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キャリア目標が書けない~会社の評価面談を前に悩む方へ

会社の評価面談を前に、自己評価シートに「キャリア目標」を書いて提出するという方も多いのでは。
そんな時、
「3年後5年後なんて想像がつかず、何を書けばいいか分からない」
「正直、自分のやりたいことが分からない」
と悩んだことはありませんか?

この「キャリア目標が書けない」というお悩み、実はキャリアカウンセリングの現場でもとても多いのです。

そこで、ミートキャリアでは9月21日、たくさんの参加者のもと、「キャリア目標、書けない私はダメですか?」というオンラインイベントを開催。13年間企業人事として社員の相談や面談を受け、自身も出産や昇進などの転機を経験したミートキャリア キャリアサポーター(カウンセラー)の横尾 有理さんが、「予測できない時代」のキャリア開発の考え方を話ました。

キャリもくノート

▲進行役のミートキャリア代表喜多村若菜(左)とキャリアサポーター横尾 有理(右)


当日のお話のエッセンスをご紹介します!

◆◆

キャリア目標が書けないのは、ダメなこと?

長年キャリア相談を受けていますが、キャリア目標が書けないとモヤモヤしながらも、「キャリア目標がないと、会社にやる気がないと思われるんじゃないか?」「上司にネガティブに捉えらえるんじゃないか?」と不安に思っている方は多いです。

背景には就活のころからのキャリア教育、会社の制度の在り方など色々あると思いますが、結論を言うと、キャリア目標ないことは決してダメなことではありません!

<プロフィル>ミートキャリア キャリアサポーター横尾 有理

横尾 有理さん丸

新卒で大手人材総合サービス会社へ入社後、上場会社(IT系)にて約13年人事を経験。採用、育成、評価、労務、人事制度企画等を担当する。その中でキャリアコンサルタントの資格を活かし、さまざまな方の相談や面談を行う。育休からの復職後は、時短勤務で管理職も経験。現在はフリーランスで活動し、ミートキャリアでは法人顧客の育休復職者カウンセリングやテキストプログラムを担当している。

キャリアには「山登り型」「川下り型」がある

では、なぜダメじゃないの?かと言うと、キャリアには2つのタイプがあるからです。

キャリもくノート①

目標達成に向かって行動していく山登り型キャリアと、
川の流れに身を任せるようにキャリアを作る川下り型キャリアです。
皆さんはどちらですか?

山登り型キャリアと川下り型キャリア

目標を定めた方がドライブがかかるという方もいれば、そうでない方もいます。私はと言うと、川下り型です。自分のスタンスを大事にしながら、目の前のことを着実にやることを好むタイプです。

この2つのタイプは、どちらが正しいとはなく、1人の中でも変化したり
混ざり合ったりするもの。自分にとって今、どちらが整理しやすいかなと考えてもらえればと思います。

ところで、皆さんは個人のキャリアの「何割」が予期せぬ偶発的な出来事によるものと思いますか?
スタンフォード大学のクランボルツ博士は、なんと「8割」という理論を提唱しています。

キャリもくノート②

ライフスタイル変わる中で、これまで培ってきたスキルが通用しなくなることがあるかもしれません。また、今のコロナ禍のように社会が「予想できない時代」にある中、計画と異なる方向に進むこともあるかもしれません。
しかし、もしそうなっても、それを意図的に利用してキャリア形成に役立てようというのが、このキャリア理論です。

川下り型キャリアは初めて聞く方もいるかもしれませんが、このようにキャリア理論に裏付けられたものです。

川下り型=流されてるだけで大丈夫なの?

とはいえ、川下り型は流されているだけでいいの?と不安を感じるかもしれません。

何も考えずに流されると、障害物にぶつかることもあります。
そこで、クランボルツ博士は次の5つの観点を大事にするといいですよ、と説いています。

① 好奇心 たえず視野を広げようと努めること
② 持続性 失敗に屈せず、努力し続けること
③ 楽観性 失敗や困難もポジティブに捉えること
④ 柔軟性 こだわりを捨てて、信念、概念、態度、行動を変えること
⑤ 冒険心 結果が不確実でも、リスクをおそれず行動すること

この5つを意識すると、偶然を意図的に作り出すことができるんです。

もし計画と異なる方向に進んでも、その時に焦らず、自信をもって、5つの行動を心がけながら川を下りましょう。今に集中することで身に着くものがあるはずです。

キャリアというと、「先に見えるもの」と思う方が多いのですが、そもそもキャリアという言葉の語源は「わだち」「車輪の通った跡」です。
つまり、キャリア=振り返った時についてくるものなんです。

キャリア目標の書き方

ここまで、キャリアには山登り型と川下り型があり、川下り型キャリアであれば「キャリア目標はなくてもいい」という話をしてきました。

でも。でも、会社ではキャリア面談や評価面談で「キャリア目標」を書かなきゃいけないときがありますよね?

私が在籍していた会社もそうでしたが、マネジメント層向けの研修では多くが下記のような「山登り型キャリアありき」で行われています。

・WILL(やりたいこと)、CAN(できること)、MUST(やらなければならないこと)のうち、WILLをいかに部下から引き出すかがマネジメントだ
・WILL、CAN、MUSTの重なりを大きくすることが、社員のやりがいにつながる

だから、キャリア目標が書けない社員は、モヤモヤするんです。
そこで、書きづらいタイプを3つにわけて、アドバイスをお伝えします。

① やりたいことが分からない方


好きなことや得意なことを整理して、その先にどんな未来がありそうか
考えていきましょう。未来に選択肢がいくつかあるなら、その中から自分の働く価値観に合いそうなものを選んで、仮設定してみましょう。

例えば… ある企業の支店で営業企画をされてる方。お悩みは「職場には2-3名しかメンバーがおらず、この先のキャリアが見えません」でした。得意なことは、数字管理。数値結果が施策に活かせたり、営業プランに活かせるのが好きだと言います。
そこで、選択肢を一緒に考え、例えば、数字の大きさを変えていくのはどう?いまは1支店だけど、エリアに広げたらどんなキャリアになりそう?全社に広げて経営企画に広げたらどう?と問いかけていきました。

② 好きなことや強みがわからない方


視点を変えて、嫌いなことや苦手なことを避けるとどんなことができそうかを考えてみましょう。やりたくないことと、働く上で大切にしたいことを整理して、選択肢を並べてみると良いでしょう。

③ ライフイベントの変化予測が難しい方


こういう方は、やりたいことはあったりします。でも、変化にどう対応したらいいか分からず、もやもやされてる方が多いです。
この場合は、ライフ側に理想的な変化が起きた場合と、そうでない場合を想定しましょう
例えば、出産を考えている方ならば、産休・育休で休むまでにどんな経験を積めたらOKか? 逆にもし産まれなかったら、いつまでにどんな経験を積みたいか考えましょう。

会社がキャリア目標を聞く理由

最後に、なぜ、会社は「キャリア目標」を聞くのでしょう?
私自身、企業でキャリア面談を設計したり、実際に部下の面談をする立場でもありましたが、こんな意図が多いと思います。

・人員配置(異動)に活用したい
・社員のありたい姿と現状のギャップを知ることで、能力開発に活かして欲しい
・長期視点で物事を見ることで現在のモチベーションアップにつなげたい

こんな風に、会社が何を求めているのかを踏まえた上で、

・異動したいか、したくないか
・大事にしていることは何か
・自分はどう成長したいのか

をきちんと伝えると良いと思います。
キャリア面談では、会社が聞きたいことを先回りして回答を用意しましょう。
上司への伝え方は、キャリアカウンセリングで相談してくださっても大丈夫ですよ!

◆◆

イベント参加者からは、「川下り型です」との声が多く、「元々は山登りキャリアだったが、ライフイベントの影響で川下り型になった」というコメントも。
ライフイベントや社会変化により「予測できない時代」にある中、これという未来の目標を掲げられなくても、振り返った時にキャリアはできているーというお話には、勇気づけられる方も多かったようです。
参加者からは「パッと心が明るくなりました」「気持ちが楽になった」「新しい視点をもらった」等の感想をいただきました。

「キャリア目標が書けない」「キャリアビジョンがない」とお悩みの方へ

キャリアに悩んだときは、プロに相談するのが近道。ミートキャリアでは、仕事やキャリアに関する悩みをプロと一緒に解消できるプログラムをご用意しています。プログラムを通じてキャリア選択の判断軸を手に入れ、迷わない、悩まない、あなたらしいキャリアを歩みましょう!

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