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運営メンバーご挨拶②

初めまして。大阪大学医学部医学科の名倉と申します。
プロジェクトを立ち上げた遠藤の考えに賛同し、勉強会の運営を共に行っております。勉強会まで残り1週間余りとなりましたが、会に先立ちまして、自己紹介・運営に参加して活動する理由を簡単に記載させていただきます。

▼遠藤の投稿をご覧になっていない方は、以下から是非お読みください。

https://note.com/medstudent_comm/n/n8a8c9cafcd53

●自己紹介

私は一度薬学部を卒業、薬剤師として働いたのち、現在は再度医学部に入学し、医師になるべく勉強しております。
また、私は医療従事者であると同時に患者家族の立場でもあります。小学校の時に家族が白血病を発症したことが、私にとっての医療との最初の接点でした。その後骨髄移植を経て完治はしたものの、当時の治療の影響で併発した疾患に対する治療を続けています。
したがって、「XX(食べ物)はYY病の原因になる」「ZZを飲んだら腫瘍が消えた」などの根拠のない情報が世の中に多く存在していることは以前より痛感してきました。

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●きっかけ

突然ですが、2018年に京都大学の本庶佑先生がノーベル医学・生理学賞を受賞されたことはみなさんの記憶に新しいかと思います。この受賞は「免疫チェックポイント阻害薬」というがんの薬の開発へ大きく貢献されたことによるものです。

この輝かしい受賞の裏で、「免疫療法」が本来とは異なる意味で用いられ、高い効果を謳った高額な自費療法を紹介するサイトが多く生まれていたことをご存知でしょうか。
このような治療法の中には、科学的根拠に乏しいものも少なくなくありません。言葉を選ばずに申し上げると「藁にもすがる思いである患者を利用する」ビジネスが事実として存在していることが、皮肉にも世の中に示される1つの契機となりました。

当時薬学部の学生だった私は、大変ショックを受けました。正直なところ、自分が学んでいる薬学の意味とは何なんだろうとすら思ったほどです。
同時に、一歩間違えれば私の家族も(場合によっては私も)このようなビジネスの影響を受けていたかもしれない、と考えると非常に怖かったことをよく覚えております。

その後、大学を卒業して薬剤師として働く中で、そして医学生としてもう一度勉強する中で、何かアプローチができないかと考えていましたが、遠藤が発起した「医学生とコミュニケーション」という切り口からの志に共感し、一緒に活動をしていこうと決めました。

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●期待

「病気」という人生の中でも非日常な場面において、現場で医療者と患者さんのすれ違いが生じてしまうことは少なくなくありません。
(薬剤師の私としても非常に難しいと痛感しております)

例えば、医療者から「この治療法では80%の患者さんが奏功し、完治すると想定されます」と伝えた際、患者さんは何を考えるでしょうか。おそらく医療者の想像とは異なるでしょう。リスクに対する認識にズレがあるためにコミュニケーションギャップが生じてしまいます。
同時に患者さんも「医療に100%はない」ということを受け入れる必要があり、それを踏まえた上で治療に臨む必要がありますが、納得することはそう容易ではありません。

すれ違いが起こり、「この医師は信頼できないのでネットに書いてあった治療法を試す」「この患者は話が通じないのでもう諦めた」となってしまうことを防ぐためには、医療者-患者間での適切なコミュニケーション・信頼関係が必須です。

そのため、医学生のうちから、このコミュニケーションギャップ・認識の違いについて学び、お互いの納得医療について考える事はとても重要であると思います。

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私は、医療者として、そして患者家族として、より良い医療環境を作っていくためには「医療者教育」「患者教育」の双方が必要と考えています。
この会や今後の活動は、前者の医療者教育で大きなインパクトを持つのではないかと、運営している私自身とても楽しみにしています。

長くなりましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!
今後、勉強会や様々な発信を行ってまいりますので、プロジェクトの応援や勉強会(専門知識は不要です!)へのご参加、どうぞよろしくお願いいたします。

▼そして改めてではありますが、発起人の遠藤の投稿、とても素敵なので是非お読みください。

https://note.com/medstudent_comm/n/n8a8c9cafcd53