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出生の秘密

メロンの話の続きです・・

昔はメロンと言えば、マスクメロン。入院でもしなきゃ(しても無理だったかも)口に出来ない王様 king of fruits。その後メロンと名の付く物が出たけれど、味覚形成の時期にマスクメロンを口にしていた私には、瓜としか感じられず・・ますますメロン嫌いだった少女期。今思えば、メロンがなかなか口に出来ないのでお菓子等にメロンの香料を付けた物が多く販売されていたのかもしれない。メロンカップアイスとかあったけどその人口的な味が苦手だったのかも。これもメロン農家育ちゆえの・・嫌いなのに本物の味は知っている複雑な少女期。

メロン嫌いだった私が、メロンを美味しいと思ったきっかけがある。北海道旅行だ。あの新鮮な空気と緑の中で立ち寄ったドライブインのカット売りの夕張メロン。オレンジの果肉が珍しく、メロンが嫌いな私でも食べてみようと思ったのだ。一口食べると、マスクメロンとはまた違う味わい。美味しい!旅先効果もあるかもしれないけれどしばらくぶりに食べたメロンの味はとても美味しく、もちろんお土産にも購入した。メロンの美味しさに開眼した瞬間だった。

メロン栽培を廃業、今では高値の花のマスクメロン。北海道物産展でしか食べられない夕張メロン。他は瓜にしか見えないつるっとした皮の品種。そこへ編み目界のニューフェイス、ルーキーが登場した。

アンデスメロンだ。

このメロンが登場して以来、誰が見てもメロン!と言う形状のメロンが沢山登場し始めた。メロンが庶民の食べ物になった瞬間だ。私も食べてみたけれど普通に美味しい(この最近の表現がぴったりな感想だった)。あのマスクメロンの芳醇な香りには及ばないけれど、これなら十分じゃない?(若者的には十分じゃね?)と上から目線の感想(笑) ”遠くアンデス山脈から庶民がメロンを口に出来るようにやってきたのね。”とまるで助っ人外人選手の様に感じていた。

ところが・・ベジフルマイスターの講義で、ある衝撃の発言を聞いてしまった。

アンデスメロンはアンデス山脈とは関係ありません

えーっ?!アンデス君(勝手に男)がアンデス生まれじゃないってどういう事?! まるで韓流ドラマの出生の秘密の展開・・

先生によると、アンデスメロン君は日本生まれ、名前の由来は、「作って安心」「売って安心」「買って安心」→「安心ですメロン」→アンデスメロン だそう。品種改良により、育てやすくて沢山出来る苗が開発されたそう。(明日誰かに話したくなる衝撃の事実でしょう?)

勝手に、S&Gのコンドルは飛んで行くをBGMに味わっていた私は何だったのでしょう?!マスクメロンも元はイギリス生まれ、品種改良の日本産だからその子孫のミックスがアンデスメロン。先祖はハーフだけど今は純日本人って感じでしょうか。ベジフルマイスターの講義でも特に覚えているお話でした(先生はそこ?ってがっかりするかも)

まぁ安くて美味しいメロンを食べられる様になったのは嬉しいけれど、益々マスクメロンが遠ざかってしまった。もはやお見舞いでメロンを贈る感じでもないし、金額に格差があり、特別な人達にしか口に出来ない貴重な絶滅危惧種的な感じになってしまった。もはや味を知る人は少ないのではないでしょうか。夜のお店でドンペリと一緒に食べる果物。それが悪いとは言わないけれど、あの芳醇な香りと味はまさに王様。多くの人に体験してもらいたいな。かくいう私も今ではほとんど味わえない果物。カット販売してくれないかな・・

つづく・・



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