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書籍紹介『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換』

『発達障害&グレーゾーン子育てから生まれた 楽々かあさんの伝わる! 声かけ変換(大場 美鈴)』という本の紹介です。

支援学校(特に高等部)では、卒業後の進路に向けた現場実習というものがあります。年間に何度か、進路先候補となる施設を体験するのですが、その実習先の壁に貼ってあった「声かけ変換表」にすごく驚き、自宅と職場で紹介したことを覚えています。

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(画像はFacebook楽々かあさんのアイデア支援ツールと楽々工夫noteより)

初めて支援学校で働いたときにベテランの先生から言われたのが「『〜してはいけない』という禁止ではなく、『〜しようね』という肯定の表現で伝えようね」ということでした。例えば「廊下を走らない!」ではなく、「廊下は歩きましょう」みたいな感じです。

「廊下は歩きましょう」ならすぐに出てくるのですが、子どもに対して「あっ」と思った瞬間になかなか咄嗟に肯定的な表現って出てこないんですよね。今ではある程度は咄嗟に出せたり、その場の感情をぶつけたりしないようにできるようになってきたと思いますが。

そんなときにこの声かけ変換表はとっても便利だなぁと思っていました。

ちなみに現在は特設サイトにて、書籍の紹介や声かけ変換表のダウンロード(どなたでも可能です)、レビューなどを確認できます。

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(画像は伝わる!声かけ変換特設サイトより)

子どもたちに伝えるときは、肯定的に、わかりやすく、シンプルかつ具体的にが1つの理想だと思うます。

この本にはそんな肯定的で、具体的でわかりやすい伝え方や相手の気持ちを受け止める返し方などの具体例も豊富に掲載されていますがそれだけではありません。

具体的な指示だけでなく、例えば「塩コショウを少々」といったような抽象的な言葉がわかるような伝え方の工夫や、本人が自分で選択できるような伝え方など、子どもの成長段階に合わせた声かけのステップアップの道筋も示されています。

以前、別の記事で紹介したフェーディングの考え方ですね。

そんな「子どもに伝わる声かけ」以外にも、保護者や支援者向けの「心の片付けをする声かけ」や無理しすぎたり思い込みすぎたりしないための「自分のための声かけ」、子どもと「愛着と信頼関係を築く声かけ」や子どもが「自信をつける声かけ」、先ほど紹介した抽象的な言葉の理解や妥協したり、交渉したり、断ったりといった「共感力を育てる声かけ」なども紹介されています。

子どもとすぐぶつかってしまう、「こんなに言ってるのに、なんでわかってくれないんだ」「(叱った後に)自分はだめだなぁ」と思うことは誰にでもいることだと思います。

でもそこで相手のせいにしていては状況は変わりませんし、子どもだからだと力技で相手を言い聞かせようとしても大抵上手くはいきませんし、どこかに歪みが出てきます。

そんなときは自分の言動や雰囲気を変えてみたり、思い切って自分の想いを伝えたりすると意外や意外、相手が変わってくれることってよくあります。

そんな風に悩まれている方は、この本を参考にまずは伝え方を変えてみてはどうでしょうか。


表紙の画像はAmazon.co.jpより引用しました。