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【アンケート結果発表】育休復職者のキャリアの悩みと会社に求めるサポート

パーソナルキャリア支援のミートキャリアではこの度、企業などで育休を取得し復職した人を対象に「復職後の働き方やキャリアの悩みと、会社に求めるサポート」についてのアンケート調査を行いました。

アンケートはSNSを通じて広く回答を募ったところ、5日間で予想を上回る564名からの回答をいただきました。「育休復職後の悩みや悔しさを思い出しながら書きました」「これからの育休取得者のためになればと思い、回答しました」とコメントくださった方もあり、皆さまの熱い想いを感じました。ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

結果のポイントは本日プレスリリースにてお知らせしていますが、noteでは全質問の結果をご報告します。
アンケートにご協力くださり結果が気になっていた方はもちろん、両立支援の現場にいる企業人事の方、経営者の方、職場に育休復職者がいる上司の方…、広くご関心のある方の参考になれば幸いです。

▼引用をご希望の方

本アンケート結果は育休復職者の本音ベースの悩みや希望を伝えるものとして、広くご活用いただければ幸いです。引用をご希望の方・企業様はミートキャリア広報 pr@f-ruor.com までお知らせください。

プレスリリースはこちら

Q1.復職時に上司や人事と面談する制度はあった?実際に面談を行った?

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復職時に会社との面談は、「制度としてあり、面談を行った」人が46.6%、「制度はなかったが自ら申し出て行った」人が23.4%と、合わせて70%が実施していました。
制度としては「ある」会社が51.6%、「ない(または不明)」会社がお48.4%とお、およそ半々でした。

Q2.復職時、復職後のキャリア展望を描けていた?

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復職後のキャリア展望については、「あまり描けていなかった」(40.1%)が最も多く、描けていなかった人が6割を超えていました。描けていた人は「しっかり描けていた」「少し描けていた」を合わせても37.4%に留まりました。多くの人はこの先のキャリアが見えないまま復職していることが分かりました。

Q3.「仕事にやりがいを持ちたい」「仕事を通してキャリアアップや成長したい」という意欲について、育休前と復職後でどんな変化があった?

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仕事への意欲面で育休前と復職後でどんな変化があったかを聞いたところ、「育休前も復職後も意欲は変わらない」が38.7%で最多の回答となりました。
一方で、「育休前は意欲があったが、復職後は失った」という人も28.0%おり、復職後何らかの理由で意欲を持てなくなった人が一定数いることがわかります。

Q4.復職後、働き方やキャリアについてどんな悩みや不満があった?

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復職後の働き方やキャリアについての悩みや不満(複数回答)では、「時間内で成果が出せるか」(53.9 %)、「時短で給料や評価 が下がる」( 51.2 %)、「スキルアップや昇進昇格の機会が遠のいた」(41.1 %)、「社内にロールモデルがいない」(38.5%)など、多岐にわたる悩みが続きました。
「時短が取れない」という悩みは 11.3 %と相対的に低く、勤務時間の希望は叶っている一方で、「時短なのに業務量が減らない」( 30.3 %)という悩みは上位に挙がりました。

Q5.上記の悩みや不満の中でもっとも大きかったことについて、自由に教えて下さい


時短勤務での評価への不満や業務量オーバー、過剰な配慮によるやりがいの喪失など、人によって様々な悩みが見られました。

<評価や待遇に関すること>
・業務量が減らないにもかかわらず、緊急対応などができないなどの理由から評価は低い
・手取りが10万円くらい減ってしまい、年齢と給与が見合っておらず、自分の社会的価値を失ったように感じている
・時短の中で、変わらず成果を上げているのに給料が激減し、モチベーションを保てなくなった
・育休前と自分の能力には変化がないのに、残業ができないだけで価値がないと見られてるように感じた
・新卒に指導しながら、時短をとったことで彼らより少ない給与であること
・営業なのに時短という理由で営業手当を全カットされた。事務職で時短の方は一定数いるが、営業の前例がないため声を上げても拾ってもらえない

<業務量に関すること>
・時短でも出張や残業が当たり前の雰囲気があり、時間内に終わるように相談しても具体的に話が進まない
・業務量は勤務時間内でこなせる量ではなく、残業や休日出勤でカバーせざるをえないにもかかわらず、時短勤務を理由に評価や昇格昇給の面で不利であったこと
・仕事が残業ありき。祖父母に頼るのを前提としてくる
・時短なのに業務量が減らないこと。残業が常態化しており、それに対して会社に改善の姿勢が見えなかった。むしろ残業前提で組み立てられていた
・長時間労働が当たり前の会社なので、家に仕事を持ち帰る日々

<キャリアアップや昇進昇格に関すること>
・キャリアアップのない配置転換を打診され、断ったところ、より納得のいかない配置転換をされました。結局、3ヶ月後には退職を選びました
・会社としても女性総合職がかなり少なく、さらに子持ち女性総合職となるとより対応経験がないため、ものすごく気を遣われ、かつ育成される機会もなく、放置状態だった
・仕事のない部署に異動になってしまい、その後の自分の成長やスキルの習得が見えなくなった
・既に退職しましたが、復帰時の職場では育児が大変という理由で正社員登用を受けさせてもらえませんでした

<過剰な配慮に関すること>
・復帰直後は配慮されすぎて、同僚の補佐的な仕事がほとんどで、やりがいがなく、このままでは昇格要件も満たせないと不安だった
・マミートラックにハマり、責任ある仕事につかせてもらえませんでした
・上司により全く異なりました。1人目の復帰後は希望を受け入れてくれて上司とともに妊娠前のプロジェクト本数をまわせましたが、上司が変わってしまい、2人目復帰後は完全なマミートラックに陥っています
・どうせ時短だからと全く仕事を任せてもらえず、干された

Q6.悩みや不満を上司や会社に伝えた?

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上記の悩みや不満を上司や会社に伝えたか聞いたところ、「伝えなかった」が過半数を占め、うち 4 人に 1 人は「全く伝えていない」と回答しました。

Q6-2.(上記で「全く伝えなかった」「あまり伝えなかった」と回答した人に)悩みや不満を上司や会社に伝えなかった理由は?

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悩みや不満を上司や会社に伝えなかった理由(複数回答)は、 40.2%の人が「子育て中である事情を考えると我慢すべきものだと思った」と回答しています。続いて、「上司や社内の雰囲気などから、聞く耳を持たれないと諦めた」(18.3%)、「個別面談などがなく、話す機会がなかった」(17.0%)が並びました。

<その他に挙がった回答> 
・1人で悶々としていたので、人に話すレベルではなかった
・伝える余裕もないほど毎日忙しかったから
・雑談で伝えるのは構わないと思うが、そういう状況下にないため(コロナにより在宅勤務が多い)
・時短をとることは個人の自由であり、業務量を減らすように言うのははばかられた
・自分で成果を出すだけであり、言う必要がないため

Q6-3.(上記で「全く伝えなかった」「あまり伝えなかった」と回答した人に)悩みや不満はどのようにして解消した?

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上司や会社に伝えなかった人に対し、悩みや不満はどのようにして解消したか聞いたところ(複数回答)、解消の方法として多かったのは「配偶者や友人に話す」(36.0%)、「SNSで同じ境遇の人とつながる」(32.5%)、「社内の同じ境遇の人と話す」(25.1%)と、”誰かに話すこと”が続きました。
しかし、この質問に対する回答としてもっとも多かったのは、「今も解消されていない」(44.4%)という結果でした。

<その他に挙がった回答>
・仕事とは別の没頭できるものを見つけた
・副業をして、やりがいと収入減をカバーした
・異動し実績を出し、他部署で元のポジションへ昇格した
・コロナで在宅ワークとなり時短をとる必要がかなり減ったので、一時的に解決中

Q7.復職後、昇進昇給の道が遠のいたり、閉ざされたりするキャリアコースにのってしまったと感じた事はある?

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育休から復職した社員が、単調な業務しか与えられなかったり、昇進や昇給の道が閉ざされたりするキャリアコースにのることが、「出世コース」に対して「マミートラック」と呼ばれています。
復職後、こうした固定のキャリアコースにのってしまったと感じたことがある人は、「いつも感じていた」(26.8%)、「時々感じていた」(36.3%)とあわせて6割を超えていました。

Q8.復職後、両立の困難さから会社を辞めることを考えたことがある?

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復職者の悩みは仕事だけでなく、家事や育児の悩みも複雑に絡み合っています。復職後、「両立の困難さから会社を辞めることを考えたことがある」人は「何度もある」「 1、2度ある」を合わせ58.7%に上りました。

Q9.復職後も意欲的に働き続けるために、どんなサポートや環境があったら良いと思う? 

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復職後も意欲的に働くためにあったらいいと思うサポートや環境(複数回答)では、在宅勤務やフレックスなどの「柔軟な働き方ができる制度」( 83.3 %)、「勤務時間ではなく成果で評価する制度や風土」( 58.3 %)に続き、「個々の家庭状況や希望に合わせた働き方やキャリア設計のための定期的なフォロー面談」(56.6 %)、「自分の悩みや課題についてキャリアの専門家に相談できる場」(47.0 %)が並びました。
制度による一律の支援だけでなく、個々の状況や希望に合わせた定期的なフォローや相談の場を欲していることが伺えます。

また、「仕事だけでなく、日々の家庭生活や育児をサポートする施策(44.1 %)も上位 に入り、ライフ面の充足あってこその仕事と考える人も多いようです。

<その他に挙がった回答>
・子持ちであるなしに関わらず誰もが残業が少なく休みをとりやすい会社なら、子持ちだけが肩身が狭くなることもないと思う
・父親が家事育児を担うようになれば会社は母親だけに配慮する必要がなくなる。そのように社会全体が変らなければならない
・現在のメンバーシップ型からジョブ型の仕事の仕方であればキャリアも断絶せずにスキルをのばせていたと思う

Q10.復職前後、会社からのサポートでありがたかったことは?

復職前後の会社からのサポートでありがたかったことを自由回答で聞いたところ、職場の理解のほか、制度面ではコロナ禍を受けて進んだ在宅勤務を挙げる声が目立ちました。

<上司からのフォローや職場の理解>
・上司から常に気にかけてもらえたこと
・急な遅刻早退、休みにも理解があった
・子どもの熱が出た時に、快く有給を取らせてもらったり、在宅勤務させてもらえたのがありがたかった
・平然と送り出してくれて、平然とむかえてくれたこと
・子どものことを話しやすい雰囲気を作ってもらえたこと

<働き方や制度に関すること>
・テレワークへの迅速な対応
・相談すれば勤務時間や働き方(在宅か出勤か)を選ばせてくれたこと
・会社全体で育児介護等の事情に関わらず残業無しで柔軟な働き方をしているため、むしろ出産前よりもありがたさが身に染みてモチベーション高く働くことができています
・看護休暇を半日単位で使えたり、有給休暇を時間単位で取得できる制度
・第一子→第二子と二回の産後を経て、フレックスやリモートワーク整備など制度が整ってきた
・時短勤務(小6まで)

Q11.復職前後、会社からのサポートで残念だったことは?

復職前後の会社からのサポートで「残念だったこと」では職場の無理解や対話不足、制度がうまく機能していないこと等が挙がりました。

<対話不足に関すること>
・こちらの意図を汲まずに、「大変だろうから◯◯にしました」と押し付けてくるところ
・ワーママであっても、働きやすさだけでなく、働きがいも求めているということが、あまり理解されなかったこと
・復職前の面談が会話程度だったので、もう少し正式な形をとってほしかった
・期待されている成果についての共有や、私自身の希望をすり合わせる機会がほぼなかったこと

<制度に関すること>
・復職セミナーに参加したが、体験を話してくれた先輩方がハイスペックすぎたり、実家のフルサポートを受けていたりで、あまり参考にならなかった
・人事が作成した復職フローに復職面談実施の記載があるのに、人事は「どっちでもいい」と言い、上司もそれを知らないということ
・産前産後研修なるものがあったが、出産した女性自身だけががんばれという内容で憤りしか感じなかった

<職場の理解や風土>
・「時短は迷惑」と社長に言われたこと
・制度はあったが、形だけで、風土がなかったこと

Q12.復職後、両立する上でのキャリアの悩みを外部のキャリアカウンセラーに相談できる場があれば、利用したい(したかった)?

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最後に、両立する上でのキャリアの悩みを外部のキャリアカウンセラーに相談できる場があれば利用したい(したかった)か聞いたところ、75.9%の人が「利用したい」と答えました。

回答者属性

性別
子の年齢
会社規模
雇用形態
働き方

以上です。
ミートキャリアの願いはライフイベントを機にキャリアを諦める人をなくし、誰もが自分に合った働き方を実現できる社会です。ミートキャリアでは企業にこれらの『声』を届け、法人向けサービスに活かして参ります。

※自由回答は一部を紹介、趣旨を変えない範囲で編集しています

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本アンケート結果は育休復職者の本音ベースの悩みや希望を伝えるものとして、広くご活用いただければ幸いです。引用をご希望の方・企業様はミートキャリア広報 pr@f-ruor.com までお知らせください。

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※2021/3 法人向けサービスについて内容を更新しました。
※2022/2 サービス紹介を更新しました。
※2022/10 法人向けサービスについて内容を更新しました。



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