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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#24
この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。
今週の個人的注目トピックは
骨評価AIスタートアップ iSurgery経営破綻。規制産業での中小企業の承認/認証審査・医療機器該当性に関わる戦略の重要性と致命的リスクを改めて認識。
大阪・中之島クロスが6月29日に開業予定。個人的には再生医療以外に期待。
スタートアップ出現率(設立5年未満の企業の割合)で北九州他福岡県が上位に。他、意外な上位の松山市、高松市、宮崎市の九州・四国勢と、地の利とエコシステムに個人的な関心があります。
です。
・医療AI
中国のAI医療が新たな進展を達成 | CNS/JCM/AFPBB News (2024.06.10)
「「医療画像国家新世代人工知能(AI)オープンイノベーションプラットフォーム」が、中国科学技術部の高新技術研究開発センターの包括的な成績評価を正式に通過」
「過去2年間で、阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)、騰訊(テンセント、Tencent)、京東健康(JDH)、医聯(Medlinker)、百度(Baidu)、智云健康(ClouDr)などの企業が推出した製品を含む、40以上の医療モデルが登場」
医療画像診断支援AI「EIRL」が全国47都道府県の医療機関へ導入 | LPIXEL (2024.06.11)
医療AIの普及速度は早い
AIを用いた回復期リハビリテーション病棟向け予後予測ソリューションを十勝リハビリテーションセンターと共同開発 | ソニーネットワークコミュニケーションズ (2024.06.12)
Prediction Oneによるソリューションの開発。
「共同研究のなかで退院時における「歩行動作の予測」、「トイレ動作の予測」、「運動項目FIM(※)の予測」について、高い精度で予測が可能であることを実証しています。」
国内初のAI技術を応用した5つの検査と専門医による診断サービスを1台のデジタル顕微鏡で行える検査システム『ベトスキャン イマジスト』を発売 (2024.06.12)
ベトって獣医学だからか。
「従来のCBC検査による定量的な評価に加え、AIで白血球、血小板、多染性赤血球などの識別を行い血液塗抹の定性的な評価をすることができ、院内における血液検査をサポートします」
中国テンセントの医療画像AI基盤、4000以上の研究機関が精度向上に利用 | 日経クロステック (2024.06.14)
「医療画像国家新一代人工智能開放創新平台(医療画像国家新世代AI[人工知能]オープン・イノベーション・プラットフォーム)」関連ニュース。
先の記事では阿里巴巴・百度・京東健康・医聯・智云健康なども挙げられていたが、やはりAIはテンセントがリードしている模様。
AIでがん「見逃し防止」も「時間が絶対的に足りない」 効率化のカギを握る新しい医療機器とは | AERA dot. (2024.06.16)
負担軽減ではファーストタッチでのスクリーニング能力に期待。
医療AI「画像診断」はすでに「専門医と同等」 最大の壁は各医療機関の「データ」をどう共有するか | AERA dot. (2024.06.16)
AIM多田CEO、MAPI島原機構長のコメント。
データアクセスでは画像データの販売サービスが最近始まってきている(MAPIやNTTデータなど)。導入コストと償還の課題も。
模擬患者の面接試験、AIが評価します 藤田医科大×名工大、5年間の開発目標:中日新聞Web (2024.06.16)
AIアバターの医療応用に模擬患者面接も。
・手術支援ロボット
手術支援ロボットの開発や事業の強化に日本メーカー各社が注力 | NHK (2024.06.10)
ソニーが入ってくると注目度が違う。
hinotoriも紹介。
ロボットAIカンファレンスに参加する中国外科医 ローマから遠隔で手術ロボットを操縦 北京の患者、前立腺除去手術に成功 | MK 毎日経済 (2024.06.11)
写真からはわからないけどこれはdaVinciかTOUMAI(上海微創)かSentire(康诺思腾)か。
「チャン課長は「遠隔手術の最大問題は通信であり、それに遅延が発生するかどうか」とし「今日の手術は基本的に遅延がなく、ほとんど現場手術と同じだ」と明らかにした」
国士舘大、眼球手術鉗子向け柔軟機構 4自由度実現、ロボに活用 | 日刊工業新聞 (2024.06.14)
動画あり。神野誠教授のご研究。
米インテュイティブ、上海にア太最大拠点 :NNA (2024.06.14)
Intuitive Fosun(直観復星医療器械技術)の新社屋が12日オープン。
Intuitiveのアジア太平洋地域で最大の開発・生産・トレーニング拠点に。
・医療DX
【調査報告】医療DX当事者ヒアリング調査報告「医療のDX時代を迎え生きる当事者たち」 | NPO法人日本医療政策機構 (2024.06.10)
当事者の期待は自己決定・選択能力と生活を基盤とした医療体験の強化。
当事者の不安は情報共有への不安と国主導のデジタル化への不信感。
静脈くっきり、1分で採血へ 静岡の計測器会社が新機器 - 日本経済新聞 (2024.06.11)
テクノサイエンス社の電子駆血帯「月兎」。
今年のMedtecイノベーション大賞受賞機器。
電子カルテと治験データ収集システムとの高度なデータ連携に向けた共同研究を実施|国立がん研究センター (2024.06.11)
中外製薬・NTTデータとの共同研究。
臨床に加え、研究でもDXによる効率化と品質の向上が。
「データ連携によって、医療機関においては電子カルテからEDCへの転記作業時間や製薬企業からのクエリ(問合せ)数が削減し、製薬企業においてはSDV作業時間の削減が確認」
NTTプレシジョンメディシン株式会社の発足について (2024.06.11)
「個人に紐づいた臨床データや検査データなどのメディカル・ヘルスケアデータを統合的に収集・分析・活用することを推進し、日本の医療・健康領域での継続的な事業成長と社会貢献をめざしていきます」
関連記事:
プレシジョンメディシンの実現に向けたメディカル・ヘルスケア事業会社の統合について | NTT (2024.05.10)
売上高100億円へ…NTTが発足、医療データ新会社の勝算 | ニュースイッチ (2024.06.13)
こちらもNTTプレシジョンメディシン発足のニュース。
「医療機関との連携を通じて電子カルテなどのデータを収集。NTTの大規模言語モデル(LLM)「ツヅミ」を用いた人工知能(AI)でデータの特徴を抽出して各種リポートを自動生成し、医療機関の診察や製薬会社による次世代治療法の開発を効率化する。」
・大学・研究
超音波で脳の「窓」から脳活動をモニタリング | Medical Tribune (2024.06.12)
そもそも初期の超音波診断がBone Windowから脳の診断を試みていたことを考えるとある意味原点に戻った新しい技術なのかも。
「患者の頭蓋骨の欠損部分にアクリル樹脂製のインプラントを設置し、この「窓」を通して、機能的超音波イメージング(functional ultrasound imaging;fUSI)により高精細の脳画像データを得ることに成功」
・スタートアップ・起業
五反田バレーアクセラレーションプログラム2024 (〆切7/16(火)) (2024.06.10)
「品川区では、スタートアップの集積地としての「五反田バレー」の認知度アップや地域活力の向上、区内産業全体の活性化を図るため、スタートアップや起業家の事業成長を支援する本プログラムを実施します」
五反田バレー、存じ上げなかったんですがfreeeとかFUNDINNOとか入ってるんですね。ヘルステック系(非バイオ)はまだ無いのかな。
大阪は起業しやすい街「大阪産業局スタートアップ支援事業部」松出晶子次長に聞いた | M&A Online (2024.06.07)
VCでなく行政でミドル期以上対象の支援プログラムは珍しいとのこと。
「学生に向けたプログラムから、シード期、アーリー期、そしてミドル期以上の方に参加いただくプログラムまで、途切れのない支援をしています。」
再生医療などの医療開発と最先端治療、一つ屋根の下で 大阪に新施設 | 毎日新聞 (2024.06.13)
今日は中之島クロスのニュースが多いです。
「中之島クロスは地上16階の高層棟と同11階の低層棟で構成され、再生医療を中心とした医療開発やロボティックス、人工知能(AI)などの先端技術が集まる「未来医療R&Dセンター」と、循環器病院や高度健診センターなど最先端の治療を担う「未来医療MEDセンター」がそれぞれ入居する。」
関連;”未来の医療”開発拠点 いよいよ開業へ「iPS細胞を当たり前に」大阪・中之島 (関テレ)
iSurgery(株)/破産手続き開始決定 <東京> | JCNET (2024.06.07)
「5月29日に東京地裁にて破産手続きの開始決定」
医療機器該当性やクラス分類などで疑義の余地があると必ず誰かに刺されます(通報されます)。規制産業は厳しい。
特に体力の少ない中小は、たとえ回り道でも承認申請は十分な検討の上で戦略・実行を。
現役眼科医が開発、スマホの「光」と「カメラ」で眼科診療 OUI Inc. - TECHBLITZ (2024.06.12)
重要な視点(眼科だけに)。
眼病のQOL上のインパクトの大きさ、学術的エビデンスの重要さ。
「眼科医からすると、患者さんが失明するということは、内科の先生などにとって患者さんがお亡くなりになるのと同じことなんです。それを考えると、通常のキャリアとは違うかもしれませんが、眼科医としての目的は同じだと思っています」
「私たちは論文だったり、学会発表だったりをすでに100本以上出しています。もちろんこれはマーケティング目的だけじゃなく、エビデンスファーストの考え方が最初に来ていて、しっかりとしたエビデンスを出しながら、海外での普及を進めていくという方法を取っています」
日本で最もスタートアップが生まれやすいのは「北九州市」 全国平均の3倍ほどに | M&A Online (2024.06.14)
北九州もそうですが、スタートアップの出現率(設立5年未満の企業の割合)トップ7までがすべて九州・四国というのは意外。興味深い。
「北九州市は、製鉄所を中心にモノづくりが発展した街で、同市の強みである環境や、ロボット、DX(デジタル技術で生活やビジネスを変革する取り組み)分野を中心にエコシステムを形成し、シード、アーリー、レイターの各段階のスタートアップを対象にした創業支援や成長支援などを行っている」
・マーケット・企業
国内の医用画像関連システム市場、2022年度は前年度比4.3%減:医療機器ニュース - MONOist (2024.06.11)
「前年の2021年度は、新型コロナウイルス感染症に伴うシステム導入、更新の遅延などから回復したことで前年比6.6%増加しており、その反動で市場が減少したと推測している。また、2019年度の義務化により拡大した線量管理システム市場が、2020年度の拡大以降は減少トレンドにあることも指摘する。」
普及が一段落してリプレース中心となり穏やかなマイナス成長〜横ばいとのこと。
オリンパス、インドにR&D拠点立ち上げへ イノベーション創出をさらに強化 (2024.06.12)
オフショア・ディベロップメント・センター(ODC)」の活動を開始。ODCの設立とともに、ハイデラバードで数年後の自社研究開発センターの開設を目指して準備を進める。
SaMD(プログラム医療機器)を中心とした市場について|株式会社矢野経済研究所 ライフサイエンスグループ (2024.06.14)
診断支援AIシステムの市場規模予測、DTxの将来展望について。
医療機器業界の未来:レジリエンスを備えた価値の提供 | PwC Japan (2024.06.14)
医療機器事業回復のために見直すべき5つの分野として、1コマーシャル戦略のアップデート、2製品開発への再投資、3バリューチェーン全体の可視化・レジリエンス強化、4目的を持った組織文化の情勢、5M&Aによる価値創造、を解説。
特にパンデミック後の医療機関の財務体力低下、サイバーセキュリティ、サプライヤースキーム、人材獲得(リモートワーク)などが近年の新傾向か。
・行政・規制
「良い手術を受けるために患者さんがすべきこと」と「日本の医療制度の問題点」/渡邊剛(ニューハート・ワタナベ国際病院総長) /近藤隆夫 | マイナビニュース (2024.06.12)
なかなか最適解は難しいと思いますが、未来に向けた議論は必要かと。
「健康保険制度は、誰もが医療機関にアクセスできるという意味で素晴らしいものだと思いますが、問題は手術の部分が『出来高払い』になっていることなんですよ」
「完璧な手術をした医師Aよりも、下手な手術をした医師Bの方が病院を儲けさせることになってしまうのです」
「『出来高払い』を『包括型』に変えればいいのです。
たとえば、○〇手術は○○○万円という具合に定額制にして、それ以上は保険請求できないようにします。すると、下手な手術をすれば病院が赤字になりますから、たちまち未熟な医師は淘汰されることになるでしょう。」
・イベント
「医療機器・ヘルスケアプロジェクト 令和6年度 成果報告会」(2024.07.02) 開催のお知らせ | AMED
7月2日(火) 10:30~18:00 ハイブリッド開催。
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