見出し画像

【備忘録】突っ込んじゃったー

 あー突っ込んだかー。「やっぱり」と「え!?やったの!?」という双方の感慨にとらわれた次第。

 国連安保理の対北朝鮮決議案の採決のことです。米国は今月末で安保理議長国の任期が終わるので(1カ月ごとに各理事国が輪番で就任)、どうせ通る見込みがないなら中ロに拒否権使わせて悪者にしたれ、と思ったんでしょうな。

 これで中ロとその他の理事国の分断があらわになり、その間隙を突いて北朝鮮は国連制裁の懸念なしにやりたい放題、ということになるかと言えば、あえてここは逆張りをしたい。

 というのは、中国は北朝鮮の核開発には常に批判的であり、7回目の核実験なぞやってほしくない。「今回ICBM発射というお前らの悪業を身を挺して守ってやったんだから、ワシらの欲しいものは何か分かってるよナ、おオン?」ってな感じで、北朝鮮をいっちょ脅してもらいたいところ。

 核実験の後にも拒否権使ったら、さすがに釈明に苦しむでしょう。ま、どうなるか知らんけど。

 大露西亜会のウクライナ暴行事件(継続中)のはるか以前から、安保理の機能不全は指摘されてたけど、今回といい、ウクライナといい、中ロと米英仏の常任理事国間の亀裂は決定的やね。

 第二次大戦の「戦勝国」同士の争いに安保理が無力なのは、冷戦期の国連の歴史を振り返ればすぐに分かる。何たって常任理事国への拒否権付与という仕組み自体、戦勝国による国際秩序管理のツールなわけですから。

 唯一の例外は、朝鮮戦争でのソ連のポカですな。拒否権に関する認識は、ネトウヨと称される皆さんならずともご同意いただけるものと思っております。

 日本が常任理事国入りとか言って万一実現しても、中ロに拒否権がある限り、安保理の機能不全自体は解消できない。そして、中ロから拒否権を取り上げることは不可能。冷戦期に回帰ってことで、やはり今は「新冷戦」ないし「冷戦ver. 2.0」のとば口かな。

 そんな中で国連改革を叫んでも、極めて限定的なカイゼンにしかつながらないだろうな、と改めてため息を吐いた梅雨入り前の土曜日でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?