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同じように「お客さん」という言葉を使っても、なぜマーケと営業の間ではズレるのか?〜マーケと営業の溝に潜む「お客さん」の違いを理解する〜 (写真は本文と全く関係ありません)

 「お客さんを中心に考える」とか「顧客志向」や「顧客中心主義」という言葉やフレーズは、ここしばらくあちこちで聞かれるようになった。しかし、この言葉を前にして、営業とマーケとの溝を発見する機会も多い。

 営業からしてみれば、「俺たちは常にお客さんと接してるわけだから、そもそもお客さん志向なんだよ、マーケが何を言ってるんだ?」となり、マーケからすると「営業は自分たちが向き合っているお客さんのことしか考えていない」という話になる。

 こうした営業担当とマーケ担当を引き入れて、ペルソナやカスタマージャーニーマップの制作プロセスに入るとおもしろいことが起きる。

 ペルソナで言えば、マーケティング側は定量的にどのぐらいのターゲットがこのペルソナにあてはまるのか?と考え、一方で営業側は細かい性格までペルソナに入れる傾向がある。前者の場合はターゲットとペルソナが混同が多く、後者の場合は、ペルソナという自分たちの顧客層に概して当てはまる要素の集合体でなければならないにもかかわらず、特定の人を想定したものになりがちなのである。

 以下は、『デジタル時代のB2Bマーケティング講座』で使っている資料より。

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この表の中にある「対象」の違い、マーケティングが不特定or特定多数、営業が特定の少数・相手である違いが、上述したようなマーケティングと営業の「お客さん」、「顧客」に対する捉え方の違いに影響を及ぼしている。つまりどっちも確かにお客さんのことを考えてるのだけれども、そのサイズ感などが違うから、ズレが生じてしまうのだ。

 こうした、マーケティングと営業における「見方の違い」を理解しておくと、マーケティング〜インサイドセールス〜営業の役割が明確になる。それぞれが対象とする相手の考え方が違うと、ファネルやパイプラインを設計するときに役割や目標を定義しやすいというメリットもある。そのため、マーケティングと(インサイドセールスと)営業における「顧客」の捉え方の違いについて、理解をしておきべきだろう。


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