ビジョントレーニング その5 自作教材紹介編
今回はiPadや電子黒板などで使えるように僕が作成したビジョントレーニング用スライドのデータ( Keynote/PowerPoint)を紹介します。よければ学校やご家庭で活用ください。
1 画面の数字にタッチしよう
0〜9の数字がランダムに配置されたスライドです。
0から9まで順番(あるいは逆順)にタッチするもよし、こちらが「5」「8」「3」といった読み上げる数字をタッチするもよしです。「53」「186」など数字の桁数を増やすと難易度もアップします。跳躍性眼球運動や目と手の協応のトレーニングに活用できます。
電子黒板など大きな画面ですると盛り上がります(盛り上がりすぎて強く叩かないよう注意!)。
2 グーチョキパーに合わせて動こう!
グーチョキパーの3つの画像がランダムに表示されるスライドです。
「最初はグー、じゃんけん、ホイ、ホイ」の言葉かけで取り組みます。最初の「ホイ」でこちらがスライドを提示(もしくは次のスライドへジャンプ)し、続く「ホイ」で、子どもたちに画面に表示される手に対して「あいこ」「勝って」「負けて」などの条件に合わせた手を出してもらいます。いわゆる「後出しじゃんけん」ですね。目と手の協応のトレーニングに活用できます。
(画像はミックスじゅーちゅより)
スピードを速くすると難易度アップです。
手だけでなく全身も使ってもらうため、「体じゃんけん」でも取り組みました。目と体の協応のトレーニングになります。
(画像はミックスじゅーちゅより)
3 矢印の向きに合わせて動こう!
上下左右の矢印がランダムに表示されるスライドです。
表示される矢印の向き(上下左右↑↓←→)に合わせて、前後左右に進む(ジャンプする)や、上はジャンプ、下はしゃがむ、左右は進む(ジャンプ)などいくつかのパターンで行いました。目と体の協応のトレーニングになります。
矢印と反対向きの動作にすると難易度アップです。
後出しジャンケンならぬ、「後出しあっち向いてホイ」で矢印と同じ(反対の)向きに顔を動かしても面白いです。
(画像はミックスじゅーちゅより)
4 動物を見て動こう!
7種類の動物(ゾウ、ウマ、ウサギ、アヒル、カバ、イルカ、リス)のシンプルな白黒イラストがランダムに表示されるスライドです。
このスライドのときは子どもたちとルールを決めてから取り組みます。例えば「ウサギのときにジャンプ」「リスのときにしゃがむ」「イルカのときに「ドルフィン!」と叫ぶ」などです。ワーキングメモリと、目と体の協応のトレーニングになります。
慣れるにつれルールを2つ、3つ、4つと増やしていくと難易度アップです。というか、こちらが覚えきれなくてメモ必須になります笑。
5 これはなんだろう?
スライド版と穴あき版があります。盲学校時代の弱視レンズ指導のときの「一部を見て全体を推察する」練習をイメージして作ってみました。視覚障がい教育でいうところの「見えないものまで見ることができる段階」ですね。
スライド版は、その名の通り野菜・果物・動物の写真の上にある黒い目隠しが、徐々に右へズレていき、写真全体が見えていくものです。
keynoteでは途中でアニメーションをストップできないので、わかった時点で挙手するようにしていました。
ムービーに書き出したものは、途中でストップできるのでクイズ形式で盛り上がります。ムービーを埋め込む方法がわからなかったので、ぜひkeynoteから詳細→書き出し→ムービーで動画にしてみてください。
穴あき版は、野菜・果物・動物の写真の上にある黒い目隠しに空いている穴がだんだん広がり、写真全体が見えていくものです。
こちらもぜひムービーに書き出してみてください。
6 色か絵か?
コグトレの『不器用な子どもたちへの認知作業トレーニング』という本で紹介されているものを元にしています。
全部で3段階あります。
「色か絵か?①」は、赤・黄・青の3色がランダムで表示されるスライドです。最初に説明があります。
赤色は「止まる」、黄色は「歩く」、青色は「走る」という動作に対応しています。画面に表示される色を見て、その場で対応した動作をします。
「色か絵か?②」は、木・うし・いぬ・うさぎの4つのイラストがランダムで表示されるスライドです。最初に説明があります。
木は「止まる」、うしは「歩く」、いぬは「走る」、うさぎは「ジャンプ」という動作に対応しています。画面に表示されるイラストを見て、その場で対応した動作をします。
「色か絵か?③」は、これまでの赤・青・黄の3色と、木・いぬ・うし・うさぎの4つのイラストの組み合わせがランダムで表示されるスライドです。最初に説明があります。
画面に表示された色とイラストを見ながら、こちらの「色」または「絵」という声を聞き、「色」なら赤・青・黄の色に対応した動作(止まる・歩く・走る)を、「絵」なら木・うし・いぬ・うさぎのイラストに対応した動作(止まる・歩く・走る・ジャンプ)をその場で行います。なかなかの難易度です。ワーキングメモリと、目と体の協応のトレーニングになります。
まとめ
自作のビジョントレーニング用スライドのデータの紹介でした。いかがでしたか?
コツコツ続けルールためには楽しいのがいいよねという思いから、ゲーム感覚で楽しめるスライドを作ってきました。電子黒板やスクリーンなどの大きな画面を見ながらみんなで取り組むと盛り上がります。
もちろんデータではなく、同じ要領で絵カードや実物を使うアナログなものを使っても構いません。僕も電子黒板だけでなく、自分の手を使った「後出しじゃんけん」や、絵カードと黒い画用紙を使った「これはなんだろう?」をすることもあります。ワークシートを使うときもあれば、ボールなんかを使うときもあります。いろいろと組み合わせてみてください。
以下の記事も参考にしながら、子どもたちが楽しんで取り組めるプログラムを考えていきましょう。
表紙の画像はCOMG!より引用しました。