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「イシューを磨く」開発チームと事業部をつなぐ、コミュニケーションの極意とは?

こんにちは。メドレー採用担当の樋口です。
「お客様の声をサービスに活かし、改善すること」はサービスを提供している企業にとってとても重要。日頃お客様に接し、声を汲み上げる【事業部】と、機能改善・開発を行う【開発チーム】との連携が肝になってきます。

今回は、事業部と開発チームのメンバーをお呼びして座談会を開きました!
メドレーのサービスの一つであるかかりつけ薬局支援システム「Pharms」*(以下、Pharms)のプロダクト開発・改善の裏側をご紹介します。
双方をつなぐコミュニケーションのコツについて、ヒントがあるかもしれません。

*かかりつけ薬局支援システム「Pharms」
オンラインでの服薬指導や服薬中のフォローアップシステムなどの機能を通じて、門前薬局から「かかりつけ薬局」への転換を実現する薬局向け業務支援システム。薬局・薬剤師の介在価値の向上と、患者へのよりよい医療体験の提供を目指す。


登場人物

▶開発チーム:医療プラットフォーム プロダクト開発室 第二開発グループ

新居さん(エンジニア)
「技術で社会課題を解決してみたい」との思いを持ち、ゲームの制作会社からメドレーへ。
医療介護求人サイト「ジョブメドレー」のエンジニアを経て、現在Pharmsのエンジニアとして開発・運用を担当。

新倉さん(デザイナー)
自身の入院をきっかけに、医療が誰にとっても身近で頻度高く関わる分野での課題解決に魅力を感じてメドレーに入社。PharmsのUI/UX設計を担当。前職は不動産会社の業務支援システム会社に勤務。

▶事業部:医療プラットフォーム第一本部 Pharms事業推進室

亀井さん(事業推進室 室長)
クラウド診療支援システム「CLINICS」のフィールドセールスに従事後、2020年よりPharmsの事業推進室長に就任。

江藤さん(カスタマーサクセス)
前職は展示会の営業職。自分で一からサービスを育てきることに興味を持ち、立ち上げ当初のPharmsにジョイン。顧客と最前線で向き合うカスタマーサクセスにてチームリーダーを務めた後、23年1月よりプロダクトの機能改善・開発を主導するプロダクトマネジャーに就任。

左から、江藤さん(カスタマーサクセス)、新倉さん(デザイナー)、
新居さん(エンジニア)、亀井さん(事業推進室長)

「Pharms」の開発体制

ーー自社プロダクトの開発・改善において、「日頃開発チームと事業側でどのようなコミュニケーションが行われているのか?」は会社によっても様々ですし、気になる方が多いと思っていて、今日はメドレーの特色の一つとしてそれをお伝えできればと思っています。

早速ですが、今、お客様の声を汲み上げて機能の開発〜実装に至るまでに、どのような開発プロセスを経ているのですか?

江藤:カスタマーサクセスチームが日常的にお客様と接する中で上がってきた課題を、優先順位をつけた上で開発チームに連携しています。

Pharmsはお客様のみで自走・運用いただくというよりも、カスタマーサクセスが伴走しながら効果的な運用方法をご提案することで最大限に活用いただいているサービスなので、お客様ごとの課題や活用目標を把握した上で定期的に面談や振り返りを行っています。
そのためおのずとたくさんの要望が集まってくるのですが、それをそのまま開発チームに見せるのではなく、カスタマーサクセスチームで「この課題の根幹は何か」を全員の共通見解が得られるまで話しています。
議論した内容を開発チームの皆さんに共有した上で、根本課題の目線合わせをしながら、それを解決できる機能を一緒に考えています。

新居:開発チームでは現状課題が発生しているお客様の状況を想像しながら、その解決策は本当に課題解決に至るものなのかを考えて開発・改善の目的を具体的にしていき、機能設計に落とし込んでいます。

コミュニケーションの極意は「イシューを磨く」&互いへの信頼

ーー事業部と開発チームでコミュニケーションを取る上では、どんなことを大事にしていますか?

江藤:二つポイントがあって、一つは開発インパクトと優先度を適切に伝えることです。
開発の優先順位を適切に「このような状況で、この施策を打つとこれだけの成果が見込めるので、これを優先的に開発したい」という形で伝えるのが重要だなと思っています。

もう一つが、「課題」「目的」「やりたいこと」を具体的に、きちんとセットにして伝えることです。
どういう実装・デザインをすれば成果が最大化されるのかは、私たちよりも確実に開発チームの方に知見があるので、その検討土台となる情報をきちんと言語化して、揃えて相談することが私たちに求められている役割かなと思います。

亀井:そのために、お客様の声をいかに根本的な課題まで研ぎ澄ませられるかということですよね。
「この機能を付けたい!」という要望の本当の課題は何か?をきちんと考えて伝えないと、開発チームも困るよね、という話はしますよね。
それが「イシュー(課題)を磨く」ということなんだと思っています。

ーー開発チームはどうですか?

新居:プロダクトが理想とするものだけを作り続けていてもダメだし、お客様が抱える真の課題を突き詰めないまま作ってしまうと、もっと良い機能として出せたはずのものができなかったりということがあると思うので、そこのバランスがすごく大事だなと思っています。

プロダクトが目指す方向はぶらさずに、お客様の声もしっかりヒアリングして、言われたものをそのまま作るのではなく「こういう形がいいんじゃないか」という提案まで自分たちで思考しきってから取り組むことが良いサービス作りに繋がるんじゃないかなと思います。

新倉:私も江藤さん、新居さんと共通しますが、要望を鵜呑みにしないように気をつけています。
要望をそのまま機能にしても、課題を解決できるわけではないのです。
お客様からの要望を、どんなことで困っているのかを分析して、その解決方法を機能に落とし込むのが私たちがやるべきことだと思っています。

江藤:このコミュニケーションが成り立つ前提として、お互い(事業部と開発チーム)がその道のプロフェッショナルであると信頼できるかは重要な気がしています。

亀井:確かに、お互いの信頼関係がない状態でやりたいことを共有されると「これって本当に必要?」というような、ある意味相手を疑うようになってしまって、対立構造が生まれてしまいやすいのではと思うんですよね。

新倉:信頼関係を作るために、普段のコミュニケーションがすごく重要だと思っています。
始めの頃は事業部がどんな体制なのか、どんな人が働いているかが分からず、事業部とのやりとりをディレクターに頼ってしまっていた部分もありましたが、今は個別で気軽にコミュニケーションが取れる関係性になったので、以前よりもさらにやりやすくなったと感じています。

新居:開発チームとカスタマーサクセスチーム、良い距離感ですよね。だからこそ上手く連携しながらやれているんだと思います。

「服薬フォローアップ機能改善」開発秘話

ーーさて、Pharmsのアップデートで「服薬フォローアップ機能*」の改善というものがありました。この機能が生まれたのはどんなきっかけでしたか?

*服薬フォローアップ機能
薬剤師が患者に対して服薬に関するサポートを行うための機能。
その一つとして、患者へのより質の高いフォローが行えるよう、質問項目を必要に応じてカスタマイズできる「オリジナル質問票」の機能をリリースした。

江藤:カスタマーサクセスがお客様に活用方法を提案しきった上で、「そこからさらにお客様の力になるためには?」と考えた時に「質問項目のカスタマイズが必要」という結論に至った感じです。
Pharmsを通した成功体験が積み上がってくると、お客様の方からも「もっと患者さんのためにこうしたい・オペレーション上こんなことも対応したい」という気付きやご意見を頂くようになって、アップデートの必要性が高まっているのを感じていました。
この時も先ほど話したようなプロセスで企画から実装までを進めましたが、双方の刷り合わせを大事にして、頻繁に議論しました。

亀井:薬剤師さんの専門性をより発揮していくことが国から求められている中で、プロダクトが省力化だけしてしまうと、薬剤師さんの職能発揮の機会を奪ってしまうことになりかねない。
特にこの機能に関しては、ただ業務負荷の軽減だけを目的にするとプロダクトの提供価値が下がってしまうよね、というところをかなり議論しましたよね。
「この機能はどういう価値に繋がるのか?」を一緒に考えた記憶
があります。

ーー開発にあたっては工夫・苦労されたこと、ありましたか?

新居:目指す方向性が本当にお客様や患者さんに違和感のないものなのかや、今回の機能がプロダクトとして矛盾するような作りになっていないかを整理するのに時間を多く使いました。仕様の懸念点や、どこまで作り込むのかなどを新倉さんとだいぶ話したと思います。

新倉:デザイン面に関しても、これまでにないようなUIを採用していいのかなど、要件定義やUIデザインの段階でたくさんすり合わせをしました。

亀井:僕たちにもよく相談をもらいました。お客様から要望を頂いているものだからこそ、ちゃんと役に立つものを提供したい、という同じ方向を向いていたなと感じていました。

江藤:開発チームとのミーティングが終わるたびに、亀井さんと「ありがたい…!」と毎回言っていた気がします(笑)。

亀井:そうですよね。コミュニケーションってすごく重要だなと思いました。

新居:あるべき姿を目指して、エンジニアやデザイナーと事業部が一緒に建設的な議論ができるのは、メドレーのいいところの一つじゃないかなと思います。

あともう一ついいところとして、社内に医師免許や薬剤師免許を持っている人がいるので、業務の具体的な話を聞けるのも大きいですね。
聞いた話をもとに、今作ろうとしているものは業務効率化に寄与するのか、業務でちゃんと使えるものになるのかと考えるのは、私も新倉さんも相当意識できたと思います。これはメドレー全体に言えることで、開発チームにとっていい環境だなと思います。

亀井:実際にPharmsを使っている薬局にも一緒に行きましたね。

新居:緊張しましたがとてもいい経験でした。実際にプロダクトを使っている現場を見れたのはすごく印象的でしたし、ヒアリングしている中でお客様から直接拾えた課題もあったので。

メドレーはここが面白い!皆さんへのメッセージ

ーー最後にメドレーの魅力について、メドレーで働くことに興味を持っている方へのメッセージとともにお伺いしたいです。

新居:私は「社会的に価値があるものを作りたい」と思って様々な会社の話を聞いている中で、社内に医師が在籍して医療の課題解決をやっているということから「この会社は本気で医療に向き合ってるな」というのが伝わってきたので、メドレーに入りました。
顧客にとってよりよいものは何か?をしっかり考えて動いている人がほとんどだと思います。そういう環境で技術を使って課題解決をしてみたい方はぜひ!と伝えたいです。

新倉:私は「医療」という誰もがユーザーになりうるドメインで、プロダクトのデザインを通して身近な人の課題を解消できること・価値提供をできることに魅力を感じ、メドレーを選びました。
チームの全員がよりよいプロダクトをつくることに本気で取り組んでいます。私自身も、デザインのイン/アウトプット以外に、より早く顧客が求めるプロダクトを提供するため日々試行錯誤しながら行動改善をしています。
医療ドメインの課題に本気で取り組みたい方、ぜひお待ちしています!

江藤:これまでは「改善」が主流でしたが、これからのPharmsは私たちの方から「こういう形で成果に繋げたい」という、ある意味提案的な機能開発のようなことも増えてくるんじゃないかなと思っていて、これまで以上にチャレンジングな開発環境になるんじゃないかなと思っています。

亀井:Pharmsに限らず、メドレーの医療プラットフォーム全体をこれからどう盛り上げていくかの議論が行われているので、これからますます面白くなっていく予感がします




チームの垣根を超えて活発に議論を交わしながら、社会に貢献するプロダクトを創りませんか?
メドレーでは、一緒に働く仲間を募集中です!

※本記事内の写真は感染対策に配慮しながら撮影しています。