見えにくい人のための便利グッズ その2 家事に関するもの編
基本的に便利グッズの写真に販売先のリンクを貼っています。詳細はリンク先で確認ください。画像は日本点字図書館わくわく用具ショップのものが中心ですが、それ以外のものは画像の引用先を表示しています。今回は、料理、整理や衣類など家事に関するものを中心に紹介していきます(随時更新中)。
その1筆記用具、時計、財布などについてや、その3健康、美容についてもあります。
1 料理関係
視覚障がいの方が料理…と思われる方もいるかと思いますが、通常の器具を使ってガスコンロなどで料理されている方はたくさんいらっしゃいます。僕の知り合いにも釣ってきた魚を三枚におろし、刺し身にされる方や天ぷらなど揚げ物をされる方もいらっしゃいます。ですが、見えにくさに配慮した多くの便利グッズがありますので紹介していきます。
視覚障がいに限らず、みんなが使いやすいユニバーサルデザインに通じるものがありますよ。
1.計量編
(1)プッシュ式万能調味料入れ
醤油差しのような形をしていて、傾けてシリコンゴムのふたを押すことで、小さじ半分くらい(約2.5ml)の調味料を出すことがでる調味料入れです。倒したときのこぼれや注ぎすぎを防げます。
容器はガラス製なので、酢や油でも大丈夫です。Sサイズ(80cc)とMサイズ(140cc)の2種類があります。
(2)ひとおしくん
プッシュ式万能調味料入れと似た醤油差しのような形状の液体調味料入れです。一押しで5ccが出てきます。
2本セットで、一方の注ぎ口の上部に凸点が付いているので、中身の識別に便利です。容量は110ccです。フタの色は緑とオレンジの2種類があります。わくわく用具ショップオリジナル商品です。
(3)計量ポット さじかげん
お店のケチャップやマスタード入れのような形の液体調味料計量ポッドです。本体を傾け、側面の凹部を押さえることによりワンプッシュで約10CCと15ccを出せます。容器の上部(10cc)と下部(15cc)の押す位置によって出る量が異なります。
容量は250ccで、赤と青の2種類があります。醤油、お酒やお酢、ドレッシングなど液体調味料に使えます。
(4)計量みそマドラー
長さ12cmの棒の両端に大小の丸い泡立て器のようなものが付いている形状のみそ計量器です。
棒の端をみそに差し込み、くるっと回して引っ張ることでみそを大さじ1(みそ汁約1杯分)と大さじ2(みそ汁約2杯分)のそれぞれを取り出すことができます。計量後、そのまま鍋の中で回して溶かすこともできます。
(5)軽量カップ3個組
50cc、100cc、200ccの3個が一組になった計量カップです。カップ内側に凸線の目盛が出ているので、指先で中身と目盛を確認しながら計量できます。
(6)置いて使える計量スプーン(4本組)
大さじ、小さじ、小さじ1/2、小さじ1/4の4本組のセットです。底が平らで持ち手の先が下に曲がっているため、スプーンを置いたまま正確に量ることができます。また4つを重ねて収納もできます。
(7)シュガーポット
本体を傾けると注ぎ口からスプーン約1杯分(約3g)の砂糖が出せるシュガーポットです。注ぎ口のフタ付きです。グラニュー糖以外に粉末茶や調味料などの粉末も使用可能です。
視覚障がいの方に限らずですが、少々入れるつもりが、大量に入れてしまうなんてことを防げます。
大さじや小さじを使って測るよりも簡単に計量して入れられます。
味噌の量なんかは僕も目分量で苦労することがあるのでおススメです。
(8)合ピタカップ
お米1合または0.5合を計ることができる三菱電機独自の計量カップです。底面が楕円形なので倒れても転がりにくくなっています。
1カップ用(180ml)をひっくり返すと0.5カップ用(90ml)を計れる両面使いのすぐれもので、側面には点字で180と90の表示があります。
(9)押して計れる計量ボトル
その名の通り、ボトルを押すだけで計量できる便利グッズです。あらかじめ、このボトルに醤油やみりんをセットしておけば、ボトルの上のほうにある丸い目印の部分を押すと大さじ1(約15mL)、下の丸い部分を押すと小さじ2(約10mL)の量が出てきます。百円均一のダイソーで販売されています。
(画像はmichillより)
(10)上から見て量れる500mLカップ
100mlごとに段差になっているので、内側を触って確認できるメジャーカップです。百円均一のキャンドゥで販売されているそうです。
(画像はTwitter@teilifeより)
(11)かんたん軽量粉末だしボトル
百円均一で販売されている顆粒だしや顆粒コンソメ、顆粒鶏ガラなどを入れる容器で、一振りで小さじ1杯分が出てきます。
(画像はTwitter@usher_RP_sunより)
(12)貝印調味料ストッカーに入れられる計量スプーン
表が大さじ裏が小さじと1つにまとまっているので、探す面倒さがありません。小さいのでストッカーなどにも入れても大丈夫です。
(画像はAmazon.co.jpより)
2.音声編
(1)音声キッチン秤ハイジ
音声で重さを教えてくれる秤です。計量単位は1g〜5kgです。通常の計量の他、容器の重さを引いて中身だけを計量する風袋引き計量、目標とする重量に近づけば教えてくれる参考計量、電卓のメモリー機能のように重さを保存して複数のものを計量し合計を導く加算計量、キーロックやリピートの機能があります。音量は6段階で、イヤホンも使用できます。
(2)音声キッチン秤ビビアン
音声キッチン秤ハイジの機能に加えて、テンキーで目標とする重さを自由に設定できます。
また時刻や日付を設定できる他、タイマー機能や単位の設定機能、液体の体積換算や袋の中に複数入ったキャンデーの個数を数えるなどの個数カウンターの機能もあります。
(3)GRUSボイスクッキングスケール
シンプルな音声秤です。白と黒でコントラストもはっきりしています。また従来品より比較的安価で購入しやすかなっています。Amazonなどでも販売中です。説明の詳細はこちらから。
(画像はGRUS(グルス)より)
(4)点字つきタイマー
全てのボタンに点字(数符と外字符が省略されたもの)が付いていて、ボタンを押すときやアラームを音か振動で教えてくれるタイマーです。1分〜90分まで計れます。バイブレータモードにした場合は一切音がしないようです。
スタンドを倒して立てることも、裏面のマグネットで冷蔵庫などに貼り付けることもできます。
(5)らくらく操作のキッチンタイマー
凹凸がはっきりしたボタン(点字表記なし)で、簡単操作の小型手のひらサイズのキッチンタイマーです。設定キーは、10分、5分、3分、1分、10秒の5つと、スタート兼ストップ、リセットの2つです。ボタンを駆使して10秒〜99分50秒まで計れます。
アラームは電子音で、キーを押すごとに「ピッ」という音がします。防滴なので濡れた手でも大丈夫です。
(6)トーキングタイマー
音声式のカウントダウンタイマーです。
残り10分で「あと10分です」、10分以下になると1分毎に、1分以下は10秒毎に、10秒以下は1秒毎にアナウンスします。時間になるとアラーム音が鳴り、そのまま放置しておくと1分毎に「○○分オーバー」と知らせてくれます。
アラーム音は6種類から選択でき、メモリー機能や自動繰り返し機能もあります。
タイマーはスマホの音声も簡単に使えて便利です。iPhoneのSiriで「タイマー◯分」と言うとスタートします。カウントダウンなどの機能はありませんが、すぐにどこでも使えて便利ですよ。
(7)Dolity
デジタルクッキング温度計で、音声放送機能が付いています。0.8秒で−50〜300℃の温度が測れます。携帯に便利な折りたたみ式で、針の先をあてると温度を測定します。
キッチンでの料理やバーベキュー、食べ物、肉、キャンディー、コーヒー、牛乳、お風呂の水温などを計るのに最適です。
10分間動作させないと自動的にシャットダウンします。
(画像はamazon.co.jpより)
(8)IHジャー炊飯器NJ-VW109 5.5合炊き
三菱のらく楽アシスト機能つきの炊飯器です。文字の大きいデジタル表示が付いていて、音声ナビでメニューの選択や大切なお知らせを声で発信します。色は白と黒があります。
(9)レンジグリル ZITANG(ジタング)RG-HS1
三菱のらく楽アシスト機能つきの電子レンジ。操作を音声で案内します。ボタンを押したときのガイドだけでなく、「こんにちは」「あたため頑張ります!」など親しみやすく話しかけてくれます。音量や速さは調節が可能です。色は赤と白があります。
付属のメニューブックのわくわく用具ショップオリジナル音声CD(デイジー)があるようです。
(10)三菱IHクッキングヒーター(CS-G20AKS)
*日常生活用具給付対象
三菱のらく楽アシスト機能つきのIHクッキングで、備え付けのタイプです。IHは2口タイプです。
設置工事が必要なので、購入は電気店からになるようです。
液晶表示は白地に黒文字の見やすい表示になっているうえ、音声でも設定状況や注意喚起などをわかりやすくお知らせしてくれます。
炊飯器、レンジグリル、IHなどの三菱の視覚障がい者向け読み上げ商品の説明ページはこちらです。
(11)アイリスオーヤマ IHクッキングヒーター 1400W 音声ガイド付 ブラック EIH14V-B
音声で操作案内をする音声ガイド機能付きのIHクッキングヒーターです。備えつけではなく、コンセントタイプなので持ち運びできます。IHは2口タイプです。
タイマーや揚げ物・煮物などもモード機能あります。
(画像はamazon.co.jpより)
(12)電磁調理器パナソニック製KZ‐HP1100
ボタン操作部に点字表示があり、設定時にはブザー音でお知らせします。
タイマーによる長時間の煮込みも可能で、切り忘れ防止機能や温度過昇防止機能もあります。
トッププレートの中心がわかるように凸マークが付いています。
(画像は日本ライトハウス情報文化センターより)
3.調理編
(1)見やすい抗菌まな板
黒いまな板なので白っぽいものコントラストがはっきり見え、調理に便利です。逆に黒いものや緑のピーマンなんかは白いまな板がおススメです。百均などで類似品を見かけることもあります。
白黒両用のまな板もあります。
(画像は日本ライトハウス情報文化センターより)
また食材によってはカラーまな板を使用されると見やすくなるかもしれません。
(画像はアイリスプラザより)
(2)立つタテ型ピーラー
長い食材も丸い食材も、包丁感覚でスイスイむける、使いやすいタテ型のピーラーです。じゃがいもの芽取りやこそぎ刃も付いていて、しかも立つので便利です。
(3)簡単皮むきグローブ ムッキー
手のひらと指の部分に細かいトゲトゲがついたグローブです。これをはめてジャガイモやごぼう、里芋なんかをゴシゴシ強くこすると皮がむけます。類似品も多数あります。
(画像はamazon.co.jpより)
(4)たまごのなめらかスティック
菜箸くらいの太さのスティックで、先端はリング状の卵を撹拌する部分になっていて卵を手早く混ぜられる調理器具です。卵の白身を切るようにして黄身と白身を上手に混ぜられます。
(5)水切りおたま
ヘッド(すくう部分)の柄に近い部分の周囲に穴が開いた形状のおたまで、おたま、穴あきおたま、味噌溶きの3役がこなせる優れものです。柄の付け根に近い部分の裏側には突起があるので、寝かせて調理台に置いてもヘッド部分が浮いた状態になり、調理台を汚しません。
(6)こぼれにくいフチ付きミニまな板
まな板の左側面、奥側、右側面に2㎝のフチがあり、切った食材や汁をこぼさず調理できます。サイズは22センチの正方形で、色は白のみです。類似品多数あります。
(7)奥秋曜子の電子レンジ鍋
日本点字図書館発行の録音雑誌出演者の奥秋氏とセラミック製品メーカーが視覚障害者向けに開発した、簡単に美味しく調理できるセラミック鍋です。電子レンジで使用できます。内側にはさわってわかる水位線があります。
電子レンジでつくる、基本のおかず、肉のおかず、魚のおかず、煮物、常備菜、ごはん、洋食、野菜のおかず、とうふのおかず、鍋物、麺類、スープ、デザー などの65種類のレシピ付きです。
(8)奥秋曜子のフィッシュグリルプレート
電子レンジ鍋に続く開発商品で、電子レンジでチン!と、お魚が焼け、ほどよい焦げ目がつきます。外はパリパリ、中身はふっくらと焼き上がります。31種類のレシピ付き。ガスコンロの魚焼きグリルに比べて片付けも楽ですよ。
(9)レンジマジックトレー
熱くならない電子レンジ用のトレーです。
滑りにくいマット付きで、持ち手もあり取り出しやすくなっています。
万一ふきこぼれても、ヤケドの心配なく運ぶことができます。
電子レンジのマイクロ波が通りやすく、ムラなく加熱できます。
(画像は日本ライトハウス情報文化センターより)
(10)ジッパー付き食品保存バックスタンド
ジッパータイプの保存袋を開いた状態に保つことができ、食品などを移しかえる際、両手が使えて便利なグッズです。洗った袋を乾かすのにも使えます。
(11)ザルバッとん
正方形の容器でザルとバットが2つずつ合計4つのセットになっているキッチン用品です。バットは深さ6cmほどあるので、ボウルとして料理の下ごしらえの際に使うこともできます。電子レンジで手軽に蒸し料理ができます。
(12)ゆびさきトング
小さなバナナを逆さにしたような形の小型トングです。持ちやすく、先が短いので、自分の指でつかむ感覚で使えます。熱々料理、においの強いもの、生の魚や肉をつかむほか、サラダや揚げ物を取り分けたり盛り付ける時にも活用できます。逆さに置くと、トングの先が上を向くのでテーブルを汚しません。
(13)立つしゃもじブラック
ご飯をつぶさず、すくいやすい 立つしゃもじです。黒いので白いごはんつぶとコントラストがはっきりしていて見やすいです。類似品が多数あります。
(画像は楽天市場より)
(14)葛恵子のトースタークッキング専用トースターパン
オーブントースターを使ってご飯を炊いたり、唐揚げや焼き餃子、鯖の味噌煮、オムレツ、カレーなどが調理できるアイテムで、一人分の調理に便利。火事や火加減で焦がす心配もないので安心ですね。専用のレシピブック付きです。
(画像は楽天市場より)
(15)Folks
シンガポールのデザイナーKevin Chiam氏が視覚障がいの方も「安全に楽しく料理」ができるようにと考案した5つの調理器具です。
包丁はガードを取り付けることができるので、指を切る心配がなく安心して持つことができます。
サイドトレーを取り付けたまな板は、切った食材を綺麗にまとめられるので、物を落とすことなくお皿に盛り付けることができます。
ガスコンロに鍋の置き台をおくことで、鍋がしっかり安定し、安全に火を使う料理ができるようになります。
鍋の蓋には小さな穴がついており、その穴から手を当てれば沸騰したことが分かるので、蓋に触れず火傷をする心配もなくなります。また、蓋の取っ手に指がキレイにはまるので蓋が開けやすくなっています。
ティースプーンに黄色の器具が取り付けられます。コップに水を入れて、その器具が手に触れることで水の量を把握できるので、水がコップから溢れることがなくなります。
(画像はbouncyより)
4.レシピ・調理方法・料理教室
(1)『はじめての料理ハンドブック-弱視・全盲の子どものために』鈴木文子・福田美恵子
日常生活の基本的なことから、電子レンジなどを活用して、簡単な料理を作るまでを、やさしく紹介している本です。
(画像はamazon.co.jpより)
(2)『ひとりでできる家庭料理―五感で調理するレシピ集』松井純子
長年視覚障害者向けの料理教室を続けてきた松井純子さんがレシピ、材料や調理法だけでなく、料理の由来や食材についてなど、言葉をつくして説明してくれます。
(画像は読書工房より)
(3)すこやか食生活ネット
視覚障がい者や高齢者向けに音声によるレシピを公開しているサイトです。分類や人気レシピ、使う食材などから検索できます。
また電子レンジなどを活用した点字レシピ本を盲学校や視覚障がい者関係施設などへ無料で配布されています。
(画像はすこやか食生活ネットより)
(4)やさしい手料理キッチン
視覚障害者の方がしっかり学べることを目的にされている料理教室で、千葉市内の施設で月に1~2回開催しています。
(画像はやさしい手料理キッチンより)
5.食事編
(1)おかるのキモチ。六兵衛茶碗(粒々)
椀の内側が赤色と青色の2色あり、ごはん粒がはっきり見えます。
軽くて持ちやすく、表面が熱くなりにくく、料理が冷めにくいのが特徴です。椀の内側を細かい凹凸形状なのでごはん粒がくっつきにくいです。
このお茶碗に限らず、コントラストのはっきりした器は見えやすく便利なことが多いです。
(2)ロービジョンマグカップ&プレート
それぞれスマイル、スクエア、フォレストの三種類があります。
マグカップには以下の4つの工夫があります。
・持ち手に絵柄をつけて持ち手の位置をわかりやすい。
・スマイルはフチにオレンジ色の線を描きフチがわかりやすい。
・白いマグカップの中に絵柄をつけてどのような色の飲み物でもわかりやすい。
・絵柄のクロスサインはだいたい半分くらいがわかる。
オリジナルプレートは、お皿のフチやお皿の中心を把握しやすい絵柄になっています。
(3)液体プルーブ
コップの縁にかけるようにセットして、容器内の液面の高さを、音によって知らせる道具です。
縁から3.5cmの深さで液体に触れたときにピピピピピと、縁から2.5cmの深さで触れたときに連続したピーという電子音がするので、入れすぎてこぼれるのを防げます。
(4)こぼれず注げる!液体どこまで
液体プルーブの類似商品です。コップのふちから3.5cmの深さでメロディーと断続振動、2.5cmの深さでピルピルピルという電子音と連続振動します。
(画像はアメディアより)
(5)キシロフォンカップ(Xylophone Cup)
一定量注ぐと音のするマグカップです。マグカップの持ち手が、空の状態のときやや傾いていて、ドリンクを入れるごとに、その重みで平行になっていき、ある程度カップの中が満たされたとき、持ち手の下部がカップ本体にカチッとあたるので、その音および感触で、「いっぱいになった」ことがわかる、という仕組みのようです。研究中とのことで、現在商品化されているかどうかは不明です。
(画像はPouchより)
(6)ブオイカップ(Buoy Cup)
一定量注ぐと取っ手を持っている指にタッチして教えてくれるコップです。中へ向かって傾いたように設置されたレバーがドリンクの重みで平行になり、規定量に達した瞬間、レバーが持ち手に置かれた手をタッチして、いっぱいになったことをお知らせします。
(画像はPouchより)
(7)すくいやすい皿
器の片側が高く、内側に丸く湾曲しているお皿。ここでスプーンを使うと料理をこぼさず楽にすくえます。全体的に深さがあるので汁気のあるシチューなども使用可能です。
底には、片手で押しても器が動きにくい滑り止めのシリコンゴム付きです。
(画像はよしとく福祉より)
(8)クロックポジション
視覚障がいの方に配膳の配置を伝える方法のひとつに、時計の文字盤に見立てた「クロックポジション」があります。テーブル上では、相手の向こう側(奥)が12時、手前が6時です。献立を「12時の位置に主菜の焼き魚、5時には味噌汁、8時にご飯...」のように説明します。
熱いものや汁物などは、触って位置を確認しましょう。料理の盛り付けも、お皿を時計に見立てて説明することができます。食事中は実況中継のように説明しすぎず、さりげなく見守ることがポイントです。
(画像はあずみ苑より)
(9)みずいろクリップ
様々な容器に簡単に取付けるコトができ、熱いお湯や冷たい水、調味料などの液体の注量を知ることができる機能(6分間までのタイマー機能付き)と、先端を色が知りたい対象物に押し当てるコトによって、明るい暗いなどの環境下を問わず、正確に色を判別し通知する機能を1本にまとめた 視覚に障がいがある方用のデバイスです。
タイマー付きなのでチキンラーメンやカップラーメンを作るのに便利ですね。
(画像はRaise the Flagより)
(10)Obon Table
平井百香さんがデザインした視覚障がい者向けのテーブルで、いくつかの穴があり、置いたものを触って識別しやすいようになっています。グッドデザイン賞を受賞されたそうです。お問い合わせはNPO法人みのりまでとのことです。
(画像はTwitter@shinnosuke924より)
3 物の整理や管理編
(1)キーファインダー
リモコンのボタンを押すと対応した子機から「ピピピ」という電子音が鳴り、探し物の場所を知ることができます。鍵や財布、携帯電話など、無くしてしまいがちなものに子機を付けておけば、リモコンのボタン一つで探し出すことができます。
子機に付けられたタグそれぞれを触覚で識別できるよう凸点がついています。
障害物が無ければ30~40m先でも反応します。近くであれば引き出しの中や隣の部屋のものも探すこともできます。
(2)透明凸点シール
見えない方は手でいろんなものを触って情報を得ています。透明凸点シールはそんな触覚を利用してものを確認するのに役立ちます。
薄型24粒入(直径4ミリ×高さ0.2ミリ)、小24粒入(直径5ミリ×高さ1.5ミリ)、中22粒入(直径7.9ミリ×高さ2.2ミリ)、大18粒入(直径9.5ミリ×高さ3.8ミリ)の4種類があります。
携帯電話、パソコンや家電製品のボタンなどに貼って触ってわかる目印に、また教科書やノートの付箋がわりに、それぞれの大きさで区別して使えます。
3Mの「しっかりつくクッションゴム」という商品も便利です。
(画像はAmazon.co.jpより)
(3)タッチボイス*日常生活用具給付対象
本体はペン型で、付属のドット付き音声シールにメッセージを録音することができます。
ドット付き音声シールは直径1センチほどで表面に小さい4つの突起があります。
薬やCD、醤油とみりんの容器など触った形でわからないものにメッセージを入れてシールを貼っておくと便利です。
シールと洗濯用耐水チップが別途購入できます。
(画像は日本ライトハウス情報文化センターより)
(4)アプリ「ToT: Tag of Things ものタグ」
詰め替え用シャンプーやCDなど見分けがつきにくいものにNFCタグを取り付けて識別するアプリです。
(画像はApp Storeより)
(5)ペットボトル用首かけ点字ストラップ
ビッグボスシバザキ株式会社で販売されています。ペットボトルの形のアクリル板に点字で商品種類(水、緑茶、ウーロン茶、コーヒー等)を印刷してあり、晴眼者にも判別できるように、墨字で種類の印刷もしてあります。
(画像はポンパレモールより)
(6)スマートトラッカーTile
財布やカギなど大切なものに取り付けるスマートトラッカー(落としもの防止タグ)が「Tile」です。ノートパソコンなどにも貼り付けられる超薄型の「Tile Slim」と、耐久性・防水性の高い「Tile Sport」もあります。スマホの操作でそれぞれのTileを鳴らして、探し物をすぐに見つけることができます。逆にTileを2回押すことでスマホを鳴らして(マナーモードでも音を鳴らせるようです)見つけることもできます。スマートスピーカーアレクサにも対応しているようです。詳細はこちらのサイトで確認ください。
(画像はAmazon.co.jpより)
(7)Voice-it QRコード音声シール
欧文印刷株式会社が「貼って伝える音声メッセージ」をコンセプトとして開発した、音声の録音と再生ができるQRコード付音声シールです。
登録用と再生用のQRコードがペアになっており、ペア毎に音声の録音と再生が個別に可能です。
また専用アプリは必要なく、登録用QRコードをスマートフォンで読み込んで“自分の音声”か“入力したテキストから合成したAI音声”を登録して、対応した再生用QRコードをスマートフォンで読み込むと登録した音声が再生できます。登録した音声を変更したい場合は10回まで上書きが可能です。
(画像は欧文印刷株式会社より)
録音時間、音声合成文字数、音声の再生期間によって4種類のバリエーションがあります。
(画像はvalue pressより)
(8)凸ペタシール
凸ペタシールは、法政大学経営学部の西川・本條ゼミの学生4人で構成された「チーム凹ni-Que.(ユニーク)」が企画・開発したもので、ものを触って区別するために貼る手触りの違うシールです。2021年夏ごろから販売予定だそうです。
(画像はspotliteより)
(9)PET詰替ボトル用・識別リング 4色入 400ml・600ml用
無印良品で販売されているPET詰替ボトル用・識別リング 4色入は、シリコンゴム製のリングで、赤・青・黄・グレーの4色でシャンプーやボディソープ、コンディショナーなどの詰め替えボトルやお酒、みりん、醤油などの調味料ボトルなどを識別できるものです。
(画像は無印良品より)
(10)ペニートーク
ペニートークは、太めのボールペンのような外見の用具です。ペン先に特殊なセンサーがついており、専用のシールを読み取ると、シールに対応する音声が本体から流れてきます。どのシールにどの音声が流れるようにするかはユーザー自由に決めることができます。
(画像はフロッグワークスの『かえるショップ』より)
4 衣類編
1.縫い物編
(1)セルフ針セット(12本入り・ケース付き)
見えにくい針穴の先端に小さな隙間があり、この隙間に糸をセットし、糸を押し付けることで穴に糸を通すことができます。いったん通した糸は、隙間から抜けることなく、通常の針と同じように使用可能です。
(2)糸通し(国産・3枚組)
針の穴にひし形の極細針金を通し、そのひし形の部分に糸を通し、引き抜くと針に糸が通った状態になります。
針、糸の太さを考えずに、絹針・ミシン針などもスムーズに通せます。
そういえば小学校の裁縫セットに入って記憶があります。あまり使わせてもらえませんでしたが。
(3)簡単糸通し エスコート2
本体の両側にある円筒部に針の穴を下に向けて挿入し、円筒部のワキの溝に糸をかけ、本体中央部にあるレバーを下に押すと、簡単に糸を通すことができます。
針穴の丸い針や刺繍針、毛糸針などは使えないようです。
(4)簡単ボタン付けtic
針も糸も使わずにボタンを取り付けれます。
ホッチキスのような形状で、出っ張りを生地に差し込んでボタンを置き、反対の出っ張りを組み合わせ、ねじねじしてパーツを取ると完成です。
(画像は楽天市場より)
(画像はokadaya SHINJUKUより)
2.コーディネート編
(1)アプリ「衣服の色調べ」
目えない方の中には触り心地で衣服を区別する方もいますが、柄や色の組み合わせはなかなか難しい問題です。
このアプリは衣服から40センチほど離して撮影すると、その服の色と模様(縦縞、横縞、チェック、無地、そのほかの模様)で教えてくれます。
(画像はApp Storeより)
(2)アプリ「FCSユーザアプリ」
衣服にICタグを取り付け、色柄や季節、組み合わせなどを登録してデジタルクローゼットを作れるアプリです。登録した服の色柄や季節、組み合わせなどの情報はアプリで確認でき、衣服につけたICタグから、登録した服の情報を読み上げることもできます。
(画像はApp Storeより)
3.洗濯編
(1)靴下クリップ ソックスター(20枚入)
見えない方が靴下のペアがわからなくなって困ってしまうことがあります。
この商品は、洗濯する時も干す時も収納時もソックスターにセットしたまま、いつもペアで管理できる靴下専用のクリップです。丸いコースターのような形で、靴下を挟む切り込みが2箇所と干す時に使用するフックの切り込みが入っています。
(2)洗濯ばさみ
靴下が洗濯機の中で行方不明にならないように洗濯ばさみで留めておきそのまま干すというライフハックもあるようです。
(画像はサンキュ!より)
(3)ジェルボール
粉でも液体でも洗剤の量を計るのは見えにくいとなかなか困るものです。最近は当たり前にみられるようになったジェルボールはそんな計量が不要な画期的な商品です。
(画像はアリエールより)
(4)プッシュ式洗濯用洗剤
アタックZERO(ゼロ) ドラム式専用 [ワンハンドタイプ]はドラム式専用洗剤ですが、片手で計るワンハンドタイプです。洗たく物量に合わせて、プッシュ回数で量を調整できるので、粉や液体の洗剤のような軽量の手間が不要な商品です。
(画像は花王より)
NANOXにも手間と時間を短縮させるプッシュタイプがあります。
(画像はトップより)
その3に続きます。
参考にしたサイト
表紙の画像は高田馬場経済新聞より引用した、日本点字図書館の外観写真です。