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名もなきひとりの声が歴史を変えることがある/1989年ルーマニア・独裁政権の崩壊

おかしいことをおかしいと言うこと。
でも、ひとりが叫んだところでなんにも変わりやしない。
心のどこかでそう思っていたのよね。

けれど、今からちょうど30年前に名もなきひとりの声によって独裁政権が崩壊したという事実が実際にあった。

だから、知ってしまった僕はひとりが叫んでも意味がないとはもう言えない。言えるのは、名もなきひとりの声が歴史を変えることだってあるんだということ。

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いろいろ動画を見ていたら、ジャーナリスト金平茂紀さんのスピーチを聞いて、めちゃくちゃ驚いた。

ヤジとかそういう抗議の声をあげるっていうのは、あってはならないことだ、雑音で消されるべきなんだ、みんなきっとそういうマインドセットができてしまってるていうね。それが僕はとっても怖いことだというふうに思っていて。
何を言いたいかと言うとですね、ひとりの声のヤジが歴史を変えることってあるんですよ。
で、僕は1989年の12月のことを覚えてるんですけども、、、
(動画の26分前後から抜粋)

ざっくり説明するとこんなことが実際にあったという。
舞台は1989年ルーマニア。
当時は24年もの間、独裁政治を行っていたチャウシェスク政権。その年の12月21日、政治集会が開かれ国営放送で生放送中、とあるひとりのヤジをきっかけに場は大混乱に。まさかそんなことが起こるとは思ってもみない政権側は狼狽するばかり。
生放送は中断されるも、独裁政権に抗議・反対する群衆は勢いを増し、チャウシェスクは逃亡、なんと一夜にして長年支配していた独裁政権が崩壊してしまったという。

そんなことがあったのかと衝撃だったのと同時に、この事件のことを1mmも知らなかったことにも驚いた。
この動画を見なかったら知ることはなかったかもしれない。

◆◆◆

名もなきひとりの声が歴史を変えることがある

おかしいことをおかしいと言うこと。
でも、ひとりが叫んだところでなんにも変わりやしない。
心のどこかでそう思っていた。

けれど、今から30年前、名もなきひとりの叫びがヤジが独裁政権をぶったおすきっかけになったという事実があったんだ。
ひとりの声によって大きな組織が崩壊した歴史があったんだ。

こういう事実を歴史を知らなかったから、僕はひとりが叫んでもあまり意味がないとどこかで諦めてしまっていたんだな。

国民の代表であるはずの人間が国民へ嘘をつき、隠蔽、改ざん、ごまかしをはたらく。それを微塵もおかしいと思っていない。
そういう人に対して、あなたの行っていることは間違っている、おかしいとひとりでも声を上げ続けること。その行為に意味はある。
おかしなことを続けている人はいつか必ず退場を突きつけられる。
歴史はそう物語っている。

政権が倒れる瞬間を映した映像が残っていた。これはめちゃめちゃ貴重ですぞ。

ルーマニア革命、ルーマニア政変とも呼ばれているみたいっすね。

 大統領が演説を始めると、支持派であるはずの群衆の中から「チャウシェスク打倒!」「ティミショアラ!」の歓声が上がり、爆竹が鳴らされた。茫然自失する大統領の脇に控えた夫人エレナは「何か言いなさい、何か約束するのです」と夫を叱咤する。大統領やようやく児童手当の増額などでまかせの発表をしたが、怒声でかき消されてしまう。
 その夜、大統領官邸に民衆が押し寄せると、戒厳令を発布し、軍に発砲を命じたが軍は命令を拒否。逆に装甲車を連ねて民衆とともに官邸に迫ってきた。群衆が部屋になだれ込むとほぼ同時に、大統領夫妻は屋上からヘリコプターで脱出。しかし、車に乗り換えようとヘリコプターを着地させたところで夫妻は逮捕された。新政権が逮捕状を出したのである。

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