私が「食品加工」にはまったわけ。

はじめまして。いしもとめぐみ です。

初めての投稿なので、ライティングの練習も兼ねて、簡単に自己紹介をします。

私は「食品加工」が好きです。

…と言うとなんだか小っ恥ずかしいのですが、とにかく今は「食品加工」にはまっています。
「食品加工」?加工食品と何が違うの?と思われるでしょう。
そもそも加工食品とは
「収穫した多量の食物を、貯蔵・保存ができるように何らかの手を施したもの。旬に採れた美味しさを残した状態で、食料の不足する時期に食べられるようにすること」
であり、食物に施される工程のことを「食品加工」というのだと私は理解しています。
つまり、私は「加工食品を作ること」が好きだと言いたいのです。
なんだかまわりくどくてすみません。

食材を使って何かを作ると言えば、最も身近なものは「料理」ですよね。
「料理」と「食品加工」の違いは保存が可能かという点です。
料理は、基本的にすぐ食べることを前提に作られています。冷蔵庫に入れておくならまだしも、夏場に常温で放置されたりすれば、おなかぴーぴー(またはげろげろ)間違いなしです。
でも加工食品は、作ってからある程度の期間をおいたとしても食べて大丈夫です。
市販されている缶詰の賞味期限は3年です。状態が良ければ10年でももつそうです。私は自分で作ったジャムを物置に常温放置して、1年後くらいに平気で食べています。おなか大丈夫です。げろげろしていません。
数年前に作った自作の梅酒もたまに飲んでいます。
缶詰やらジャムやら梅酒やら、そういった保存がきくものが加工食品と呼ばれています。

では、なぜ私は「食品加工」にはまったのか。
自分の経歴をちょっと整理しながら書いてみます。

昔から食べることは好きでした。
大学入学を機に一人暮らしを始めて自炊をするようになり、「自分で料理すれば、いつでも自分の好きなものが食べられるじゃん!」と発見し、料理にはまりました。
国立大学文学部(ちなみに演劇学というものを専攻していました)を卒業後、神戸のアパレル会社に就職しました。この会社に勤めていた5年間、毎日欠かさずお弁当を作って持参していたのはちょっと自慢です。

そうやって日々料理をする中で「食と健康」というものに興味が湧き、栄養学を学びたいと思って、アパレル会社を退職して栄養士科のある東京の専門学校へ入学しました。
神戸から東京へ移動したのは、大学時代に出会った今の相方(旦那)が東京で働いていたので。
この専門学校で私は「食品加工」に出会います。

「食品加工」は栄養士科の必修科目の一つでした。
授業は実習にウェイトが置かれ、加工食品を作りながらその原理原則を学んでいきます。実習では「ジャム」「味噌」「ゲル化食品」などのテーマに即した加工食品を作り、授業の後に実習の内容を自分でレポートにまとめて提出する、という課題がありました。

それは食品加工の2回目の実習、「ジャム」の回でした。

果物に砂糖を加えてしばらく置くと、果物から水分が出てきます。その状態から火にかけて煮詰めていく、というのが簡単なジャムの製造工程です。
ジャム作りでよく言われるのは、果物に砂糖を加えて一晩置く、という方法です。長時間置くことで果物から水分がたくさん出てくるのです。
しかし実習は3時間ほどしかありません。
最初に果物(実習ではイチゴ)に砂糖をまぶした状態でもある程度は水分が出てくるのですが、微々たるもの。
食品加工の先生はそれを弱火にかけてみてと言いました。
すると、加熱されたイチゴから一気に多量の水分が出てきたのです。
私は実習後にレポートを書きながら、なぜそんな現象が起こるんだろう、と気になってしまいました。
放課後に先生を捕まえて、レポートを作成するためにあれやこれや質問攻めにし、最後にその疑問を尋ねると
「それは『水の挙動』だよ」
と言いました。

「水の挙動」

水(H2O)は0℃で氷になります。
このとき、水の分子同士は固く結合して動けない状態です。
温度が上昇すると氷から水になり、水分子は少し自由になって、互いにくっついたり離れたりという状態になります。
さらに温度を上げて100℃になると蒸発して水蒸気になります。
水分子はさらに自由になって散り散りに離れていってしまいます。
つまり、温度が高くなると水分子は動きやすくなるのです。

加熱されたイチゴでもこの現象が起こっていて、イチゴに含まれる水分の温度が高くなることで水分の自由度が上がり、イチゴからよりたくさんの水分が出てきたのです。(浸透圧なども絡んできますが、それはまた追々)

先生からその説明を聞き、私は衝撃を受けました。
不思議な現象の解が分かって嬉しかったのはもちろんですが、単に「イチゴを加熱する」という手順ひとつをとっても、その手順をふむ納得のいく理由がある、ということが新鮮な驚きだったのです。

食品加工の操作一つひとつに、その理由がある。

その前提で食品加工の実習をとらえると、私にとって食品加工はとてつもない発見と驚きに満ちたものでした。
そのときのワクワクした気持ちは今でも忘れられません。

…と、ここまで書いて、イチゴを加熱することに対してこんなに興奮している人間って私だけだよな、と苦笑い。
でもこの高揚感が今に続くモチベーションになっているのだから、すごいなぁと思うのです。

思い出し興奮で、自分が何を書いていたのかを忘れました。

私が「食品加工」にはまったわけ、ですね。
そう、こういうわけです。

それからの食品加工の実習は本当に楽しくて楽しくて仕方なくて、レポートにも全力で取り組みました。
専門学校時代には他にも、学校の食品加工部の部長を務めて大暴れしたり、学園祭で手作りの加工食品を販売して燃え尽きたり、遅い青春の良き思い出です。
友人諸先生方にはいろいろ迷惑を掛けました…

専門学校を卒業してからは簡単に。
栄養士として病院に就職→5ヶ月で退職→食品メーカーの品質管理部に転職→2年半で退職(いまここ)
この辺りのことは、またいつか機会があれば。

さて、私がこれからnoteで書きたいのは、レポートです。
専門学校の食品加工実習で書いていたように、自分で加工食品を作って、その加工の原理などを折り込みながらレポートのようにまとめていきたいと思います。

心掛けたいのは、できるだけ分かりやすく書く、ということ。
私は文系人間なので、化学式だとかすいへーりーべだとかは知りません。
眉間にシワが寄りそうな説明はなしにして、誰にでも分かる様に説明できたらな、と思います。

もしかすると間違いもあるかもしれません。
私はただの食品加工好きであり、専門家ではありません。
できる限り正しい情報を載せていきたいとは思いますが、御了承ください。

最後に。
何よりも大切にしたいのは、私が心から食品加工を楽しむということ。
それが唯一のモチベーションなので。

これから、私の戯れにお付き合いいただければ幸いです。

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