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歌詞が刺さる音楽って貴重だよな

 音楽は圧倒的に曲で選ぶ人間だ。曲さえよければ割とどんな歌詞でも受け入れられる。しかし20曲に1曲くらいは、ハートのど真ん中芯の部分に綺麗に刺さる曲がある。今回はそんな曲について語っていきたいと思う。

電波少女「The Brave Fxxkin’ Pop」

 3人組ラップグループ電波少女の最新シングル。特に好きなのはフック(ヒップホップではサビにあたる部分をこう呼ぶみたい)の部分。

はあ、うまいことやれないもんかな
存在自体がもうコンプライアンス
堕ちるとこまで堕ちてなんとか
Wake up
何が正解か分からないけど
そうだ
せめて今日だけ生きてみよう
それを繰り返していこう

The Brave Fxxkin’ Pop

 これを初見で聴いた時、なんてストレートに届く歌詞なんだと思った。これは本気で「堕ちるとこまで堕ちた」経験がないと歌えないのではないか。というか電波少女のこれまでを知っていファンならこの言葉が心の底から出たものだということが分かるから、確実に染みる。確実に。そして生き方を模索中の自分の現状と大いに重なる部分もあり、あまりにも「自分向け」の歌詞だった。「せめて今日だけ生きてみよう それを繰り返していこう」って後ろ向きなようでいてとても前向きな歌詞じゃないかと思う。The前向きな曲もいいけど、ネガもポジもあるのが人間だから、傍らに寄り添ってくれるような曲が救いになるのだ。

Creepy Nuts「のびしろ」

 年齢を重ねることによる変化をポジティブに捉えて、さらに足りない部分も「のびしろ」と表現しているのが素敵。歌詞にあるように、ある程度経験を積めば上手く立ち回れるようになって若いころよりは生きやすくなった。でもいまだに出来ないことはたくさんあるし凹むことももちろんある。そんな時にこの歌詞を聴くと、自分の強みも弱みも全部肯定できて元気になる。R-指定の歌詞はなぜかスッと心に入ってくるものが多い。歌い方もあるのかもしれないけど、すごく赤裸々というか正直というか、恰好悪い部分も隠さずにさらけ出しているような気がする。そういう人の言葉は説得力あるし響くよなと思う。そしてこのFIRST TAKEのRさんめちゃくちゃカッコいい。好き。

BONNIE PINK 「カイト」

 昔よく歌詞が好きで聴いていたのがこの曲。曲調はそこまで好みじゃないから自分にしてはすごく珍しかった。「自由なんてないこの社会で 心だけは僕のものさ」このフレーズを聴いた時の衝撃ったらない。私は常に生きづらさを抱えてるので(急に重いな)、何度励まされたことか。驚いたことに、記事を書くために久々に聴いたら、昔の熱狂が嘘みたいに冷静に聴いている自分がいた。なんというか、胸にズバッとくる感じがないというか…多分あの時とは心境も環境も変化して、今の自分にはハマらなくなってしまったのだろうな。でも曲自体はとてもいい曲だから、ぜひ聴いてみてほしい。


 ということで、歌詞がとんでもなく刺さる曲たちを紹介した。しかしながら3曲という結果に終わってしまった…しかもうち1曲は昔のだし…
書いてみて思ったのは、歌詞が刺さるかどうかは今の自分の心境にかなり左右されるということ。あれだけ聴いていたカイトに心動かされなくなったことがちょっとショックだった。でもそれって自然なことなのかもしれない。数年前と環境や状況が変われば感じ方や考え方も変わるのは当たり前だし、そうなればおのずと響く言葉も変わるよなと。
 だからこそ今この時まさに共感できる歌詞ってとても貴重。これからもそんな出会いを楽しみに音楽を聴いていきたいと思う。

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