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手作りのディジュリドゥを演奏。プレイフルに。セラピーとして。

先日受けたプレイセラピーの研修で、オーストラリアの伝統的な楽器ディジュリドゥを作って吹いてみました。

この日の講師は、グァテマラ出身で、もう長年ドイツに住んでいる、音楽療法と理学療法とプレイセラピー に主に関わられている方。ディジュリドゥの演奏歴、25年以上。
ディジュリドゥに出会った瞬間にビビビッ!と衝撃を受けて、すぐに夢中になってたくさんたくさん演奏し、オーストラリアで10年間以上多くのディジュリドゥフェスティバルを開催してきたほどの、ディジュリドゥ愛好家。

何本もディジュリドゥを持っていて、瞑想への入り口としてディジュリドゥを演奏したり、アートセラピーとしてディジュリドゥを手作りしたり、音楽療法と理学療法にディジュリドゥを取り入れたり、演奏するだけではなくて、ディジュリドゥを使って本当にいろいろなことをされています。
「作って演奏してみる?」との提案に、受講者全員、「やりたぁーい!!」
ということで、簡単にできる手作りディジュリドゥを教えてもらったので、紹介します!

ディジュリドゥ

(画像はウィキペディアより)

ディジュリドゥの歴史

ディジュリドゥの演奏はオーストラリアやベルリンで聞いたことはありましたが、オーストラリアの先住民アボリジニの管楽器、ということしか知りませんでした。
先生がたくさんお話をしてくれたので、まずは簡単にディジュリドゥの歴史のについて。

ディジュリドゥという名前は、オーストラリアに入植したイギリス人がそのリズミカルな音を聞いて「ディジュリドゥ」と聞こえたことによって付けられたそうです。

そしてなんと、2000〜2500年前の壁画にディジュリドゥであろうものが描かれていたそうです。いつ生まれたのか正確には分かっていないそうなのですが、現在でも演奏されている世界最古の管楽器だそうで、「ディジュリドゥの歴史は人間の歴史と同じくらい長い」とも言われているようです。

成り立ちにはいくつか説があるようで、ユーカリの木がシロアリに食べられて空洞になったものが始まりだとか。また、壁画のディジュリドゥには竹の節のようなものが描かれていることから、竹が多く生えていたパプアニューギニアから輸入した竹で作られていたという説もあるそうです。

オーストラリア北部で生まれたであろうディジュリドゥは、海岸沿い、それから内陸へと、オーストラリア全土に広まっていったそうです。

アボリジニの神聖な楽器だったディジュリドゥは、今では世界中に広まり気軽に演奏されるようになりましたが、昔は、そして現在でも一部の部族の中では、神聖な儀式の際にのみに演奏されています。

ディジュリドゥは男性のための楽器だったようで、先生のフェスティバルで女の子が舞台に上がると、アボリジニの方に「ディジュリドゥは女の子に吹かせてはいけない!」と止められたこともあったそうです。女性が演奏するのが禁止されている部族もあるようで、女性が演奏すると妊娠するとか、はたまた不妊になるとか。
また、特殊な儀式に使われる特殊なディジュリドゥもあって、こちらは、普段は見ることも触ることも禁止されているそうです。

本当に、長い長い歴史のある、神聖な特別な楽器なんですね。


ディジュリドゥを手作り

そんな特別な楽器を、簡単に手に入る材料で手作りしてみました!

用意するものは、
・長さ2m、直径4cmのプラスチックのパイプ(直径5cmのものもあると更に良し)
・蜜蝋
・ノコギリ
・紙やすり

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簡単!と思いきや、今ドイツではホームセンターに行くのもオンラインで予約をしてその日付のコロナテストの陰性の結果を持って行かないと入れなくて、パイプを手に入れるのが思いの外大変でした。。

蜜蝋は、みんな、アマゾンや薬局で買っていました。

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私は、去年のクリスマスに友達にもらった100%自然素材の蜜蝋でできたキャンドルが家にあったので、それを使用。

このチーズのこの赤い部分を使っている人もいました。

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それでは、作り方!
❶ 自分の体にすんなり入ってくる音の高さに合うように、直径4cmのパイプの接続部分ではないまっすぐな方をノコギリで切ります。管の長さと自分の気道の長さの合計でひとりひとり音の出方が変わってくるそうです。
❷ 切り口をやすりで整えます。
❸ 蜜蝋をこねて柔らかくして、パイプの切り口につけていきます。こんな感じ。

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❹ 直径5cmのパイプがある人は、直径4cmのパイプの接続部に直径5cmのパイプを取り付けても◎。
❺ テープを貼ったり色を塗ったりして、世界でひとつのディジュリドゥに!

こんなに簡単に、できあがりです!

お手入れ方法も、とっても簡単。
長い紐にスポンジをつけて、片方の端から紐をぐぅーっと引っ張ってスポンジを通して、お掃除。使わないときには布をかぶせておくと言いそうですが、蜜蝋には埃がついてくるので、また衛生面も考えて、時々新しいものに交換。
以上です!


ディジュリドゥを吹く練習

私たちが先生から教わった練習の手順を紹介します。
練習しているうちに、体温で蜜蝋が温まり自分の口の形にフィットしてきます。

① まずは、ブォーッと音を出す練習
② ブォーーーーーーッと30秒間ほど均一な音を出す
③ ゆっくりスムーズに音を高くしたり低くしたり
④ 段階的に音を高くしたり低くしたり
⑤ プップップッと強く短く息を吐いて、ビートメーカーの練習 
⑥ ビート&メロディー
 (さすがに1日でここまでは習得できず、これは私にはまだ未知の領域です)


セラピーとしてのディジュリドゥ

ディジュリドゥを上手に演奏するにはたくさん練習が必要ですが、音を出すのはそれほど難しくありません。

肩の力を抜いて、鼻で息を吸って、ちょうどいい加減で吹くと、ブォーッと、
「おぉー、これこれ!ディジュリドゥっぽい!」という感じの音が出ます。
力を入れすぎても抜きすぎても、うまくいきません。
練習していると、だんだんとちょうどいい加減がつかめてきます。

この、ちょうどよい力加減で吹き続けるとこによって、肺が動き、喉の筋肉が鍛えられるようで、呼吸器が弱っている人や痰がたまりやすい人にはよいトレーニングになるそうです。
ディジュリドゥの練習を続けることで、体のいろいろな部分の凝りが取れたり、痛みが緩和されたりもするそうです。

そして、力を入れすぎてもだめなので、肩の力を抜いて吹く練習をすることによって、リラックス法としてもよし。
また、自分で吹いていても、このブォーーーッという音によって、どんどんリラックスできていくのが感じられます。ディジュリドゥは口から出す音を増幅して演奏する内省的な楽器なので、自然と自分と向き合うことにもなり、それによって不思議な世界に導かれる感覚になります。

この先生は、アートセラピーの一環としても、自分たちのディジュリドゥを作って自由に装飾するということを行なっているそうです。

本当に、いいことだらけですね!
ディジュリドゥに魅了されている先生のお話に、私も引き込まれてしまいました!


この日は、童話のシンボルのカードの中から今日の一枚を選んで、それを見ながら先生の演奏を聞いて、ディジュリドゥのお話を聞いて、ディジュリドゥを作って、練習して、初心者ながらみんなで一緒に演奏して、楽しいことでいっぱいで、終始ふんわり緩やかな気持ちで過ごせた1日になりました。

簡単にできて楽しくて不思議な感覚を体験できるディジュリドゥ。
ぜひ、作って演奏してみてください!

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