【クリティカル・リーディング】〜巷に溢れるマーケティング関連書籍・文章、セミナーなどにやたらと触れる前につけておくべきスキル
(特に)実務家が実用書的なマーケティング本などを読み、
「おおお!なんて良いことが書いてあるんだ!」、
「この本、わかりやすい!」
「なるほど!○〇〇は古い!これからは○○○○だ!!」
「○〇〇は役に立たん!○〇〇○を活用すべきだ!」
といった、“素直”な感想コメントを挙げているのをよく見かける。
そうした話題の本を手に取って読んでみると、「・・・・・?????」となることがあり、前後の文脈で筋が通っておらず論理的整合性がとれていなかったり、そもそも書いてあることが間違っていたり、「あなたの意見ですよね」レベルに概念や定義の理解を誤ったり歪められていたりして書かれていることがよくある。
つまりそういう本に出会って、書いてあることを“素直”に信じてしまうというのは、「誤った」知識や認識を自分の頭に植え付けてしまうという危うさがあるということでもある。
私自身は、そうした誤った内容を文章化・書籍化し、読者をどこかに誤った方向に導こうとしてしまう書き手自身も相当の責任があると思っているのだが、一方で、そうしたものに惑わされないように、読み手側が訓練するしかないとも思う。
そこで重要なのが、「クリティカル・リーディング」である。
クリティカル・リーディングは、日本語では「批判的読み」とも訳されるが、この“批判的”という言葉が、どうしても“否定的”というニュアンスで取られがち。おそらく日本人が議論を苦手とするのは、この“批判的”な部分を「自分が否定された」というふうに思いがちだからなのではないか?と思うこともあるが、そもそも「批判」とは、
なのだが、どうしても、2.の部分だけが強調されしかも「否定」というニュアンスで取られる。
千葉大の上記のリンク先にもあるように、
ということであり、書かれていること、話されていることについて、気をつけながら読む・聞くという態度が、「クリティカル(批判的)」であるということ。
※参考までに、以下の中学3年生向けの動画もおすすめしておきます。
さて、ここまで読んでもらうとだいぶ理解はしてもらえると思うけれども、このクリティカル・リーディングのトレーニングをちゃんとしておかないと、書籍などに書いてあることを鵜呑みにしやすい(セミナーなどでの甘言・美辞麗句に耳を傾け過ぎてしまうのも同様)。
そういう人は実用書的なマーケ本を読むと、その内容の妥当性や正誤の判断抜きに、すぐ頷いてしまう危うさがある。
この傾向は書籍やセミナーなど、常に情報過多なマーケティング業界ではよく見かける。そして、流行り言葉や新語に惑わされてしまう。
クリティカル・リーディングをもう少し別の言葉で言い換えると、“正しく疑いながら読む”ということ。
なので、流されたくない、惑わされたくない実務家こそ、書店やAmazonでマーケティング関連本を買ったり、どこの誰が書いたかわからない note やソーシャルメディアの投稿にうなずく前に、クリティカル・リーディングを学んでみてほしいと思う。
以下、クリティカル・リーディングに関する参考図書。
どれも入門的な書籍ですが、内容レベルは並びの順番になってます。
それと、学校教育の現場でも、このクリティカル・リーディングを教える重要性が増しているということで、こういう書籍も出ています。
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