初期衝動 〜 ラブライブ! 第1期 〜
皆さまごきげんようごきげんよう。
さあ、忘れ去られたこのnoteを復活させる時が来ました。
まるで岩に刺さっている錆びた剣をブッこ抜くように
次のキヲクをたどる事にしましょう。
『ラブライブ!』
初めて全ての劇伴を一人で作曲した作品です。幸いにも方々でこの作品について色々とお話する事が出来たので、今回はもう少し別角度でちょっと内面的な事を残せればと思います。
*厳密には『電波女と青春男』が間にあるのですが、
それはいずれ番外編という事で残そうかと思います。
お断りしておきますがあまり楽しい話ではないです(当社比
早速ですが、あの頃の僕は色々と勘違いをしていたように思います。自分にはチャンスがない、チャンスさえあれば自分はできる、オケもやったし(謎)みたいな。(出来るとは言ってない)まあ色々うまくいっていない時期でもありましたし焦りもあって、何というか拗ねてました。
そんな時にこのお話を頂きました。本当に本当に、本当に嬉しかったです。それはもうやる気に漲っていました。これは心から本当に。
でもどこかで、これで僕はいっちょまえだ!みたいな、何というか傲慢な意識もあったのでしょう。のちに嫁さまから一言『あなた、ちょっと調子に乗ってんのちゃう?』って言われた話はまたいずれ…(怖)
そう、そんな甘い話ではありません。
作曲の序盤でどんどん追い詰められていきました。そりゃそうですよね。自分は出来ると勝手に思い込んでいただけで、能力は追いついていないのだから。もちろんその前も、そして作曲中も勉強していました。
でも、もう一度言いますが、そんな甘い話ではありません。そもそも出来て
いないのだから。でも、この状態を支えてくれたものがありました。
初期衝動
「ラブライブ!」の、特に第1期の劇伴はこれに溢れています。本当に支えられました。あんな事がしたい、こんな曲が書きたい、この楽器でやってみたい…長崎さんにメニューを頂いて、京極さんからお話を伺って、そこから生まれたアイデアや直感は大事にしたかった。「劇伴をやっている時が一番自然に音楽がやれている感じ」という、ウルトラマンの時に感じたこの直感に間違いはないんだと。そのうち、ネガティブなものがなくなってどんどん楽しくなっていきました。
いやもうレコーディングに木管の譜面が間に合わずアーティキュレーションその場で指示とか、もう本当に色々皆さんに支えていただき何とか出来上がりました。
ヴァイオリンの真部裕さんやエンジニアの内藤岳彦さんとはこのセッションで初めてお会いし、ずっとお世話になりっぱなしです。
このセッションは、何というか、甘酸っぱい初恋的なキヲクとして残っています。(なお本当の初恋のことは1μmも覚えていない)
ダビング(MA)に伺い、自分の作った曲がセリフやSEと一緒に流れているのを見たとき、心からワクワクしました。色々なことが始まった思い出深いセッションです。
P.S.
表題の写真は去年の秋に撮ったものですが、ちょうどほぼ9年前に同じスタジオで第1期のレコーディングをしました。そんな話もしたりして。
2022.2.14
藤澤慶昌
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