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医療ライターのはじめかた座談会Vol.1【後半】

▼まずは前半の記事をチェック!



薬剤師ライター・看護師ライターへ徹底質問!

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

まいまい:ここからは、25名のイベント参加者さんから事前にいただいていた12の質問を紹介します。かなりたくさんいただきましたので、時間が許す限り1〜2名で回答していく形でお答えできればなと思っています!

質問①看護師を活かした副業は何かと考えて医療ライターに関心をもちました。

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

まいまい:こちらは「どうして看護師さんが医療ライターに興味をもったのか」ということについて聞きたいのかな?と思います。看護師ライターのおすしさんにお伺いしてもよいでしょうか?

おすし:看護師って「女性の高収入の仕事」みたいなイメージを世間ではもたれているかもしれません。でも、看護師の仕事はかなり激務だと思います。ハラスメントも多かったり、患者さんと医師の間に挟まれたりと心も体も疲弊しやすいかなと。
子育てをしながら、コロナ禍で看護師の仕事をやれる自信があまりなかったというのが実のところです。私は資格を活かした別の仕事という形で、医療ライターにたどり着きました。

質問②医療ライターの仕事のイメージがあまり掴めていません。受注から納品までの大まかな流れが知りたいです。

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

まいまい:こちらは「医療ライターのはじめかた」講座で講師をさせていただいている、私から簡単にシェアしますね。

よくあるお仕事の流れとしては、たとえば提案文を送って受注した後、クライアントさんから「糖尿病」などのキーワードをいただいて、そのキーワードでなるべくWebでの検索が上位になるようにキーワードを盛り込んだ記事を作ります。
構成といわれる、記事の元となる骨組みについては、クライアントからもらえることもありますし、医療ライター側で作成することもあります。医療ライター側が構成を作成するときは、構成ができた時点でクライアントに確認してもらい、添削やフィードバックをもらって構成を整えていく作業をしていきます。
整えた構成に文章を肉付けしていき、再度記事を確認してもらい、フィードバックをもらって、OKが出たら納品です。

今後、Medi Jump内でも医療ライターの仕事の流れを記事としてまとめられたらいいなと思ったので、記事をアップした際には公式ラインでお知らせします。興味のある方は、ぜひご登録よろしくお願いいたします!

質問③みなさんどんな内容の医療系記事を書かれていますか?

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

おすし:公開不可なクライアントが多いので、ポートフォリオ*には載せていないのですが、医療系だと、「医療ライターのはじめかた」講座卒業制作で書いた「子どもの発熱の対応」についてがあります。以前小児科で勤務していたので、課題の題材にしました。
他には看護師の働き方を発信しているメディアで、転職について書いています。

ポートフォリオ*:クリエイターの作品集。案件を応募するときに提出することが多い。

▼おすしさんの講座卒業制作


メグミ:
主に依頼がくるのは医薬品に関する記事です。とくに市販薬の販売経験が長かったので、市販薬の記事は多いですね。他には化粧品や健康に関する記事などもあります。
私は「医療ライターのはじめかた」講座の卒業制作で「女性の健康について」の記事を書きました。その影響で、女性の健康についてのジャンルの記事の依頼が多いのかもしれません。

▼メグミさんの卒業制作

まいまい:「医療ライターのはじめかた」講座では、3ヶ月間の講座の最後に卒業制作を作るのですが、講座運営側からは「このキーワードで書いてください」という指定はしていません。受講生が講座卒業後に「こういうメディアで活躍したい」という目標から逆算してキーワードを選んでいただくと、希望するジャンルのお仕事に繋がりやすくなるなと思っています。

そして、メグミさんには以前「ポートフォリオの作り方」の記事も書いていただきましたね。そもそもポートフォリオが何かわからない方もいると思うので、よろしかったらご覧ください!

▼かよこさんの卒業制作

質問④1記事どのくらいで仕上がりますか?

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

かよこ:クライアントにもよりますが、だいたい10~20時間くらいで記事が仕上がっていると思います。

まいまい:キーワード選定にどのくらい、構成作成にどのくらいなどありますか?

かよこ:まだキーワード選定がある案件はやったことがないのですが、構成に約7~8時間。リサーチの時間も含めて、本文を書くのに大体8時間くらいはかかります。

メグミ:私のクライアントは構成や見出しまで決めていることが多く、そこからリサーチして6時間くらいで書き終わります。内容によっては2~3時間で書けるときもありますが、大体6~7時間くらいです。

まいまい:みなさん講座卒業からどんどんPDCA*を回していらっしゃってさすがです!私は1回記事を書いた後にお風呂に入ったり就寝したり、別のことをして朝頭をスッキリさせてから見返していました。そういう時間を作ると、少し執筆時間が長く感じるかもしれませんね。

PDCA*:Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとった用語。それぞれの過程を順番に行うことを繰り返す。品質や生産性の向上に有効とされている。

質問⑤実際に医療ライター活動を開始して、想定外に感じたことはありましたか?

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

おすし:最初は実力がないと門前払いされてしまうイメージでした。私は優しいクライアントと縁があったので、想像より優しい世界でした。自分も非常に成長したと思います。いい意味での想定外ですね。

かよこ:悪いということではないのですが、どのクライアントもレギュレーション*がきっちりしており、読み込むのが大変だった印象です。

レギュレーション*:Webライターが記事を執筆するときのルールやマニュアル。

質問⑥医療ライターの仕事は副業から移行したのか、最初から専業ではじめたのか。

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

かよこ:私は副業で活動したかったので、最初は正社員の薬剤師をしながら副業で少し医療ライターをしていたのですが、体調を崩してしまいました。そのまま専業ライターにならざるを得なかった状況です。

まいまい:最初は副業から並行する方がすごく多いですよね。私も病気をして専業にならざるを得なかった感じです。でも、そんなときに在宅で何かできることがあってよかったなと思いました……!

おすし:私は両立する自信がなかったというのと、コロナ禍などの事情もあり、最初から専業ライターではじめました!

質問⑦副業としての医療ライターの働き方について。稼働時間や収入を教えてください。

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

メグミ:私は現在医療系の在宅のバイトを月約100時間やっています。日数にすると週4日くらいです。朝の9時から13時くらいまでバイトして、午後はWebライティングをしたり、日によっては1日バイトの日もあったり、逆に1日ライティングの日もあったりという感じです。

ちょっと最近失敗した経験がありまして。ありがたいことに依頼がたくさんきたのですが、大丈夫と思い全部引き受けたらかなりのセルフブラック*になってしまいました。1ヶ月にバイト100時間、プラス医療ライターの仕事で100何十時間とかになってしまって反省しました。

収入に関しては、在宅のバイトで100時間働いて、保険料など控除してもらい手取りで10万前後、医療ライターの方は月での変動がかなりありますが、10万から最近だと20万ちょっとです。

セルフブラック*:フリーランスや経営者に多くみられる現象。自ら長時間労働してしまい、追い込んでしまう状況をブラック企業に例えた俗語。

まいまい:稼働時間にもよるとは思いますが、副業で月10万はうれしいですね。ただ、フリーランスでは自分で業務内容や稼働量を決められるからこそ、やりすぎてしまうところがありますよね……!
セルフブラックの時期を乗り越えて働きやすくなっている方、私の周りでも多い印象があります。自分のキャパシティを知って、みなさん上手にタスク管理に繋げていくのかもしれませんね。

質問⑧案件を獲得するまでの流れ、獲得のために準備したこと、苦労したことはありますか?

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

かよこ:医療ライターとして活動しはじめたのが「医療ライターのはじめかた」講座を卒業した去年(2023年)からなのですが、最初はクラウドワークスとランサーズに登録して応募していました。
講座の中で、プロフィール文や提案文*の書き方も教わったので、それを元にクライアントごとにブラッシュアップして応募していました。
メインはクラウドワークスとランサーズですが、最近はSNSや交流会でもお仕事をいただいています。

提案文*:Webライターが案件に応募するときに、応募先に提出する文章。

まいまい:SNSでも「#ライター募集」「#医療ライター募集」「#薬剤師ライター募集」などたまに見かけますよね。
医療ライターがたくさんいるコミュニティも、もちろん貴重ですが、異なる業種の人が多いコミュニティで医療ライターとして認知してもらえると、医療ライターとしての市場価値が上がるなあと思います。

おすし:私もクラウドワークスやランサーズを使おうと思ったのですが、みなさん実績がすごくて不安になってしまいました。そこで私はプラットフォームを変えてWantedlyやIndeedを使用しています。
事前にポートフォリオを準備するのですが、応募する企業について事業や理念を事前にリサーチして、それに合わせてポートフォリオの中身を組み替えたりしていました。

まいまい:医療ライターの案件はタイミングもあるので、いろいろな媒体で探すといいですよね。
「美容系メディアなら美容系の実績記載を増やす」のように、提出するポートフォリオの内容をクライアントごとに変えるのはとてもよいですね!相手が興味を持ちそうな内容に変えていくと、クライアントの需要に刺さりそうです。

質問⑨医療ライターの案件はどこで探していますか?

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

かよこ:私も初心者のころは3ヶ月くらい同じ悩みがあったので、気持ちはすごくわかります。
毎日クラウドワークスをチェックして、応募できそうならすぐに応募するという形をとっていました。IndeedやSNSなど間口を広げて探したりもしていましたね。

まいまい:ランサーズだと、キーワード検索で「医療ライター」「文字単価2円以上」などで検索できたり、条件保存や通知もできたりしますよね!

かよこ:そうですね!通知まではしていませんでしたが、キーワードや条件で絞って検索していました。

メグミ:私も1年目のときは、かなりクラウドワークスを使用していました。条件保存もやりましたね。Indeedも使いましたが、応募しやすい媒体だと思います。医療ライターじゃなくてもいいかなというときは、文字単価だけ設定して自分が書けそうな案件を探したりもしました。

良い案件がないときは「今は準備する期間」という気持ちに切り替えて、ポートフォリオを整理したり、勉強をしたり、むやみに応募せずに自分の体制を整える時間にあてたりもしました。

質問⑩医療ライターになってよかったことと悪かったことを教えてください。

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

おすし:医療ライターになってよかったことは、自分の医療知識を活かせるので、知らない分野のWebライティングをしていたときより働きやすくなったのでことです
悪かったことは、私もセルフブラックになりやすくて。案件を受けすぎてしまい、夜遅くまで仕事をしてしまうこともあるのでそこが課題です。

かよこ:よかったことは働く選択肢が広がったことです。わずかな希望を持って医療ライターの勉強をはじめたのですが、意外に働けるんだなと思いました。
悪かったことは、ずっと家にいるので孤独との戦いになることですね。なかなかオフラインで仲間に会うことができず、そこがネックです。

質問⑪医療ライターをするのに、新しく勉強しなければならないことはありますか?

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

まいまい:「医療ライターのはじめかた」講座を卒業した後に、新しく勉強したことなどはありますか?
たとえば、薬機法管理者*、YMAA認証マーク*を取りましたとか、セールスライティング*を勉強していますなどはありますでしょうか?

薬機法管理者*:薬機法管理者認定試験に合格すると取得できる資格。健康食品や化粧品などの仕事を受ける際に役立つ資格。
YMAA認証マーク*:薬機法、医療法について一定の知識をもっている個人や企業を認証するマーク。
セールスライティング*:広告記事などで読者に、商品やサービスの購買意欲を高める記事書くこと。

メグミ:医薬品や化粧品の記事を書くとなると薬機法を知っているとかなり強いと思います。私は医療ライターをはじめて半年くらい経ってから、薬機法管理者とYMAA認証を取りました。
私はスキンケアの記事を書くことが多かったので、化粧品の成分検定という少しマイナーな検定なのですが、こちらも取りました。
セールスコピーライティングの本を定期的に読んだりもしています。

質問⑫パソコンまたはスマホ1台、スキル0から稼げる副業は?

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」の様子

まいまい:こちらは私からシェアさせていただきますね。

私は現在クライアント側として、いろいろなクリエイターの方にお仕事を外注させてもらうことが多いのですが、よっぽどこの人にポテンシャルがあるとか、応援したい人でない限り、スキル0の人には正直外注しません。やはり自分の弱いところを補う形で、お金をかけてお仕事としてご依頼していますので.…..!

なので、「スキル0から稼げる副業は〇〇です」とは言いづらい部分があります。パソコンやスマホ1台で稼げる副業は、調べると色々な方法が出てくるかと思いますので、実際にスキルゼロから学んでお仕事獲得した方の発信を見たり話を聞いたりすることで理想像の解像度を上げて、「自分に合いそう」と思われたら学び始めるのが良いのかなと思います。

全くの未経験から副業などチャレンジされている方もいらっしゃると思いますが、たとえば医療ライターであれば、チャレンジするまでに独学で記事を書いたり、勉強したり、ポートフォリオになるようなnoteを作ったりするのが現実的だと思います。
独学でできる範囲で興味のあるもの、たとえばSNS運用やWebライティング、Webデザインなどを学び、成果を見せられるようになったら案件に応募するのがよいのではないでしょうか。それで独学が難しいとなったら、何かしら自分に合うスクールに入るのも効率的なのではと思います。

「医療ライターのはじめかた」卒業生から最後に一言

「医療ライターのはじめかた卒業生座談会Vol.1」のスライド

メグミ:自分のことをシェアできたのもよかったですが、自分が経験したことがない話も聞けたのでためになりました!

おすし:私も他の2人のご経験がすごく気になっていたので、参加できたことをうれしく思います!

かよこ:似た感想になってしまいますが、2人とも私とは全然違う経験なのですごく勉強になりました!

まいまい:みなさん今日は、参加してくださりありがとうございました!
3人が卒業された「医療ライターのはじめかた」は、定期的に開催中です。最新情報は公式LINEから発信していますので、ぜひご登録お待ちしています!

▼登壇者のことがもっと知りたい方はこちら!

かよこさんの取材記事は、現在企画作成中!記事公開については公式LINEからご連絡させていただきます!^^

イベントレポート作成:
薬剤師取材ライター/岡田なつみさん


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