*イベントレポ*オリジナル香水を作るワークショップ
キンモクセイの香りを嗅ぐと、いつも小学校の校庭を想い出す。
校庭には校長室が面していて、校長先生に「キンモクセイを嗅ぐと足が速くなるよ」と言われたのを本気で信じていた。私にとってはキンモクセイはその想い出の香り。
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それはされおき。先日、渋谷TRUNK(HOTEL)にて、オリジナル香水を作るワークショップに参加してきました!
TRUNK(HOTEL)×530 SOCIALIZING SESSION
渋谷区・神宮前にあるブティックホテルTRUNK(HOTEL)は「ゴミを出さない経済循環」を提案することで持続可能な社会を目指し、地域活動や商品開発を行う一般社団法人530(ゴミゼロ)とのコラボレーションによるイベントを1~3月の計3回開催している。
私が今回行ったのは「香りを通じて日本の魅力を後生に残す取り組みを行うKyarainnovate代表清水氏とのトークイベントと実際に精油を使った香水ワークショップ」でした。
実は私この精油ワークショップ、2回目なのです。
1回目は半年ほど前、kyarainnovateさん主催の違うワークショップで体験しました。
元々香りモノは好きで意気込んで行ったのですが、色んな香りを嗅いでいるとだんだん訳が分からなくなって……ラベンダーやジャスミン香る、華やかな香りが作りたかったのに、最終的に甘々バニラが香る美味しそうな香りができあがりました。使うたびに美味しそうなのです(ジャスミンどこいった)
と、いうことでリベンジじゃあ~!
いやいやその前にまずは今回こそ失敗しないようにどんなテーマで作るか決めなければ…。
最近PC作業が多いから……そんな合間にも使って脳がシャキッとする香り!!!これで決まり!
(その割にはさわやかな脳がスッキリする香り、ってなんやねん。そもそもさわやかな脳って、なんやねん。)
今回はkyarainnovateさんが用意してくれた調合香料を使用するので極力失敗はないそうです。…あれ…じゃあ私の前回は…(以下略
フレグランス分類はパルファン・オーデパルファン・オーデトワレ・オーデコロンの4種類あるそうですが、今回はコロンの持続時間が2~5時間ほどの比較的短く香るタイプのオーデトワレとオーデコロンを作ります。
香りにはそれぞれトップノート・ミドルノート・ラストノートがあり、それぞれの特性毎に調合割合を調整します。
*トップノート*
賦香(溶かした香り)の持続時間:10分程度
調合割合:35%
イメージ:香りの第一印象・すぐ香る部分
*ミドルノート*
賦香持続時間:2時間程度
調合割合:55%
イメージ:香りの主役グループ・香りのボディ部分
*ラストノート*
賦香持続時間:5時間程度
調合割合:10%
イメージ:香りのまとめ役グループ・香りの余韻を残す
ちなみに私は前回、このラストノートに甘々バニラを入れすぎて美味しい香りを作りました。笑
なので今回こそ、慎重に!!今回は爽やかなスッキリする香り、なので柑橘系を中心に。
まずはミドルノートから選びます。
ちなみに香りを選ぶときはムエットという細長い棒状の紙に香りをつけてスタッフさんが渡してくれます。
しかし、一概に選ぶ、と言ってもミドルノートだけでも13種類もある…。
1つずつ、嗅いでは「はあ~!」って言い、
また1つ嗅いでは「あ~!」って言い、全て良い匂いに思えてくる…!!
けど選ぶのはここから2種類のみ!!
ちなみに香りを嗅ぎすぎて鼻がおかしくなったらコーヒー豆を嗅ぐとリセットされるそうです。
悩みに悩みに悩みぬいて、私は木蓮とシーブルーを選択!
シーブルーは単体でも良い香りでした…。木蓮は思ったより柑橘系の香りだったので「これだ!」と思い、選択。
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さて、次。トップノート!香りの主役!
5種類しかないけど…これがまた難しい。だってトップノートは全てがシトラス(柑橘系)だから!!!
この時点でこれまで選んだ2種類のミドルノートのムエットとトップノートのムエットとの計3種類を同時にまとめて嗅いで、自分のイメージに近いモノを選んでいきます。
また「はあ~!」とか「ああ~!」とか声にならない声?を出しながら、悩み抜いて、、、ベルガモットを選択。シトラスですが、トップらしく主張が強めだったので、今回はこの子で!
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さあ、ラスト。ラストだよ、ラストノートよ……。
ラストノートは8種類。しかしこの8種類がまたくせ者……いや、個性豊かな子たちばかりで……いや、どれも可愛い子たちばかりなんですが…前回の私はここでバニラちゃんと出会ってしまったのでね…今回はかなーり慎重に行きますよ…。
しかし、最終的にムスクとブラックペッパーで迷いに迷う。。。
ムスクって普通に香っても良い香りですからね。でも今回はそれだけが主張する香水を作りたいわけではなくて、脳がスッキリするのを作りたいので……
ムスクも捨てがたい……けど、ここはスッキリしそうなブラックペッパーで!
意外ですよね…ブラックペッパー。私も前回だったら絶対選ばなかった。けど前回の反省から私は学んだのです。今回の香りはまとめて癒やされる事がテーマ。1つの主張は逆に扱いが難しいのです!(主観です)
そしてついに調合の時間。
少し震える手で小さな小瓶(調合香料)を掴み、ドライアイの目も関係なくガン見して1滴1滴数を数えながら入れます。なんなら息も止めます(主観です)
もうとにかく心の中で祈るのはただ一つだけ。「どうか前回のような失敗は……!!!」
全ての滴数入れ終わって、軽く振って、真新しいムエットに吹き付けて。
くんくん。
ふあー。
あー。
良い香り…!!
あー。これです。私が求めていたの。
またシュッとして嗅いじゃう。ふあー。もう1回。ふあー。もっかい(エンドレス)
昔なんとなく、調香師とか憧れたなあ。毎日素敵な香りに満たされて仕事するとか幸せだろうなあ…と。
実際やってみると調香の「ち」にすら立てていないのに、何回も匂いを嗅いでいると次から次へと気は変わるし、鼻はつまるし(笑)想像以上に難しかったです。
しかしその奥深さがまた魅力だったりするのだなあ。
*
香りが鼻を通して脳に伝わるまでは0.2秒らしい(ちなみに痛みは0.9秒)
そこで海馬と呼ばれる器官に直接情報が伝達されて、匂いと記憶はセットになる。
冒頭のキンモクセイの香りも然り。
しかし私は今回ある香りでまた違う記憶を呼び起こしたのです。
それはラストノートでレザーの香りを嗅いだとき。ふと蘇る、中学時代の野球部の部室に一瞬足を踏み入れた…あのなんとも言えない色んな匂いが混じったニオイ…。(特に夏w)
まさかレザーからここまでイメージが引き出されるとは。香り恐ろしき奥深さ、でした。
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