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むささび|本と美術と旅
2024年5月26日 06:09
2024年、冬、某日。私は東京の三鷹駅に降り立った。三鷹は、太宰治が、戦争期〜晩年を過ごした街である。青森県の北津軽に生まれた太宰は、1930年、東京帝国大学入学を機に上京。その後、1939年から1948年に亡くなるまで、三鷹に居を構えていた。太宰にとって終の住処となった三鷹の家は、12畳半ほどの質素な借屋だった。その家で、『人間失格』『斜陽』など、後期の傑作が数多く生み出され