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眼鏡絵本のレビュー(その6)『「ごめんなさい」がいっぱい』

こんにちは。近藤ろいです。

今4歳の上の娘は弱視治療をしています。
「遠視性不同視弱視」といいます。左目が強い遠視であまり見えておらず、治療をしなければ将来眼鏡をかけても視力が出ないかもしれない状態です。

普通の3歳児健診で発見されました。

ここから数回は、「当事者母が語る! 日本一詳しい子どもの眼鏡治療・アイパッチ治療関係の絵本レビュー」と題して、
発覚当時、娘のために借りた絵本と娘本人の反応を綴ります。

娘が3歳10ヶ月~4歳2ヶ月くらいの間に読んだものなので、4歳前後の子どもの反応ということになります。

目次ページを設置しました。
こちらです。

その5までの記事をまとめて書きました。
その後読んだ本がこちらのページに追加されていきます。

さっそくレビューです。

『「ごめんなさい」がいっぱい』

くすのきしげのり作 鈴木永子絵 出版社:PHP


「わたしのいもうと"ふうちゃん"は数を間違えたり、すぐにこけたりする。失敗するたびに「ごめんなさい」を言うようになってしまった。ある日、おばあちゃんに「本当にこの子は目が見えているの?」と尋ねられて…

絵本の魅力
弱視が発見された妹について、家族の視点から描かれた本です。

タイトルに「眼鏡」とか「弱視」とか書いていないので私はこの本について知りませんでした。

くすのきしげのり先生は『めがねをかけたら』でもお世話になりました。
何かの裏表紙見返しで?「3部作です」として本著が紹介されていたので興味を持ち、手に取りました。

もうね、「鈴木 永子 絵」の時点で「あっこれはまずいやつや」と思いましたね。
『ちょっとだけ』の方やないですか。絶対しんみりするやつやん。

ちょっと待って直前まで『はれときどきぶた』とか読んでたんですけど!

これが長谷川義史さんとかなら「くるぞ、くるぞ、くるぞ、はいドーン!」みたいなノリで構えられるのですが。

ということで案の定、我らが当事者家族の気持ちを代弁するような展開となり、「しんみり…」となりました。

もしもわが子の弱視や視力障害に気が付けなかったことで、自分を責めてしまう親御さんがおられたら、この本はお勧めです。

娘の反応
読んだ時は4歳5ヶ月でした。
寝かしつけの前に読んでやると、静かに聞いたうえで、

「はぁ…」

とため息をついて何も語らずじーっと暗闇を見つめていました。

言葉でだらだらと語るよりも、雄弁な沈黙もあるというものです。

親としては二重に切なくなったのですが、いちおうこのレビューを書くうえで確認しておこうと思い、
翌日の寝かしつけ時、再度娘が読んで欲しがった時に尋ねてみました。

私「この本を読んで昨日ため息をついていたけど、どう思っていたの?」

娘の返事は意外なものでした。

娘「うーんっと…こけて痛そうだなあって」


えっそこ!?
しんみり感じ入っていたのはそこっすか!?

ちょっと動揺しながらとりあえず読んであげました。
感動のページ、家族が「ごめんなさい」を言い合うシーンで、「ハハハ」と娘が笑うのです。

私「なぜ笑う」
娘「ははは、ごめんなさいがいっぱいやなあと思って」

アナタはふうちゃんか!!?

娘「で、なんで謝ってたん?」
私「ぇえ…? 見えにくくて困っていたのに、気づかなくて、できないことを怒ったりしてごめんねって」
娘「はあ…ん?」

世の自分を責めているお父さんお母さん、当人はそんなに深く感じていないかもしれないっスよ(わが子調べ)。

それとも、わが子の生きる世界は、理不尽に叱られることで満ちているから、この程度の叱責に今更謝る?みたいな世界観なんでしょうか。

まあ、本人が成長した時、親の想いに気づいてくれるかもしれないので、
親として感じる忸怩たる思いは無駄ではないと思いたい。

しかし「訊いてみないとわからないなあ」と思ったという意味でも、子どもに対して罪悪感を抱いておられる親御さんにおすすめだと思いました。

そして長谷川義史先生描いてくんないかな…『あいぱっちいやや』とかなんとか。


最後に宣伝

はい、恒例の宣伝です。

自作絵本「わたしのあいぼうめがねさん ときどきアイパッチ」

「3歳児健診で眼科に行くことになり、眼鏡を掛けることになった」がテーマの本そのものは無かったので、描きました。

絵心は無いのに大冒険です。
120円で販売しています。紹介ページはこちら。

紹介ページの後半、絵本データをダウンロードする箇所だけが有料で、紹介リンクそのものは無料です。
よければサンプルだけでも覗いてみてください。



(その6)については、いずれまた追加します。