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敷地内にベンチを設置するプロジェクト①

「マイパブリックとグランドレベル」を読んで以降、ベンチの効用について考えることが増え、ここにベンチがあれば…思うことが増えました。

田中元子さん曰く、ベンチには4つの効用があるとのことで、それを参考にして考えていくことにしました。

◯ベンチの4つの効用

①歩行距離が延びる
ベンチは身体を休ませること以上に、まちの中で立ち止まり、過ごし、思考する時間を与えることで、人々の次の行動に大きく影響します。何よりも、人々はより長い距離を歩くようになります。

②滞在時間が長くなる
ベンチは、無料でそこに居ることができる最小のインフラです。ベンチがあることで、人々のまちにおける滞在時間が長くなります。人が行き交うまちに居る時間が長くなることは、さまざまな二次的効果へとつながります。

③経済効果
まちに居る時間が長くなること、行動範囲が広がることは、そのエリアにおける消費へと直結します。よりお金が落ちていくということは、より人の賑わいのある風景がそこに生まれ、人をさらに呼び込むことになります。

④健康度・幸福度が上がる
まちに滞在する時間が増えるということは、人と人が出会う確率が高くなり、人々の会話量が増えます。さりげない日常のコミュニケーションの増加は、真の健康的状態、そして幸福度を向上させていきます。

こんな風に整理して考えたことがなかったため新鮮でしたし、ますますベンチに対する関心が増してきました。

◯敷地内にベンチを置く意味

介護施設の利用者さんは敷地内を散歩します。体の機能の維持もあります。日光を浴びることで生活リズムを整える意味もあります。なのでしっかりと歩いてもらいたいんですが、休む場所が少ないためあまり長く歩くことができていませんでした。ベンチをあちこちに設置すると、その課題は多少は改善されるはずです。法人の敷地内にベンチを増やす活動はおもしろいかも、と思い始めました。ですが、外に置きっぱなしでもすぐに傷んだりせず、飛んでいったりもしないベンチは結構な金額です。しかもベンチに対して関心も持ってもらいたい(利用者さんだけでなく職員にも)ので、買ってしまうのは味気なさ過ぎます。そこで江津市内の小中高にコーディネーターとして関わっておられる竹内さんに相談し、江津工業高校にベンチづくりを依頼してみることになりました。

◯地域にあるベンチも調べてみた

江津工業高校へ依頼する前に、主な活動エリア内にベンチがどんな場所にどれだけあるかを調べることにしました。調べるといっても特別なことをするわけではなく、どこにどんなベンチがあるかを確認しただけですが。見つけたベンチはこちら。

小さな町なのでベンチは少ないです。でも改めて眺めてみると、ここにこんなサイズのベンチがあったら交流が生まれるだろうなといった想像も膨らんできます。敷地内が完了したら次は地域にベンチを…というのも楽しそうです。

ちなみにベンチとは

木または石の長いす。特に公園などにあって、数人腰掛けられる簡単な長いす。

と定義されています。
そうなると、イスを並べてあってもベンチとは呼ばないんでしょうね。数人が同じ場所に腰掛けられるという意味では変わらないと思うんですが。


「敷地内にベンチを設置するプロジェクト②」

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