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ルックバック騒動について

こんにちは。映像作家で小説家の榊正宗です。

ルックバックという作品が話題になってますよね。最初は「作品の完成度の高さ」から、そして今は、「作中の犯罪描写と書き直しについて」が話題になっています。

今日はこの騒動についてわたしの個人的な見解を書きたいと思います。

🔳ルックバック騒動について

今回、下記の部分が修正されたことがとくに話題になっているようです。この件を説明するために、該当箇所をあえて画像でアップして引用しております。(問題がありましたら削除しますので権利者からご連絡お願いします)

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ネットでは、こちらの内容が変更されたことについて、その経緯と意義が議論されているようです。

まず、わたしの意見を書く前に、わたしがどういう人間か説明しておきたいと思います。

わたしは、2年前にネットの誹謗中傷事件に巻き込まれ、うつ病を発症し、5ヶ月間ほど閉鎖病棟に入院したことがあります。自殺も考えましたし、うつ病としてはかなり重度の症状でした。

ちなみに、わたしは措置入院ではなく、任意入院です。(入院形態については今回は掘り下げませんので興味のある人は調べてみてください)

閉鎖病棟がどんなところかについてですが、簡単に説明するのは難しいのですが、こちらの漫画が無料で読めますので、ぜひ読んでみてください。めちゃくちゃよく取材されています。閉鎖病棟の描写は、マジで細部まで同じでした。名作ですので、一巻から全部読むことをオススメしますが、閉鎖病棟のエピソードだけでもぜひ読んでみてください。

かなり長いので、漫画を読むのはあとで結構です。

ここで最低限、知っておいて欲しいのは、閉鎖病棟は外から鍵がかけられており、許可が無ければ外には出られませんが、閉鎖病棟の中は開放的で、患者同士がいつでも自由に会話できるフリースペースがあるということです。患者同士の会話が治療にもつながるという考えでそうなってる病院がほとんどです。そのため、わたしは、自分の病気だけでなく、統合失調症を含むいろいろな精神疾患の方について本音で語り合える機会を得て、彼らのホントのところを知ることができました。

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🔳ルックバックは精神疾患患者の差別を助長したの

さて、ルックバックの描写(書き直し前)は、統合失調症患者の差別を助長したのでしょうか。

ツイッターに下記のような投稿がありました。このアカウントの方は、精神科医だそうです。

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この方の感想はとくに間違っていないと思いますが、作品のひとつの解釈でしか無いと思いました。わたし自身がうつ病を患い、閉鎖病棟で5ヶ月間、いろいろな精神疾患の方と過ごした経験から言わせてもらうと、こういった感想や世間の反響を理由にルックバックを書き直す必要は無かったと思います。

「風のハルキゲニア」さんは間違ったことを言ってるわけではありませんが、作品をどう解釈したかという感想でしかないと思います。

わたしの解釈では、ルックバック(書き直し前)には差別を助長する描写は無かったと思います。

今回のルックバックの件は、どう解釈してもアウトだろう!というものでは無いということですね。

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🔳統合失調症はどんな病気なのか

せっかくなので、統合失調症がどういう病気かを、少し説明したいと思います。

統合失調症は感覚が鋭くなりすぎる病気です。そのため、幻覚、幻聴が発生します。

精神科医の「風のハルキゲニア」さんがおっしゃるように、「絵から罵倒が聞こえた」という表現は、統合失調症患者によくみられるものです。ステレオタイプと書かれているので、「よくみられる症状だが、世間では正しく認識はされてない」という意図もあるのだと思います。

わたしが入院していた閉鎖病棟に、すごく温和な統合失調症患者さんがいました。しかし、彼の症状はかなり重いものでした。

ある日、突然、「姿を表わせ!」と、怒鳴る姿を目の前で見たことがあります。どうやら幻聴に対して言ってるようでした。さっきまで、ニコニコと談笑していた相手が大声でそんなことを叫んだら、知識がなければ、キチガイだと思ってしまうのも無理はないかと思います。しかし、そんな彼も、症状が収まると、もとのニコニコ談笑する良い人に戻るんですよね。普段は理性的で、むしろ頭が良い人でした。

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