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医学部面接をガチで研究してみた~2024獨協医科大学医学部編~





はじめに

ご覧いただきありがとうございます。この記事は現役医学生がかつての受験生時代を振り返り、こんな記事があったらよかったなと考えながら長い時間をかけて執筆したものです。医学生同士の人脈と多額の経費をもとに各大学の在校生に大規模アンケートを実施。集まった膨大な情報から多数の医学生の意見をもとに受験生に役立つものを厳選し高校や塾、予備校には実現できない唯一無二の面接対策の記事をなんとか形にしました。
医学部受験において面接は当然侮れない大事な要素となりますが、何よりも学科試験の勉強を第一優先で行う必要があるため情報収集に時間を割くことはなかなか難しいかと思います。そんな受験生の皆さんのために痒い所に手が届く自慢の記事となっていますのでぜひご購読いただき、少しでも受験のお力になれれば幸いです。


基本情報

時間:15分程度
形式:個人面接(受験生:1人 面接官:3人)

獨協医科大学の面接試験は1/26(金)10:00に公式HPにて発表される第一次試験合格者に対する第二次試験にて1/30(火)または1/31(水)の出願時に希望したいずれかの日程で行われます。試験当日は8:30までに入室し着席、9:00~10:00に実施される小論文を経て10:30から順次面接が開始されます。

面接で評価されるポイントは「本学で医学を学ぶにあたっての動機や意欲のほか、社会に向き合う態度、基本的なコミュニケーション能力、医学に対する志、個性や才能などを評価します。」と公表されています。(令和6年度学生募集要項より抜粋)

出願時に事前に自己申告カード(本学志望動機等の記入)を提出しますがこれは面接官も目を通す重要な資料になるので自身でしっかりと見返し、あらかじめ質問を想定しておく必要があります

またどこの大学を受験するにしても必要なことですが獨協医科大学の理念や方針、特徴などは事前に把握して多少のコメントができるよう準備したほうがよいでしょう。下記に獨協医科大学の大学概要についてまとめます。チェックしておきたいポイントは太字になっています。


予備知識

学校法人獨協学園は、1881(明治14)年に創立された獨逸学協会をその起源としており、140有余年の歴史を有する我が国でも有数の伝統ある学園です。

獨協医科大学は同学園を設置母体として、1973(昭和48)年4月に栃木県壬生町の地に開学しました。一般的教養と医学及び看護学に関する理論及び応用を教授・研究し、国際的視野に立って高度の医学的知識及び看護学的知識と技能を習得せしめ、社会的に信頼される医師及び保健師・助産師・看護師を育成することを目的とし、併せて医学及び看護の発展と福祉の向上に寄与することを使命としております。

今後も建学の精神を踏まえ、これまで培ってきた実績を継承しながら、「未来を拓く良質な医療人の育成のもと輝き続ける大学」を念頭に置き、引き続き地域医療へ貢献してまいります。


建学の精神

学問を通じての人間形成


建学の理念

1.人間性豊かな医師及び看護職者の育成

2.能力の啓発に重点を置く教育方針

3.地域社会の医療センターとしての役割の遂行

4.国際的交流に基づく医学・看護学研究


大学の使命及び目的

教育基本法及び学校教育法に基づき、一般的教養と医学及び看護学に関する理論及び応用を教授・研究し、国際的視野に立って高度の医学的知識及び看護学的知識と技能を習得せしめ、社会的に信頼される医師及び保健師・助産師・看護師を育成することを目的とし、併せて医学及び看護学の発展と福祉の向上に寄与することを使命とする。


学部学科の目的

医学部医学科は、医学に関する理論及び応用を教授・研究し、国際的視野に立って高度の医学的知識及び技能を習得せしめ、社会的に信頼される医師を育成することを目的とし、併せて医学の発展に寄与することを目的とする。


教育理念

患者及びその家族、医療関係者をはじめ、広く社会一般の人々から信頼される医師の育成。


ディプロマ・ポリシー(卒業認定・学位授与の方針)

本学所定の科目を履修して卒業に必要な単位を修得した上で、総合試験、共用試験および卒業試験に合格し、本学の教育理念である「患者やその家族、医療関係者をはじめ、広く社会一般の人々から信頼される医師」として活躍できる資質を有すると判断される者に卒業を許可します。具体的には以下のような、それぞれ2要素からなる7分野の学修成果(アウトカム)が求められます。

Ⅰ. 医学知識

人体の構造と機能、種々の疾患の原因や病態などに関する正しい知識に基づいて臨床推論を行い、他者に説明することができる。

種々の疾患の診断や治療、予防について原理や特徴を含めて理解し、他者に説明することができる。

Ⅱ. 臨床能力

卒後臨床研修において求められる診療技能を身に付け、正しく実践することができる。

医療安全や感染防止に配慮した診療を実践することができる。

Ⅲ. プロフェッショナリズム

医師としての良識と倫理観を身に付け、患者やその家族に対して誠意と思いやりのある医療を実践することができる。医師としてのコミュニケーション能力協調性を身に付け、患者やその家族、あるいは他の医療従事者と適切な人間関係を構築することができる。

Ⅳ. 能動的学修能力

医師としての内発的モチベーションに基づいて自己研鑽生涯学修に努めることができる。

書籍や種々の資料、情報通信技術〈ICT〉などの利用法を理解し、自らの学修に活用することができる。

Ⅴ. リサーチ・マインド

最新の医学情報や医療技術に関心を持ち、専門的議論に参加することができる。

自らも医学や医療の進歩に寄与しようとする意欲を持ち、実践することができる。

Ⅵ. 社会的視野

保健医療行政の動向や医師に対する社会ニーズを理解し、自らの行動に反映させることができる。

医学や医療をグローバルな視点で捉える国際性を身に付け、自らの行動に反映させることができる。

Ⅶ. 人間性

医師に求められる幅広い教養を身に付け、他者との関係においてそれを活かすことができる。多様な価値観に対応できる豊かな人間性を身に付け、他者との関係においてそれを活かすことができる。

アドミッション・ポリシー(入学者受入れの方針)

獨協医科大学医学部では、教育理念やカリキュラム・ポリシーに基づいてより効果的に学生に対する教育を行うため、次のような基本的な素養を満遍なく備える人を入学生として求めます。


求める入学生像


・本学の建学の精神、本学医学部の教育理念、カリキュラム・ポリシー及びディプロマ・ポリシーを理解・賛同し、本学の発展に貢献する意欲のある人

・医学を学ぶ上で必要な数学、理科及び英語を中心とする基礎学力、読解力、表現力を有している人

医学への強い志を持って社会に貢献する意欲のある人

計画性を持って学習に臨み、自ら問題を解決する意欲のある人

・社会の一員としての理性と常識を備え、広い視野を持ち適切かつ公正な判断ができる人

協調性コミュニケーション能力のある人

他者の立場になって物事を考え行動できる人

国際的視野を持って医学を志す人


獨協医科大学医学部では受験生に対し、入学生に求めるこれらの素養及び学力の3要素(①知識・技能、②思考力・判断力・表現力、③主体性を持ち多様な人々と協働しつつ学修する態度)を踏まえ、多面的・総合的に評価・判定するため各選抜方式の特性に応じ、各種の試験方法を取り入れて、公平かつ公正な入学者選抜を行います。


入学までに求める学習成果


医学部では、多様な学問分野を学修することから、将来、医師となり活躍するために必要な学力、倫理観、医学や社会への高い関心などを身に付けておくことを望みます。


獨協医科大学の特色

・獨協医科大学主要3病院は、大学病院が1,195床、埼玉医療センターが928床、日光医療センターが199床で、全国的にも最大規模の病床数

・ここ数年の特記事項として、大学病院にはスポーツ医学センターリプロダクションセンターが設置されたほか、県内唯一のドクターヘリの基地病院として、地域の救急医療のため活躍している。

・埼玉医療センターには低侵襲治療センター、総合患者支援センターなどが開設され、増床とあわせ地域の基幹病院としての存在感を高めている。

・日光医療センターは令和5年1月から日光市森友に移転新築。国際観光都市日光の基盤病院として、地域医療連携推進法人と連携し、急性期医療からリハビリテーションまで切れ目のない医療サービスを提供。

・教育面では、入試改革、教育の高度化に取り組んでおり、令和2年度大学改革推進等補助金に本学が申請した「データ一元管理とAI解析を用いた学修の最適化と無限学習を目指す大学改革事業」が採択された。首都圏以外の私立医大の採択は獨協医科大学のみであり、AI解析により、一人ひとりの学生に適したきめ細かな学習支援を全学的に実施することができる仕組みづくりに取り組む。

・高度化・細分化する医学・医療や社会のニーズに対応した6年間一貫のクサビ型教育カリキュラム(低学年から高学年までオーバーラップしながら、高い見識や倫理観、国際的視野等を身に付けつつ医学を学修することができる)を展開しているのが獨協医科大学の大きな特徴

・少人数用勉強会室の貸出しやネット講座、模擬試験、国家試験対策合宿、個別指導を実施するなど、きめ細やかに学生をサポートしている。また担当教員を配置し、定期的に学生と情報交換をするなど、学生と学校サイドのコミュニケーションを深める取り組みも推進し万全の医師国家試験対策を掲げている。

学生海外研修教育として医学部では国際的視野を持った医療従事者の養成を目的とし、内容の異なった東南アジア・欧米の4地域での海外研修を学生の就学カリキュラムに合わせて企画し、積極的にサポートしている。

・研究面では、先端医科学統合研究施設を設置し研究支援部門も強化している。



合格した先輩方の体験談・アドバイス


現在獨協医科大学に在籍している先輩方から当時の面接の様子や実際に受けた質問、面接に臨むにあたるアドバイスを集めました。



実際に問われた質問 ~オーソドックス~


- 獨協医科大学の志望理由

- なぜ獨協医科でないといけないのか

- 医学部を志望する理由

- 得意科目

- 将来何科を志望しているか。その理由は何か。

- どうして医学部なのか

- 趣味はなにか

- 自分の長所短所を教えてください。

- 自己申告カードに書いてあること

- 卒業後の進路はどうするのか

- 卒業後もこの大学に残るつもりはあるか


まずはどこの大学でも聞かれうるオーソドックスな質問から紹介しました。

注意点として気を付けていただきたいのは1つ目、獨協医科大学の志望理由というところ。何気ない質問ですが本番のように緊張しているとつい医学部に行きたい理由や医師になりたい理由ばかりになってしまい、「それうちの大学じゃなくても良くない?」と突っ込まれてしまうという現象がしばしば起こります。また2つ目の質問「なぜ獨協医科でないといけないのか」というように単刀直入に投げかけられることもあるため他校との違いや獨協医科大学の強みを踏まえたスマートな受け答えができるよう前項にまとめた獨協医科大学に関する予備知識をぜひ頭に入れておいてください。

また一見何気ない質問のようで返答に注意が必要な質問もあります。下2つの質問のような将来の話題に関して、獨協医科大学は地域医療に力を入れていることや栃木県内の数少ない医学部のひとつであることから栃木県に残るという意思を示すことも必要なようです。現在在籍している先輩方からそのようなアドバイスが多数寄せられていますが真相は定かではありません。少なくとも地域枠で受験される方に関しては間違いなく必要なことだと思いますので当てはまる方はぜひ頭に入れておいてください。



実際に問われた質問~同大学について~

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