C型肝炎について。その②。

今朝は曇っていて、
若干涼しくて気持ちが良かったのですが、
今週はお天気が崩れるようです。
九州地方では、今夜から明日にかけ、
「線状降水帯」が発生し、大雨の恐れがあるようです。
お気を付けください。

ちなみに、「線状降水帯」とは、発達した雨雲が線状にどんどん発生して、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞することで作り出される、強い雨のエリアのこと。同じような場所で顕著な大雨が続くことから、甚大な災害が発生する恐れがあります。(天気.jpより)


今回はC型肝炎その②です。
引き続き
Mayo Clinicより
Hepatitis C.

診断について
C型肝炎のスクリーニング
米国予防医療作業部会は、症状や既知の肝臓疾患がない場合でも、18歳から79歳のすべての成人にC型肝炎のスクリーニングを受けることを推奨しています。HCVのスクリーニングは、以下のような暴露のリスクが高い場合に特に重要です。
違法薬物の注射や吸入をしたことがある人
・原因が特定されない肝機能検査の結果に異常がある人
C型肝炎の母親から生まれた赤ちゃん
・血液や針刺し事故などにさらされたことのある医療従事者や救急隊員
・1987年以前に凝固因子による治療を受けた血友病の方
・長期的な血液透析治療を受けたことがある人
・1992年以前に輸血や臓器移植を受けた人
・C型肝炎に感染していると診断された人の性的パートナー
HIVに感染している人
・1945年から1965年に生まれた人
刑務所にいたことがある人
 


前回でも言及しましたが、日本では、
1992年以前の輸血、
1994年以前のフィブリノゲン製剤、
1988年以前の血液凝固因子製剤
使用したかたは要注意です。
自治体で肝炎ウイルス検査が無料でやってることが多いみたいです。
(たいてい40歳以上に1回だけ)

その他の血液検査
最初の血液検査でC型肝炎であることがわかった場合、追加の血液検査が行われます。
・血液中のC型肝炎ウイルス量を測定します。
・ウイルスの遺伝子型の特定
 


検査は血液中にHCV抗体があるかどうかを調べる「HCV抗体検査」と、
HCVの遺伝子を調べる「HCV-RNA検査」があります。
抗体はウイルスがいなくなった後も陽性になるので、
実際に体内にいるかRNAを調べる必要があります。

その他の検査としては、
HCVの遺伝子型を調べる「HCV-RNAジェノタイプ検査」、
そしてインターフェロンの有効性を予測する「IL-28B遺伝子多型解析」・「HCVコア変異相対定量」があります。


肝障害の検査
C型慢性肝炎の肝障害を評価するために、以下の検査のうち1つ以上を実施します。
・磁気共鳴エラストグラフィー(MRE)。肝生検(下記参照)に代わる非侵襲的な検査で、MREは磁気共鳴画像技術と肝臓に反射する音波によって形成されるパターンを組み合わせて、肝臓全体の硬さの勾配を示す視覚的なマップを作成します。肝臓の組織が硬いということは、C型慢性肝炎の結果、肝臓に瘢痕化(線維化)が起きていることを示します。
・肝硬度測定。非侵襲的な検査である一過性エラストグラフィーは、超音波の一種で、肝臓に振動を与え、その振動が肝臓組織内を伝播する速度を測定し、肝臓の硬さを推定するものです。
・肝生検。通常、超音波ガイドを使用して行われるこの検査では、腹壁から細い針を挿入して、検査用の肝臓組織のサンプルを少量採取します。
・血液検査。一連の血液検査によって、肝臓の線維化の程度を知ることができます。
 


血液検査では、
アルブミンやプロトロンビン活性値、血小板数等を測定します。
このほか、肝臓の線維化は、
ヒアルロン酸やIV型コラーゲン、
M2BPGiなどの線維化マーカーと言われる血液検査や、
FIB-4インデックスから計算する方法があります。


治療法
・抗ウイルス剤
C型肝炎の治療は、体内からウイルスを排除することを目的とした抗ウイルス薬によって行われます。治療の目標は、治療終了後12週間以上経過した時点で、体内からC型肝炎ウイルスが検出されなくなることです。
近年、新しい「直接作用型」抗ウイルス剤を用いたC型肝炎の治療が大幅に進歩し、既存の抗ウイルス剤と併用される場合もあります。その結果、治療成績が向上し、副作用が少なくなり、治療期間も短くなり、中には8週間という短いものもあります。薬剤の選択と治療期間は、C型肝炎の遺伝子型、既存の肝障害の有無、他の病状、過去の治療歴によって異なります
・肝移植
C型慢性肝炎の感染により重篤な合併症を発症した場合、肝移植が選択肢となる場合があります。肝移植では、損傷した肝臓を切除し、健康な肝臓と置き換えます。移植される肝臓のほとんどは、死亡したドナーからのものですが、少数ながら、肝臓の一部を提供する生体ドナーからのものもあります。
ほとんどの場合、肝臓移植だけではC型肝炎は治りません。感染が再発する可能性が高く、移植された肝臓の損傷を防ぐために抗ウイルス薬による治療が必要となります。
・ワクチン接種
C型肝炎のワクチンはありませんが、A型肝炎ウイルスとB型肝炎ウイルスのワクチンを接種することを勧められることが多いようです。これらは別のウイルスで、肝障害を引き起こし、C型慢性肝炎の経過を複雑にする可能性もあります。
 


 ・C型慢性肝炎に対するもっとも根本的な治療は、
 HCVを体内から排除することです。
 以前はインターフェロンを用いた治療がおこなわれていましたが、
 現在はほとんどの方が、
 インターフェロンフリーの飲み薬での治療を受けています。
・2014年9月から、インターフェロンを使わない、
 飲み薬だけの治療「インターフェロンフリー」治療が始まり、
 C型肝炎の抗ウイルス治療の主流となっているそうです。
ソホスブビル・レジパスビル配合錠(ハーボニー)、
グレカプレビル・ピブレンタスビル配合錠(マヴィレット)、
ソホスブビル・ベルパタスビル配合錠(エプクルーサ)
による治療(非代償肝硬変に対して)があります。


生活習慣と家庭療法
C型肝炎の診断を受けた場合、特定のライフスタイルの変更を勧められるでしょう。これらの対策は、あなたがより長く健康を維持し、他の人の健康も守るために役立ちます。
・アルコールをやめる。アルコールは、肝臓疾患の進行を早めます。
・肝障害を引き起こす可能性のある薬は避ける。市販薬や漢方薬、栄養補助食品も含めて、医師と一緒に服用している薬を見直してみましょう。医師は、特定の薬を避けるように勧めるかもしれません。
他の人があなたの血液に触れないようにする。傷口を覆い、カミソリや歯ブラシを共有しないようにしましょう。血液、臓器、精液を提供せず、医療従事者にあなたがウイルスに感染していることを伝えてください。また、性交渉の前にパートナーに感染していることを伝え、性交渉の際には必ずコンドームを使いましょう。


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