる。 すべての妊娠者は、最初の出産前の診察で梅毒検査を受けるべきです。

気をつけましょう。

特に妊娠中は以下のように注意が必要です。


妊娠中の梅毒は赤ちゃんにどのような影響を与える?

もし妊娠していて梅毒に感染している場合、生まれてくる赤ちゃんに感染させる可能性があります。 梅毒にかかると、低出生体重児になる可能性があります。 梅毒にかかると、早産や死産になる可能性が高くなります。 妊娠中に少なくとも1回は梅毒の検査を受ける必要があります。 陽性反応が出た場合は、すぐに治療を受けてください。 出生時、梅毒に感染している赤ちゃんには病気の徴候や症状がない場合があります。 しかし、すぐに治療を受けなかった場合、赤ちゃんは数週間以内に深刻な問題を起こす可能性があります。 このような赤ちゃんは、白内障や難聴、発作などの健康上の問題を抱え、死亡することもあります。

妊娠中感染した場合、死産や誕生後すぐに死亡する確率が約40%あります。母親が梅毒で治療されなかった場合や、母親が妊娠34週を過ぎてから治療を受けた場合、赤ちゃんは、40-70%の確率で梅毒に感染しています(先天性梅毒)。症状もなく生まれるても、すぐに治療しなければ数週間以内に症状が出現し、感染した赤ちゃんの12%が病気のために亡くなります。

梅毒について 横浜市HPより



梅毒の徴候や症状は?

梅毒には4つの段階があります(第1期、第2期、潜伏期、第3期)。 それぞれの段階には異なる徴候や症状があります。

・第1期 梅毒の最初の段階では、1つ、または複数の下疳に気づくかもしれません。 下疳は梅毒が体内に侵入した場所です。 これらの下疳は、通常、以下の部位、部位、またはその周辺に生じます。 ・ペニス、膣、肛門、直腸、唇または口の中 下疳は通常、固くて丸く、痛みはありません。 痛みを伴わないので、気づかないこともあります。 下疳は通常3ー6週間続き、治療を受けるかどうかに関係なく治癒します。 下疳が治った後も、治療を受けなければなりません。 そうすることで、次段階に移行するのを防ぐことができます。

気になるようであれば、保健所等に早めに相談しましょう。


第2期

二次感染では、皮膚の発疹や口、膣、肛門の下疳が生じます。 この段階では、通常、体の1か所または複数の部位に発疹(ばら疹)が出ることから始まります。

発疹は、一次感染の傷が治りかけている時、または傷が治ってから数週間後に現れます。 発疹は手のひらや足の裏にでき、以下のような外観です。
・ざらざらしている。赤色、または赤褐色
発疹は通常、かゆみを伴わず、気付かないこともあります。

その他の症状は以下の通りです。
発熱、リンパ腺の腫れ、のどの痛み、斑点状の脱毛、頭痛、体重減少 筋肉痛、および疲労感
この段階の症状は、治療を受けなくても、治まっていきます。
適切な治療を受けなければ、梅毒は潜伏期場合によっては第3期と移行していきます。

この段階では、医療機関でも診断に迷うこともあります。

(患者さんからの申告が無ければ難しい。正直かつ率直にご相談を。)


潜伏期

梅毒の潜伏期は、目に見える症状や徴候がない期間です。
治療をしなければ、何年も体内に梅毒を保有し続けることになります。


症状が無くても、治癒しているわけではなく、臓器が損傷を受けています。


第3期

発症した場合、様々な臓器系に影響を及ぼす可能性があります。
その中には、心臓や血管、脳や神経系などが含まれます。
第3期梅毒では、病気が内臓を損傷し、死に至ることもあります

全身にゴムのような感触の硬いしこり(ゴム腫)が出たりします。

神経梅毒・眼梅毒・耳梅毒について

梅毒は治療をしないと、脳や神経系(神経梅毒)、眼(眼梅毒)、耳(耳梅毒)に広がることがあります。これは、上記のどの段階でも起こり得ます。

神経梅毒の徴候や症状には以下のようなものがあります。
激しい頭痛、筋力低下および/または筋肉運動の問題、 精神状態の変化(集中困難、混乱、性格の変化)、 認知症(記憶、思考、および/または意思決定の問題)。

眼梅毒の徴候や症状には以下が含まれる場合があります。
目の痛みや充血、および 視力の変化、または失明。

耳梅毒の徴候や症状には以下が含まれる場合があります。
聴力損失、耳鳴り、ブーンという音、轟音、 またはヒューヒューという音(耳鳴)、 めまいや立ちくらみ

長期間放っておくと、
いろいろと大変なことになるようです。


梅毒に感染しているかどうやって調べる?

血液検査で梅毒の有無を調べます。
梅毒のできものから採取した液体を検査して梅毒を診断するところもあります。

梅毒に治療法はありますか?
適切な抗生物質を投与されれば治癒可能です。
しかし、治療しても感染による臓器のダメージは元に戻らないかもしれません。

治療を受けた後、再び梅毒にかかることがありますか?
一度梅毒にかかったからといって、再び梅毒にかからないわけではありません。 治療が成功した後でも、再び梅毒にかかる可能性はあります
治療がうまくいったかどうかを確認するためには、医療機関によるフォローアップ検査が必要です。
パートナーが梅毒に感染していることが明らかでない場合もあります。 膣、肛門、口、または陰茎の包皮の下にできた梅毒のただれは、見えにくいことがあります。
パートナーが検査と治療を受けなかった場合、再び梅毒にかかる可能性があります。

血液検査は梅毒トレポネーマ抗体(TP)とRPRという二つの抗体検査を用います。TPは過去に感染したことがあれば陽性になり、RPRは活動性を表します。感染してから6週間たたないと抗体ができなかったり、生物学的偽陽性なんてのもあり、判断に悩むこともあります。

治療は、ペニシリン系の抗生剤内服ですが、
第1期で2-4週、第2期で4-8週、第3期で12週程
内服を続ける必要があるようです。

日本でも、2021年9月に「ステルイズ水性懸濁筋注シリンジ」が承認され、早期であれば1回注射で治療が済むようです。


まとめると、

早めに治療すれば治るので、
気になるようであれば、匿名でも可なので、
お早目にお近くの保健所にご相談を。


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