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【実験】3Dモデル 折り紙を折ることはできるのか?


【概要】

3Dソフトを使って折り紙を折る実験をします
使用するソフトウェアはCLOです
3Dソフト上で1枚の紙を作り、それを折り紙のように折って形を完成させていこうと思います
作る作品はカブトです
実際の折り紙と同じように折ることはできるのか?
もしできなければ、限りなく実際の折り紙に近い形に近づける事は可能かどうかを試行錯誤していきたいと思います

経緯

そもそも折り紙を折ってみようと思ったきっかけは、3Dツールの中に"折りたたんで配置"という機能があったことです
"折りたたんで配置"のツールは、折りたい平面図形の中に線を引いて、その線を選択すると3D画面上に矢印が表示されます
その矢印をたたみたい方向に動かして、目的の方向に折りたたみます
これを利用して、折り紙を折ってみようと考えました

折りたたんで配置 ツール

"折りたたんで配置"のツールは、服を作る時には以下↓のような部分に使います
シャツの袖口のタックをたたむ時やパンツのセンタープレスを付けるときに利用しています

シャツ 袖口タック
パンツ センタープレス

懸念点としては、1枚なら折りたためるが、複数枚重ねた場合は折りたためるのか?というところです
システムの都合上できなそうな場合、どうしたら実際の折り紙に近づけられるか考えながら作りたいと思います

実験経過

準備

大きさ:1辺50㎝の正方形
:片面青と片面白の2色
薄さ:0.01mmに設定
折り進める時の案内線を引く
メッシュタイプ:三角形
実際に折り紙でカブトを作ってみて、四角に折り進むより、三角形に折る方が多かったと感じたので
メッシュタイプを三角形に設定しました

実験準備

工程

①折る-問題発生
②パーツを分けて折り進める
③修正、調整-試行錯誤
④完成形

工程詳細

①折る
実際の折り紙を折る手順と同じように折っていきます(①-1~3)
①-3で折った部分の色が漏れ出ているように見えますが、後ほど調整していきます

①-1
①-2
①-3

問題発生
まさに懸念していたところで、①-3の工程で2枚が折り重なって、それらを一緒に折る部分なのですが、
↓のように折りたい部分が跳ね上がってしまいました
折りたい線を2本一緒に選択しましたが、"折りたたんで配置"のツールでは線を2本一緒に選択して折ることができませんでした

問題発生

よって、1枚の紙の状態で完成させることは大変難しくなった為、パーツを分けて完成形に近づけていこうと思います

②パーツを分けて折り進める
①-2で折った部分を切り分けます(②-1)

②-1

切り分けた状態で折れるところまで折り進めていきます(②-2~8)
切り分けたので、実際には1回で折れる部分を2回に分けて折っているような状態です

②-2
②-3
②-4
②-5
②-6
②-7
②-8

カブトの鍬形にあたる部分を折っていきます(②-9~11)
こちらも実際には1回で折れる部分を2回に分けて折っています(②-9~11)
ここでも折った部分の色が漏れ出ているように見えますが、後ほど調整していきます

②-9
②-10
②-11

カブト正面の中心に来る部分を折っていきます(②-12~16)
山折りに折り上げて(②-13)、谷折りに折り返して(②-15)、さらに山折りに折り上げる(②-16)といった具合に折っていきます

②-12
②-13
②-14
②-15
②-16

折り上げた中心部分の中央下あたりが、折りきれずに飛び出しているので(②‐16)パーツの位置関係を調整していきます
3D画面上で前後の位置関係を調整して、中央部分が収まるようにしていきます(②-17,18)

②-16
②-17
②-18

背面部分の下半分をカブトの内側に折り込んでいきます(②-19,20)

②-19
②-20

以上でひと通り折り終えました(②‐21)
折り終えたものの、収まりが良くなくもう少し完成度を上げたいと思ったのと
色が漏れ出ているように見える部分が多いので、そこを修正したいと思います

②-21

③修正、調整 
試行錯誤

(1)位置関係の微調整
飛び出している箇所や、重なり位置が不自然な箇所を3D画面で移動させながら調整していきますが、
1か所うまく収まると、どこかが飛び出すという負のループに入り込みました…(③‐1~4)

③-1
③-2
③-3
③-4

(2)粒子感覚の調整
折った部分の色が漏れ出ているように見える箇所の改善をする為に、粒子間隔を大きくしました(③‐5)
粒子間隔:20㎜→50㎜に変更

③-5

(3)パーツをカットして形を整える
裏面部分ですが、内側に何枚も折り込まれていてどうしてもパーツを入れて収めることが難しかった部分です
(1)や(2)でもなかなか見た目がいい感じにならなかったので、最終手段として色が漏れて見えたり、収まりが良くない部分の折り目をカットして位置を調整していきます(③‐6~9)

③-6
③-7
③-8
③-9

前面も中心部分の折り目と鍬形の折り目をカットして収まり良くしていきます(③-10,11)

③-10
③-11

すべて整えて完成形が仕上がりました(③‐12)

③-12

④完成形

完成形
横から見た図
分解した図
レンダリング画像

正面や裏面から見るとそれとなくうまく完成できたように見えますが、真横から見てみるとちょっとずつ隙間が空いており、実際の折り紙との差が出てしまってうまくいかなかった部分かなと感じます

結果・考察

完成まで2.5時間かかりました
紙を使って実際に作ってみたら5分以内に完成いたしました( ̄ー ̄)
分解して、折られた内側がどうなっているのか確認できたことは面白いと感じました
服を作る時と違うツールの使い方をしたので、3D技術のスキルアップには多少つながったかもしれません
非常に試行錯誤した実験でした
折り紙を折れるか折れないかといったら、折れるけれども必死に完成形に持って行ったようなところがあったので、成功とも失敗ともどちらともいえないような実験結果だったように思います
どちらともない実験結果だったように感じますが、どうやったらうまくできるかをひたすら考え続けたことはすごく集中できて面白かったです
最後の方は時間の無駄遣いのように感じる瞬間もありましたが、久しぶりにマジメにふざけたような、それ意味あるの?みたいな無駄なことに真剣に取り組めて楽しかったです

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