第7話 飛べない羽
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玄関のコンクリートに、青のカケラが飛び散った。
やってしまった。
イヤホンジャックに続き、作ってもらったキーホルダーまで不注意で落として駄目にしてしまった。
おそらくけーこなら、頼めばまた喜んで作ってくれることだろう。だけど選択肢としてのこの案を、私は斜線で消し去った。
限界だった。心が涙でいっぱいだった。ミカエルを大切に想うほど、好き勝手言われているのを止められない自分を不甲斐なく思った。
ごめんなさい。どうにもできない私なんかでごめんなさい。ミカエルを守れない自分なんかでごめんなさい…。
視界の隅に青い光が瞬いた。
『この世で起こるすべてのことは、自分の内側の写し鏡。』
『今あなたが見ている世界は、いつかの時点であなたが想像した世界。つまり目の前の景色とは、過去のあなたの創造物。』
『偶然は存在しない。辛い出来事は、乗り越えるためのお試しとなって現れる。』
内の如く外も然り。
それらのことなら知っている。もちろんその通りだし、これらはなにも間違っていない。ものの本にもたくさん散々書かれてる。
それなのに、その感情の渦の中にいる時に「落ち着いて自分を顧みる」なんていう教科書みたいな文言を思い出してみても、とてもじゃないけど役に立ちそうになかった。
悲しみと怒りの感情で、極端に視野が狭くなっていた。
恨めしいことに、ここまできてもけーこの顔色が気になる私である。悩んだ末に勇気を出した決別の言葉すら、おかしな言い回しになってしまった。
「ごめん、もう電話、食傷気味。」
「え?」
「もう、電話もずっとしてて、毎日。疲れちゃって、あきらのやることも遅くなったりすると、私自身がもう無理で。だから、もう…」
電話してこないで。
一方的なのはわかっていた。唐突すぎることも、あきらを言い訳にしていることも理解してる。だけどこんな時にまでまたミカエルの名前を出したら、きっと呆れられてしまうかもしれない。
切り絵がしたかった。誰にも邪魔されず、無心になる時間が必要だった。
自分が押しつぶされてしまう前に、自分を守るために、私はけーこから逃げた。8月8日、ライオンズゲート最大の日だった。
※ライオンズゲート…毎年7月26日から8月12日まで開く宇宙のエネルギーポータル(具体的な日付は諸説あり)。8月8日は太陽が獅子座入りしてからちょうどほぼ真ん中であり、数秘で見ても8が重なるために夏至や冬至と並んでとても強い変化のパワーを起こす。
written by ひみ
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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説(笑)、ぜひお楽しみください。
「未熟1号でございます♪」ひみ
「未熟2号でございます♪」けーこ
「でこぼこコンビでございます(=´∀`)人(´∀`=)」
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