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*New Games* 遊びを通じて世界平和を目指すムーブメント

こんにちは。

"New Games" ー 聞いたことがあるでしょうか。

1960年代後半から1970年代前半にアメリカのサンフランシスコ・ベイエリアで生まれた「新しい遊び」のカタチです。

日本でもチームビルディングやワークショップでのアイスブレイクに様々なゲームが取り入れるようになっていますが、その原点とも言われているムーブメントです。

New Gamesの始まり

1960年代後半から1970年代前半、当時はベトナム戦争真っ只中。

『全地球カタログ』の編集・制作者として知られるスチュアート・ブランドさんが、サンフランシスコ州立大学で
"第四次世界大戦"
と題した衝突や争議を解決するための体を使った新しいゲームを発案しました。

当時、核兵器を使った第三次世界大戦が勃発するだろうと予想されていたため、第三次を飛ばして、第四次と名付けたそうです。

このゲームの目的は、遊びを通じて自分の体との健全な付き合い方を知ること、攻撃性を、クリエイティブで力強く愉快でかつ安全な方法で表現し発散すること。

モットーは、

"Play Hard, Play Fair, Nobody Hurt"
「懸命に公正にプレイし、誰も傷付けない」

この概念はアメリカで広がり、New Games大会が開催され、招待された多くの人たちが上記のモットーに基づいたいろいろなゲームを試しました。

そして様々な分野でのNew Gamesの可能性が見出され、New Games財団が設立されました。

それからNew Gamesはアメリカ全土へ、世界各国へと広がっていき、数多くのNew Gamesフェスティバルが行われ、様々な社会階層の人たち、異宗教の人たち、囚役中の人たちなど、多様な場面で様々な人たちの相互理解にも繋がっていったそうです!

では、New Gamesとは何なのか?

New Gamesは、
"Play Hard, Play Fair, Nobody Hurt"
「懸命に公正にプレイし、誰も傷付けない」
をモットーとした、年齢や体格や性別や能力にかかわらず誰でもどこでもできて、勝ち負けではなく、みんなが楽しめることを一番の目的とした、大小のグループのための遊びです。

New Gamesを通して、リラックスすることによって、自分の中に眠っていた創造性や勇気、興味に気付くこともできます。

New Gamesでは楽しみながらコミュニケーションも促されるので、チームビルディングやアイスブレイクにも適しているのです。

New Gamesでは、「みんなでみんなが気持ちよく楽しくいられる」ために、地球環境保護も重要視されているので、「来たときよりも美しく」という考え方も掲げられています。
ワークショップやイベントで使用したところは、みんなできれいに片付けて終了です。

では、New Gamesによって今すぐに戦争がなくなったり環境汚染が食い止められたり世界が愛で満ち溢れたりするのでしょうか?

・・・答えは残念ながら"NO"ですが、New Gamesに感銘を受けた世界各国のたくさんの人たちにとって、そこに近づく一歩になったことは確かです。

New Gamesという名称やその始まりに関しては知られていなくても、学校や仕事でこの形態の遊びが取り入れられていっているのも、誰でもどこでもできてみんなで楽しめて相互理解が深まる、New Gamesの性質によるものでしょう。

New Games財団のスタッフ|Dale N. Le Fevreさん

私がNew Gamesに出会ったのは、2019年にドイツのエアフルトで参加したプレイフェスティバルでのことでした。

そこでゲストに来ていた、New Games財団のデールさんと、そこで遊んだたくさんのNew Gamesのゲームに感動したのですが、このお話はまた別の機会にさせていただこうと思います。

デールさんは、1975年、New Gamesに関するテレビ番組を見て衝撃を受け、すぐにNew Games財団に連絡を取り、トレーニングを受け、北アメリカの各地、ヨーロッパ諸国、そしてイスラエル、南アフリカ、ニュージーランド、インド、そして日本でもNew Gamesを広めるためのワークショップを行ってきたそうです。


彼が話してくれた、遊びの、New Gamesの、信じられないような力!

1990年代、旧ユーゴスラビアにおけるクロアチア人、セルビア人、イスラム教徒の間の敵対行為は、和解など誰も想像できなかったほど。
そんな1993年の休戦直後、クロアチアで行われた講和会議で、デールさんは500人のクロアチア人、セルビア人、イスラム教徒のグループとNew Gamesを試したそうです。

そしてなんと、話し合って平和を取り戻そうとしても埒が明かない状況で、New Gamesによって、参加者が共に笑い楽しむことが可能になったのです!
誰がどこの出身かなど、誰も気にすることなく。

デールさん自身も、この話は本当に信じ難く聞こえるかもしれないが、真実なんだ!と。

もちろん、いつもこううまくいくとは限りません。
どの場面でどの遊びを用いるか、そして状況に応じて遊びを臨機応変に対応させることも大切だとデールさんは語ります。

具体的な遊びについても、また別の機会に詳しく書きたいと思います。

まとめ

約50年前に戦争反対の動きから発生し世界に広がったNew Games。

その名称や形態を変えつつも世界中のいろいろな場面で適応されているNew Games。

今回は、私自身も様々なワークショップで取り入れてきたいろいろな遊びの原点である、New Gamesの歴史を辿ってみました。

みなさんにも、New Gamesの例を通して、遊びには私たちを元気に幸せにしてくれる力がある!ということが少しでも伝わればと思います。

いろいろなところで紹介されているチームビルディングやアイスブレイク、コミュニケーション改善への遊び、ぜひ試してみてください!

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