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第191話 内より発光する『美』の美学


 コノハナサクヤヒメとけーことが、徐々に溶け合い融合していく。
 本格的に稼働を始めたmeetooのnoteには、そんなサクヤヒメの言葉が“載った”異色のけーこの記事があがり、一気に色々動き出す。
 同じ頃、私のほうも出かけた先で地球そっくりのラピスラズリと出会い、それによりとうとう三種の神器を揃えていた。

 太陽の剣(つるぎ)を成すは、ワンド状のレムリアンシードクリスタル。
 月の勾玉を成すは、地球によく似たラピスラズリの完全スフィア(球体)。
 そして地球である鏡は、対でひとつの二枚貝である帆立の器。もちろん中に収まるは、これらの剣と勾玉だった。


 白と金の斑点だらけのそのラピスは、店頭ではその見た目から、多くの人にとっては価値が低いと映るものかもしれなかった。おそらく一般的には、混じりっけのない濃紺の、曇りひとつないもののほうが美しいと評されることだろう。
 けれども私の左手に載せると強烈に響き合い、離れていてもビリビリとした感触で私と共鳴するその球は、心の奥で向き合った時にこそ本当の価値を見せてくれた。

 驚いて言葉を失った。
たくさんの目眩し(めくらまし)の斑(ふ)に護られるように、実は石の表面に、細かい金色が連なり8の字模様の軌跡を描いていることを発見する。
 そのインフィニティを見抜けたのは私が私であればこそ。恐ろしく“私らしい”トリックに、自然と胸が熱くなる。

……

昔から、自分の容姿が嫌いだった。
一重のせいで小さく見える目も、整わない鼻も顎も、なんなら前髪をおかしく分けるつむじの位置も嫌いだし、そして更に、子供の頃から増え続けるそばかすの存在にはいつだって溜め息が出た。

 ところがそれらは今、このラピスが来てくれたことにより、『私だけに内包された、私自身にだけわかる唯一無二の美しさ』へと自分を引き上げてくれるものになった。
 世界中のどうでもいい他人には見抜けない、けど私の『内側』に明確に流れる金色に輝くエネルギー。

「あー、こっちもお揃いだ!」

 並べた神器をよくよく見てみれば、私のレムリアンにも“世間的な”欠点があった。採掘時に残ったと思われる背面の不純物たちのせいで、多角レンズの乱反射により澄んだ芯とは裏腹に、正面からのぱっと見がどうにも“そばかす持ちのクリスタル”にしか見えなかったのだ。

 あははーっと大笑いすると、それなのに苦しくて辛くて、たくさんの涙が出てきた。
 今日の日まで、自分で選んだ今世の私の大切な入れ物を、よその誰よりも私自身が一番嫌っていたことに心の底から申し訳なさを感じた。他人に悪く言われた時に少なからず傷ついたのは、本当は何より自分が自分を大事に思っていたというその証拠。それからふと、わりと凄いことに気がついた。

……これ私、スサナル先生以外の人から綺麗とかかわいいとか言われても、もしかしたら嬉しくないのが私かもしれない。

 とある記憶が蘇る。
新婚当時、私を見ていた旦那から「お前、最近かわいいな。」と、そんなことを言われた時。自分でも何故だか理由がわからないけど、褒められた筈なのに猛烈に腹が立ったのだ。

 私をわかりもしないのに、そんな安っぽく言わないで!

 今となっては、旦那も思ったことをただ口にしただけで、それも一つの、私に喜んでほしいとの“贈り物”だったとちゃんとわかる。

「ありがとね。でもごめんね。あれ、あの時ああ言われてもちっとも嬉しくなかったんだよ。
 あなたがどれほど頑張って喜ばせようとしてくれても……ううん、あなただけじゃなくて、本当の意味で他者が“私”を満たすことは絶対にできないんだよ。ごめんなさい。」
 旦那の意識に語りかけると、段階的に憑依が一つ解体される。

……

『私にだけ、私の価値がわかっていればそれでいい。浮き世で人目を惹かずとも、私が私であればいい。』

 そこに思い至ったその晩、うっかり誤タップしたスマホには、婚約指輪の広告サイトが広がっていた。好奇心から思わず色々眺めていると、「どれがいい?」と私をからかう声がする。

「いちばん私らしいと思う、とびきりのやつをお願いね。」

 脳裏で彼が、嬉しそうに笑っていた。




written by ひみ

⭐︎⭐︎⭐︎

実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。

⭐︎⭐︎⭐︎

ありゃりゃ笑
三種の神器が揃ったことに絡めて別の方向にまとめるつもりだったんですが、書き始まったらまさかのこないだのアメブロが伏線だった。
書かされてます。これが繋がる先を、私知ってる。なるほどね。

それにしても。
『無題』、覚えていますか?
私の感覚ですけど、ツインレイと再会したところで、果たして本当の意味で自力で問題解決していける人がどれだけいるか……。

起爆剤として、ヒーリングやセッションで統合に近づけるのは全然ありですが、もしそのヒーラーさんがもうエネルギーワークやりませんとなった時でも、自信をもってこれと言える自分の方法がありますか?
ヒーリングを受けられないとなった時、それでも自分で闇の中に進めますか?

昔、とある精神世界の本をたくさん出されている方のコラムに「自分の体には何をやっても凝っている場所があり、その痛みがほぐれたことはない。けれど、マッサージしてもらうと極楽を感じるからそれでいい」と断言しているのがあって、「いや、魂のsosに蓋しちゃあかんでしょ!」ってなったし、それをエゴで肯定して世の中に「それでいい」って広めちゃもっとダメ笑

そこから先、自分の術(すべ)を持たないと、それ以上成長できません。誰かが代わりにやってくれるわけでもありません。
他人頼みのツインレイ、そろそろやめにしませんか?

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→第192話 胡蝶の夢





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