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Ubie×メドレー共催イベント「なるほど!人を助けるデザインのひみつ〜医療×ITの現場から〜」レポート

こんにちは。メドレーのDesign&Communication室です。
2024年3月6日にUbie株式会社と共催で「なるほど!人を助けるデザインのひみつ〜医療×ITの現場から〜」というデザインについて語るイベントを開催しました。

Ubieの吉井さんに作っていただいたサムネ

このイベントは、医療とITに関わるデザインに興味を持っていただく方を増やしたいという思いのもと、現場のことやデザインチームについて、メドレーからDesign&Communication室の波切と医療プラットフォーム本部デザイナーの前田が登壇し、LT発表やディスカッションを行いました。
LTの内容を公開&補足を交えつつ、イベントの様子をレポートいたします。


イベントについて

登壇者はメドレーから2名、Ubieさんからは2名、モデレーターはウエタニマサユキさんにお願いしました。

Ubie株式会社さん登壇者

畠山 糧与 (プロダクトオーナー)
医療 AI スタートアップ Ubie のデザイナー・プロダクトオーナー。東京大学経済学部卒。リクルート・グッドパッチを経て、2018年に創業初期の Ubie にジョイン。日本の1,700施設超の医療現場で使われる診療支援サービス「ユビーメディカルナビ」や、利用回数1億回超の生活者向け症状検索エンジン「ユビー」の立ち上げを経て、2020年からは US 事業の立ち上げをリード。

吉井 裕貴 (プロダクトデザイナー)
UbieでtoBやtoCのプロダクトデザインをやっています。その傍らでデザイン横断部門を作ったり、デザインから事業を良くしていくためのアレコレなど。Ubieに入社する前はロコガイドやクックパッドにいました。つくば市に住んでいます。

モデレーター

ウエタニマサユキ (Nstock株式会社 デザイナー・D&Experiment 代表)
制作会社からキャリアをスタートし、多くのスタートアップ創業期で事業立ち上げを経験し、2017年に自ら起業。2022年に創業したNstock株式会社にデザイナーとして参画し、その傍らで個人でD&Experimentとしてデザイン支援や、後進デザイナーの育成を行う。

今回のイベントは、「メドレーのLT 2本 → UbieさんのLT 2本 → パネルディスカッション」という流れで、両社のデザイナーの実践内容や考えていることについて参加者も交えて意見交換する場になりました。
スペースは文喫 六本木さんのスペースをお借りし、本に囲まれた落ち着いた空間で、リラックスした雰囲気の中でLT発表へとうつりました。

LT1:「メドレーという会社とデザインチームのひみつ」

登壇者

波切 雅也 (株式会社メドレー 執行役員 Design&Communication室長)
制作会社にてグラフィックデザイン・Webデザイン業務に従事し、メドレー入社後はUIデザイナー・プロダクトマネージャーを経て現在はグループ全体のブランドマネジメントや広報部門を担当。

こんばんは、株式会社メドレーの波切です。
こういった場でお話すること自体久々ですので、自己紹介から始めますね。

2016年に専任デザイナーとしては早めに入社して、各プロダクトのUIデザイナー・PdMとして活動していました。昨年までは患者さん向けアプリのCLINICSアプリを担当し、現在は広報部署を管掌しています。

最近の仕事として、2月に通期決算発表について報道機関向け説明会を実施し、代表とディスカッションして作成した発表内容をnoteでも公開するなどしていました。
今後の会社の方向性が詰まっている内容なので、ぜひ読んでみてください。

何話そう…ひみつと言ってしまったがこれと言って特別なことしてなかったな…という反省もありますが、あまりメドレーのデザイン組織についての発信もこれまでしてこなかったので、今回はメドレーのデザインチームの歴史についてお話したいと思います。

この画像は左側が上場時期の中期目標で、右側が今年公開した新たな中期目標の図です。
上場時期の目標は前倒しで達成するペースで成長しており、こういった会社の成長を小さいデザインチームで対応してきた歴史について振り返るお話ができればと思っています。

メドレーは「医療ヘルスケアの未来をつくる」をミッションに掲げ、医療の課題解決に特化した事業を展開しています。3軸のステークホルダーに対して「人材プラットフォーム」「医療プラットフォーム」の2つの事業を展開しており、そのデザインチームのあり方についてのお話をしていきます。

デザインチームの変遷としてはこんな流れになってます。事業体制が大きく2つに分かれたことをきっかけにデザインチームの事業部も2つに分かれて成長してきました。
図の通りシンプルで、これといったひみつらしいこともないのですが、「デザインチームを分けた」ということは大きなブレイクスルーだったと思ってまして、これがどういった考え方で行われていたかを振り返ってみました。

以降はできるだけスライドにもお話した内容を盛り込みましたので、ぜひSpeaker Deckからご覧ください😀

LT2:「プロダクトデザインは子育て」

登壇者

前田 邦織 (株式会社メドレー 医療プラットフォーム本部 デザイナー)
制作会社やフリーランス、インターネットメディア運営会社のデザイン部統括などを経て、現在はメドレーで新規事業のサービス/プロダクトデザインや医療PF本部のデザインマネージャーを担当。

なぜプロダクトに愛着は湧くのか

こんばんは。メドレーで医療PFでプロダクトデザイナーをしている前田です。
これまで、メドレーに入社してから新規事業の立ち上げに関わる機会が多かったのですが、それぞれのプロダクトに愛着があります。

なぜプロダクトに愛着が湧くのでしょうか?
私の仮説として、「プロダクトデザインは子育てと同じプロセスを歩む」からなのではないかと考えました。

この仮説を検証するために、今回は私が現在担当している Dentis の開発工程と子育てを照らし合わせて検証してみたいとおもいます。

1.知識のキャッチアップ

まずは業界知識のキャッチアップからはじめます。

子育てであれば、出産に必要な物の調査や、出産育児一時金などの制度や手続きなどを調べますよね。新規事業立ち上げ時の Dentis もおなじく、医療業界特有の制度や業務オペレーションの調査を行い、どんなプロダクトにするか計画を立てていきます。

2. リサーチ

キャッチアップが終わったら、続けてリサーチを行います。

子育てであれば、子育て環境、幼稚園・保育園の評判などいろいろリサーチするとおもいます。プロダクトなら、開発前にFigmaでプロトタイピングをつくり、ユーザーインタビューを実施しながら機能面や操作性について、プロダクトの評価をしていきます。

メドレーには、医療従事の経験者が多数在籍しており、ヒアリングしやすい環境にあるのが強みです。また、医療機関の業務オペレーションを把握するため実際の歯科医院に視察しにいったりしながら、プロダクトが業務にフィットするかどうか確認しながら、リサーチを行い開発に反映していきます。

3. 検証

リサーチ期間を経たら、パイロット版を開発し検証を行います。
パイロット版を複数の歯科医院で実際に活用いただいて検証し、いただいたフィードバック内容をふまえてさらに開発を進め、正式リリースに向けてブラッシュアップしていきます。

子育てでいえば、小学校入学前の準備期間としての幼稚園・保育園期間が検証フェーズにあたるのではないでしょうか。

失敗事例1

ここで失敗事例をひとつ
医科と歯科で受付フローは同じであろうという先入観から、Dentisのパイロット版は、医科向けのCLINICSの受付・予約UIをベースに開発を進めました。

しかし、検証を進めていくと、医科と歯科では予約の取り方が異なり、時系列で患者が一覧表示される受付リスト主体では業務に適していないUIだったことがわかり、正式リリース前にスケジュール主体の予約画面に見直しました。

事前のリサーチが疎かだったのが要因です。リサーチが重要なことだということをあらためて感じた事例のひとつです。

4. 評価・改善

検証が完了したら、つぎに、評価・改善を行います。
子育てであれば勉強やスポーツなどさまざまな経験を経て、進路を検討し中学、高校、大学などへステップアップして成長していきますよね。

プロダクトも正式リリース後は、顧客から寄せられる課題や要望を吸い上げ、改善を繰り返していきます。さらに、PMFを達成するために新規顧客の獲得につながる新機能の開発も並行して実施していきます。

リリース初期の新機能開発の難しさ

失敗事例をまたひとつ。
新規顧客開拓を進める際に、訪問歯科のニーズが高いという要望を受け、ヒアリングやリサーチを経て、訪問予定機能を新規で開発しました。

ところが、歯科医院ごとに訪問歯科のオペレーションがバラバラで、結果として訪問予定管理として使われない機能を生み出してしまいました。失敗要因としては、リリース初期は顧客数や関係者も少なく、ヒアリング内容が偏っていたためでした。新規事業のむずかしさを痛感した事例です。

ただ、この失敗にめげることなく、現在は契約数も増え、訪問歯科に関する知見や顧客の業務事例などが蓄積されてきているため、あらためて改善を進めています。

プロダクトデザインは子育て

このように、子育てやプロダクトも成功・失敗を繰り返して成長していくプロセスを経験することで、愛着が湧いてくる。という結論にいたりました。

今回はDentisの立ち上がりを子どもの成長にみたててお話しましたが、みなさんも携わるプロダクトデザインにあらためて「愛着」をもって接してみるといいかもしれません。

メドレーではデザイナーを絶賛募集中です!

Speaker Deckはこちら

LT3~4: Ubieさん登壇

このあとはUbie株式会社の畠山さん・吉井さんからの発表がありましたが、お二人からnoteが公開されていますので、ぜひ合わせてご覧ください!


ディスカッション〜懇親

LT発表のあとは「プロダクト開発」「組織について」などテーマにそってディスカッションを行いました。

全てのプログラムが終了したあとは、懇親の場として参加された方同士のコミュニケーションも盛り上がっていました。

さいごに

メドレーとしては久しぶりのイベント開催でしたが、アットホームな楽しい会になりました。参加いただいた方からは「医療ITへの興味がすごく湧いた」「楽しかった」との声をたくさんいただきました。
今後もこういった機会を作っていきたいと思っています!

メドレーではデザイナー職をはじめ、各ポジションで新しいメンバーを募集しています! カジュアル面談希望での応募も可能ですので、お気軽にご応募ください。

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