はじめて二重になった日は HSPのアラサー看護学生が自分を好きになれるまで
初めてアイプチをした日のことを、今でも鮮明に覚えている。
きっかけは、数人の友達とメイクの話をしていた時のこと。
誰かがアイプチをしていると言うと、「実はわたしも」「わたしも」と思いのほかアイプチをしている人が多かった。
その時に私は初めて世間のアイプチ事情について知る。
アイプチと言ってもいろんなメーカーがいろんなタイプのアイプチを出していて、みんないろんなメーカーのものを試して、自分に一番合ったアイプチを探して、それぞれお気に入りのアイプチがあるらしい。
私もやってみようかな、と言うと一人が「やってあげようか?」と言って私にアイプチをしてくれた。
初めてのアイプチはまぶたに尋常じゃない違和感を感じたけれど、それよりもなによりもうれしかった。
皆がかわいいって言ってくれたのもうれしかったけれど、その時本当に自分でも自分がかわいいと思えた。
一重がいいとか、二重がいいとか、そういうことではなく、友達が作ってくれたその二重は私にとっても似合っている気がしたのだ。
急に美人さんになれた気がして、なんだかドキドキして、なぜか電車やバスに乗る時も勝手に緊張していた。
それ以降、メイクが前よりも楽しくなって、他人から容姿をほめられることが増えた(気がする)
気がしているだけで、本当は周りから見ればあんまり変わってないのかもしれないけれど、私が自分の中で、自分の容姿に少し自信が持てるようになったのは、本当に大きな大躍進だったのだ。
だから私にとって、アイプチを初めて作った人は、坂本龍馬よりも、渋沢栄一よりも、ガンジーやナポレオンよりもすごいのだ。
この人に自信をもらった女子は日本中にいるはず。
名も知らぬ開発者と、すべてのアイプチ女子に敬礼。
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