きゅうじつ。合掌。
二度寝から覚めたのは15:30
明日から師走、日暮も早く灰色の光が窓をぼんやりと照らしているだけだった
しょうがないことなのだとわかっていても、怠くて動けない
枕元に落ちている髪の毛
かみのけってどこからがかみのけ
かみ、として大事にされるのはいつまで
生えているうちはリンス、いまはトリートメントという、やらを塗りたくられて熱加えられて真っ直ぐにしたり折り曲げられたり色まで変えられたり、かまわれまくっているのに、抜け落ちたら
ごみなんてひどいなと思うからのちのちコロコロをかけるとして無視をして起き上がる
スーパーに行って献立なんてなくて適当に野菜や肉や魚や卵を詰めて、黒豆茶が安くなっていたからそれもカートにほうりこんだ
家に帰ってから、そういえばアルミホイルとサランラップ買わなきゃなんだということを思い出したがもうめんどくさい
米を炊く
私の分際でたまに忙しいから4合炊いてラップに小分けに包んで冷凍をする
そのストックが尽きたのだ
米が炊けるまでに買ってきた鯖を焼く
魚グリルにアルミホイルを敷けば下に油が落ちないので片付けが楽なのだが、肝心のアルミホイルが風前の灯
なんとか折り紙くらいの大きさにはなって、それを器みたいな形に気持ちばかり湾曲させて鯖の3等分の切り身を一つのせ、溢れるな油、と念を込めてグリルに入れる
このグリルに魚を入れる一連の工程は、不謹慎だけど、火葬場を思い出す
泣けなかったおじいちゃんたちのお葬式を思い出す
だけどまあ、魚は顔もついてないし骨も身もしっかりいい感じになって出てくるから、気分が悪くなって食べられないとかそんなやわな事は言わない
油が出て、ばちばち炎が出て、勢いよく焼けているから半ば、これはグリル掃除かなと諦めていたが、運良く手製の皿に収まっていたのでありがたや、の意味で合掌
今書いていて涎が垂れた
そう、鯖はいい匂いでして大層美味しかったのです
米も奮発して買った電気釜のおかげでいつも通り美味しく炊けてそれに合わせても最高でした
食べている時がいちばん元気
いちばん楽ちんな快楽です
気分が乗り、その他にもナムルやらなんやらを作ってなんの生産性もないくせにいい夕飯を食べてしまった
変に潔癖で食べたらすぐに食器洗いは済ます
グリルは洗わなくていい
火葬場は洗うのだろうか一回ずつ
きっとそうだろう、と思う
ああそう、炊飯器の残りの米をどうにかしなくては
ラップを手に取って乗せるもまだまだ激アツです
貧弱な手のひらはすぐに根を上げるけど、あとからやるのもめんどくさいので、なんとか10この小分けを作った てがまっか
しゃもじが途中で乾いて米粒がどうしても、どうしてもうまくラップの中に収まらないので諦める
米粒ってどこからがごはんなのだろうか
何粒までが米粒でごはんは何粒からごはん
おばあちゃんちは農家だったからお米の一粒一粒には神様が宿っていると教えられていたから
私はこれから神様を何にんも水没させることになる
ごめんなさい、と呟きながら思い切り水を出して窯に水を溜めしゃもじを沈めた
三人ほど神様は浮かんできて、溢れて、シンクに流れて消えていった
合掌
黒豆茶、飲まないと
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