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2020年の日記②


前回の日記からの続きです。


2020年5月1日

フス戦争で起きた戦闘の場所を把握するため、インターネットのマップでチェコを眺めている。
最近は、フス戦争で起きた戦闘の詳細についても調べ始めているのだ。

今日はマップ上で、フス戦争序盤に起きた「ネクミェルの戦い」や「スドミエルの戦い」の場所を見つけた。
ネクミェルはプルゼニ(ピルゼン)の北らへんで、スドミエルはプルゼニから南東の方向で、「ターボル」に向かう途中にある地名だ。

どちらの戦いも、フス派の武闘派がカトリック貴族の軍を打ち破る戦果を出している。

フス派を率いるのは英雄ヤン・ジシュカで、兵の大半は農民だった。

ジシュカは農民にも扱えるよう、農具を改良した武器を彼らに与えた。手持ちの火器もあったという。

さらに農民が使う荷馬車を改造して装甲板を取り付け、中に乗り込んだ農民兵が銃やクロスボウで射撃をする。装甲戦車のようにして運用したそうだ。

その装甲戦車は馬で牽引して、任意の場所で何台かを連結させるという使い方をした。それによって、戦場に簡易的な砦が出来上がるのだ。

日本の戦国時代でいう「墨俣の一夜城」を陸路で実行するようなものだろう。


……と、こんなふうにフス戦争についての蘊蓄をたれるのは良いが、これを面白いと感じる人が日本にどのくらいいるだろうか。

僕は今までに調べた知識があるからこそ、フス戦争への理解がだいぶ進んで、ゆえに面白さを感じるようになったのだ。

これを、何の知識もない人たちのために、どのような説明の仕方をすれば魅力を伝えることができるだろうか。



2020年5月5日


今日は通販で買った3冊の本が届いた。
1冊目は白水社発行の「プラートの商人」3800円。

1300年代のイタリアの商人が、妻や友人などに送った手紙が現存しており、それを編集した書籍だという。

なるほど、手紙か。表現方法としては、一番率直な文学と言えるんだろうな。

本に登場する地域はイタリアで、ボヘミアからは遠い。
経済の状況も、海のないボヘミアと海路のあるイタリアではまた違うだろう。実際、「同じ金貨でも、地域をまたぐと価値の変動が激しい」と、その商人が手紙の中で嘆いている箇所があった。

しかしまあ、14世紀に生きた人の感情を、本人が書いた手紙から知ることができるなんて、とても素晴らしいことだ!

2冊目は「中世への旅 都市と庶民」ハインリヒ・プレティヒャ著、中古のハードカバーで1400円。

中古だったので、前の持ち主さんが引いた線や書き込みがびっしりだった。
読めなくはないが、一瞬「うわぁ」と思った。

しかし考えてみれば、前の持ち主さんは僕と同じものに興味を持ち、熱心に勉強した同志であり、先輩である。
傍線を引いた部分やメモの書き込みから、その人の癖や人物像を垣間見ることができるのも面白いかも。


3冊目は「フシーテン運動の研究」山中謙二著。
これはなんと、明治生まれの作者が、第二次大戦中の防空壕の中で執筆した論文だそうだ。
初版は昭和23年。
言葉使いが古めかしい。おそらく日本で初のフス派運動の研究書じゃないかしら。


さあ、3冊の合計ページは1000ページを数える。
これらの書の知識を、僕はよろこんで脳内に招き入れよう。


2020年5月13日

気圧のせいか、右手の痛みがひどく、力も入らない。



2020年5月14日

痛みMAX。発狂しそうだ。


2020年5月18日

痛みはだいぶおさまってきた。
痛みの緩和のためにサポーターをしているが、その締め付けでさえ激痛に変わることがある。

試しに湿布を貼ってみたこともあったが、腕をもいで投げ捨てたくなるような痛みになった。

5月の今頃になると、毎年痛みが酷くなるな。

ちょうど怪我をした時期と重なるから、腕がまだ痛みの記憶を思い出しているのかもしれない。



2020年6月11日

5月のはじめ頃に書籍を買ったと言ったが、今はまた更に本が増えている。

魔女狩りの本、中世の騎士の本、中世の庶民の生活が書かれた本(これはまだ1ページも読んでいない)、中世イタリアの商人の本、中世の薬草やハーブの本、チェコの地下鉱脈についての論文(チェコは銀などの地下資源が豊富だった)、フス戦争についての本……

そして近いうちに、また本が増える予定。
ちょっとぜいたくだが、一冊9000円の古書と、5000円の本だ。どちらもフス戦争について書いてある本。

一歩間違えと、没頭は中世の本をコレクションするだけで満足してしまいそう。本当はそうではないのだけど。

僕はフス戦争の小説を書こうとしてるんだ。
それは何のためと聞かれたら、自分の魂を慰めるためだと答える。
フス戦争について調べることにより、僕は自分の過去世の正体に近づいているような気がする。



2020年6月12日

チェコの伝説と歴史、という本(9000円)が届いた。チェコ語の本を、日本語に翻訳したものらしい。

さて、今日は朝から右腕が痛み、握力もほとんど出ない。
23時を回った今でも、まだ握力が戻らない。今日の日記は4行でおしまい。


2020年6月29日

最近、病院を変えた。
◯◯ペインクリニックというところで、痛みの専門店みたいなところだ。

意外なことに、腕の痛みに対して背中へのブロック注射をする。
そして、今までの痛みが嘘のように緩和された。

痛みがやわらぐって、こんなに幸せなのか!


2020年7月1日

ルノルマンカード、なるものを買ってみた。
タロットカードの親戚のようなもので、いろんな絵の書いてあるカードと、それを読み解くための解説書がセットになっていた。

占い方も載っており、自分の過去世についても占えるようだ。

3枚を引くというスタイルがシンプルだったので、それをやってみた。

出てきたカードの一番目は、「騎士」。

続いて「山」。

3枚目は「誓い」。

ふむふむ。

フス戦争では、弾圧されたフス派の人々が、町の郊外にある「山」で集会を開き、結束を固めたというエピソードがある。
その集会には市民や騎士、町を追われた聖職者などが参加していたそうだ。

ということは、僕の前世は「山」で行われたフス派の集会に参加した「騎士」で、その山で何か「誓い」を立てた人物、というふうに読み解ける。

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