フス戦争の映画にコメントをしたら、の話

フス戦争を描いた映画(YouTubeより転載)1956年?

一年ほど前に、YouTubeでフス戦争についての動画を漁っていたら、この映画を含む三部作に出会いました。

最近またオススメ動画としてこの映画がピックアップされたので覗いてみると、面白いことが起きていました。

一年前の私、この動画のコメント欄に、チェコ語でコメントを残していたんですよ。その後数日は、コメントに反応がないかなーと気にしていたのですが、全く反応もないので、やがてそれも忘れていきました。

そして先日ようやく、一年ぶりに動画のコメント欄を確認した、という流れになります。

私はチェコ語で、「私、日本人です。フス戦争を勉強しているけど、チェコ語難しいね。でも、この映画は素晴らしいと思うヨ」と書いていました。

一年の間に、そのコメントにイイねが250件、コメントが34件寄せられていたのです。

わぁお。びっくり。
そのコメントのほとんどはチェコ語でした。翻訳機能があるので、コメントの一つ一つを日本語に変換して読んでみました。

・日本人もフス戦争に興味持ってくれるんだ。嬉しい!

・すごいね

・私の知り合いの日本人も、チェコの経済について研究しているわよ

と言った、肯定的なコメントがたくさんあり、嬉しくなりました。

一方で、アジア人に対して差別的な発言も少しありました。
差別発言をされたのは人生初です。ですが、意味が分からないから全くノーダメージでした。
差別発言よりも、「日本人ならサムライの研究をしていろ。フス戦争は私たちの文化だ(なので手を出すな)」と言われたことの方が心を動かされました。

確かに、感覚としては分からないでもないです。
日本人になじみのある織田信長などの戦国武将について、間違った知識を持った外国人が、間違った内容の研究をドヤ顔でしていると、ちょっとムッとなります。
自分達の大切な歴史を外国人のおもちゃにされたような感じを受けるというか。

なので、そのチェコ人からのコメントはとても大切なものだと思いました。今は興味本位でフス戦争について調べていますが、いい加減な気持ちで適当な事を調べたりしてはいけないな、と。

ちなみに、YouTubeには少数ながらも、フス戦争についての研究・解説動画があります。しかし中には間違った知識で解説しているものや、大事な事をはしょったり、説明が不足していたりしているものがあって、私を満足させるような解説動画にはまだ出会えておりません。
チェコ語の掲示板を覗いてみると、フス戦争についてどの説が正しいのかの論争が今でもなされているようです。そこから察するに、私にとっての正解と、動画作成した方の正解は違うということですね。


また、これも少数なのですが、やはりチェコの方からのコメントで「この映画は共産党のプロパガンダに利用された作品だから、歴史的事実の研究には向かないので、参考にすべきではない」という意見がありました。
なるほど、フス戦争は中世のみならず、現在に至るまでのチェコの政治的な背景にも絡んでいるのですね。
大変興味深い。
このコメントについては、映画の中のセリフで何と言ってるか分からないので、映画の主旨が何なのかも理解できていません。なので、共産党のプロパガンダの影響を私が受けることはありません。

それに映像だけで見る限り、映画用に脚色されていて史実と異なる部分があるのも分かります。そこをちゃんと分かるようになっているだけでも、自分の成長を感じられて嬉しいです。

また別のコメントでは、「ヤン・ジシュカは大量殺人を犯した人物なのに、それを救国の英雄のように崇める風潮はおかしいのではないか」と言った、反戦主義のような意見もありました。ただ、私のコメントとは関係ない主張は他でやって欲しいとも思いました。(もしかすると彼、または彼女は前世の記憶を持ち、ヤン・ジシュカに殺害されたのだとしたら、その主張は興味深いです)

それについての私の意見は、歴史上の貴族や軍人、武将を英雄視するのは日本だって同じだと思っています。

地元のお祭りを賑やかにしたり、観光業を盛りあげたりと、地域に根ざした経済活性化に貢献しているのだから、歴史上の人物を英雄化したり、キャラクター化するのは良い事だと私は思います。(日本は美少女化させるのが得意ですよね笑)

ただ、それが信仰になったり、政治的なプロパガンダに利用されたりするのは別問題だと思います。あくまでも人々の生き方や自由を束縛しないという前提でならば、歴史の人物をどのように描いても良いと思います。

とまあ、34件のコメントからこのような事を知ることが出来ました。
どれも大変に勉強になりました、という話でした。

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