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ドイツの習慣:年末大掃除ならぬ春の大掃除🌿

突然ですが、ドイツには、年末大掃除の習慣がありません。
早いもので、ドイツに来てからもうすぐ17年。
それでも私は日本人なので、年末には隅々までキレイにして、すっきりとした気持ちで新年を迎えたいのです。

が、今月1歳4ヶ月になる息子がいて、まだ保育園にも通っていないので、なかなか掃除が進みません。
キレイにすっきりと新年を迎えたい!という私の気持ちに賛同してくれた夫も、ドイツ人なのでやはり年末大掃除の必要性を感じず、なかなか掃除に優先して時間を取ってくれません。
というわけで、去年の年末大掃除は、ほぼ必要最低限のみで終わってしまいました。

年末には大掃除をしないドイツ。
その代わりに、春に大掃除をする習慣があります。
その名も、「Frühjahrsputz(春の掃除)」。

私が「Frühjahrsputz」という言葉を初めて聞いたのは、働いていたベルリンのこどもミュージアムでのワークショップで。
同僚が企画した春のワークショップで、Frühjahrsputzにちなんで、掃除に使うスポンジやモールや布巾などを使って小さな家や町を作ろう!とせいうもの。

そのときは、
「なんで、春に?新しい年を迎える前、年末じゃないの??」
と思ったのですが、春の大掃除には長い長い歴史があるようです。


遡ること、なんと古代ローマ時代。
ゲルマン系やロマンス系の言語の2月という言葉は、ラテン語で掃除を意味する「februare」に由来していて、ローマ帝国の2月は、掃除の儀式によって冬を家から追い出す月だったそう。冬が長い北部地域では、3月か4月に春の大掃除が行われることもあったようです。家族総出で、また20世紀半ばまでは村全体で行うほどの大きな行事だったとか。
冬の間、毎日オーブンに火が灯され、食べ物はオープンストーブで調理され、寒さのため換気はほとんどなく、すすやほこりや灰が壁、床、家具にたくさんの汚れが蓄積されていました。調理や暖房が木材で行われていたこの時代。居住スペースに発生したすすは、日光で明るくなる春になると目立つようになり、除去する必要がありました。1年の4分の1の長い冬が終わり、換気が行われ、布団や毛布も洗濯し、外に干されました。

また、昔は農家が年間を通して家や庭を徹底的に掃除する時間がなかったため、1年に一度大掃除をしていたとも。

キリスト教には、イースターの前の週末に家を掃除して祭りの準備をする伝統もあるそうです。


なるほど。

新年をキレイにすっきり迎えたい気持ちはありますが、春に大掃除をするのも悪くなさそう!

今年は大掃除がちゃんとできなかったから、春に大掃除をしてみようと思います。
その頃には息子もひとりで長く遊べたりお手伝いしてくれたりしているだろうし。

みなさんは年末大掃除をしましたか?

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