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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#4(1/20〜1/28)

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。

※まとめ期間・配信日を変更しました。毎週月曜日に先週分をまとめるようにする予定です。

今週の個人的注目トピックは

  • da Vinci 5、FDAに審査書類提出
    いよいよ第5世代の登場です。10,000倍の処理能力、というのはエッジコンピューティングで何をしているのか気になります。4k・8kの3D内視鏡を搭載するのか、AIアシスタント・ナビゲーションがつくのか。My Intuitiveも更に高度化して様々な評価やサジェスチョンをしてくれるようになるのかも知れません。

  • Apple vs マシモの酸素飽和度計測技術特許戦争
    血中酸素計測機能は各社(Fitbit、Garmin、HUAWAI、シャオミなど)備えており日常のヘルスチェックで重要な機能です。特に睡眠時無呼吸の検知で音声・心拍とともに活用されており、スリープテックに勢いが出つつある昨今では更に重要性が向上しそうです。Apple Watchだけこの機能を持たない状況を続けるとは思えず、今後どういう形で着地するか注目です。

    また

  • ウェアラブルEXPO・Factory Innovation Week開催
    行ってきました。AI-powered archelisのプロトタイプも展示しています。ウェアラブル・archelisといえば1x8行こうよ、つけてくれたの大泉洋さんじゃなかったのは少し残念。




ヘルステック 技術・産業・行政規制


・医療AI

NECと倉敷中央病院 将来の生活習慣病発症リスクを予測するAIモデルを共同開発 定期健康診断の結果から4年以内の危険度を予測|ロボスタ

「定期健康診断を受診するだけで、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、動脈硬化、急性心筋梗塞など11種類の生活習慣病に関する4年以内の発症リスクがわかるようになる」

ロボスタ

Deep learning model for extensive smartphone-based diagnosis and triage of cataracts and multiple corneal diseases

論文紹介。深層学習モデルを用いて前眼部画像から9種類の角膜疾患を高精度に自動分類(AUC:0.931–0.998)。スマホ診断(診断補助)も可能に。
名古屋大 小田昌宏先生らのグループによる成果です。

NEC、行政機関および医療機関における生成AI活用に向けたホワイトペーパーを公開

生成AIに対する業界の対応早いですね。
(関連記事:NECが行政機関と医療機関向けに「生成AI活用のホワイトペーパー」を公開 業務効率化・高度化に貢献|ロボスタ)

外来予約の自動化支援、オンライン診療時の記録支援、症状詳記や退院サマリーなどの医療文書作成支援といった6つの具体的な業務における生成AIの活用想定事例と、NECの生成AI「cotomi」の紹介。

(関連:ヘルスケア事業者のための生成AI活用ガイド

WHO – 医療AIが貧困国にとって危険な可能性を指摘

https://aitimes.media/2024/01/23/14168/

データセット構成による国・人種バイアスの問題は大きな問題ですが、なかなか簡単には対応が難しい課題です。
WHOのガイドラインはこちら。

医師の直観はAIより頼りになる? 正確さを示す研究が続々
将来は「AIと直観のコラボこそが最良のアプローチ」になると専門家 | ナショナル ジオグラフィック日本版サイト

AIはまだ「小児科医の代わり」になれない 症例の誤診率は80%以上 | Forbes JAPAN 公式サイト

「ChatGPT-3.5が下した正しい診断は17%にすぎなかった」
「ChatGPTは多面的な情報を取り込めるが、特定の患者の全般的な病状の微妙な具合まで理解できないという弱点が残されている。」

Forbes JAPAN

まだまだAIが医師の診断の代替になることは難しく、サポート役としての適切な活用が求められます。

Allganize、「薬機法チェック LLMアプリ」を提供開始

広告・製品紹介文のチェック。

自分で事業やっていると法務について専門家にお願いする前の契約書チェックなどリーガルテックサービスには期待が大きいところ。

メディカルリーガルテックの拡大にも期待しています。

米NVIDIAのAI半導体ビジネス、次は医療を深掘り - 日本経済新聞

CB Insightsのレポート。
NVIDIAの買収・出資・提携戦略は
・ライフサイエンスクラウド
・医療機器AI(エッジコンピューティング)
・スマート病院AI

「自分が作れるAI」ではなく「医師が求めるAI」を作る―循環器内科医・中山雅文が語る「医師がSaMD開発に携わるべき理由」(3)

「非循環器専門医の先生方にとって心電図異常や心雑音などを「どのレベルから専門施設に紹介すべきか」判断が難しいという課題があることから、AIの力を借りることで少しでも解決につながらないかと考えました。」

m3.com


・SaMD・DTx

NTTドコモ、脂質異常症の治療用アプリを開発、2024年中に特定臨床研究を実施へ

製薬大手だけでなく電気通信大手もSaMD・DTx参入へ。

エクサウィザーズ、健康・医療分野に特化したAIサービスを提供する 新会社「ExaMD」設立
〜モバイルデバイスを利用したソフトウェア医療機器を開発、第一弾は認知症診断〜

SaMD新会社。いい社名ですね。
AD治療薬の登場により認知症早期診断のサービスは急速に増えていきそうです。


・手術支援ロボット

【プレスリリース】四国初 徳島大学病院で国産手術支援ロボットhinotori™を 用いたロボット支援直腸がん手術を実施しました

四国初のhinotori症例だそうです。

Robotic Surgery in Urology: History from PROBOT® to HUGO

泌尿器の手術支援ロボットの歴史のレビュー論文です。
PROBOT→ROBODOC、MEDFAST→da Vinciから、最新のSenhance、Revo-i、Versius、Avatera、hinotori、Hugo RASまで。

Brain NaviがNaoTracを使用した100症例目の手術を成功

台湾の手術支援ロボットスタートアップBrain Naviの脳外科用ナビゲーションロボットNaoTrac。

Intuitive Receives CE Mark for its da Vinci SP System

欧州でCE取得。
米・韓・日よりだいぶ後なんですね。

Intuitive seeks FDA clearance for next-gen da Vinci 5 surgical robot

スタンダード、S、Si、X/Xiに続くda Vinci第5世代機のFDA審査が始まります。早ければ年内承認とのこと。

さて注目の新機能ですが、

As to what new features the robot will offer, Guthart said more details will be shared once the device is cleared. But the system has been designed to provide 10,000 times the processing power of its predecessor, for gathering data, improving sensing, and delivering better digital and analytic performance.

MEDTECH DIVE
https://www.medtechdive.com/news/intuitive-surgical-Q4-next-generation-robot/705450/

とのこと。処理能力1万倍になる→1万倍が必要な処理、となると、8kやAI/MLなどの搭載でしょうか。


・遠隔診療

医療機器のメロディ、胎児の状態細かくモニタリング - 日本経済新聞

香川大発スタートアップ メロディ・インターナショナルのモバイル"分娩監視装置 iCTG"による周産期遠隔医療プラットフォーム「Melody i」

少子高齢化の中でのヘルステックでは「高齢化」に比重が置かれがちですが、小児・婦人科領域のヘルステックの育成は未来の創造・持続的な社会構築に必須の技術・産業です。

「5G+AI」技術によるスマート医療で末端医療機関を支援 海南省 | 人民網日本語版

地域特性と技術とで、遠隔診療連携も日本より中国のほうが進んでいるかもしれません。


・VR/XR

仮想現実を活用して 楽しくリハビリ 県リハビリテーション病院・こども支援センター(北日本放送)

mediVRカグラの活用事例です。


・ウェアラブル

特許侵害を理由に米国で販売停止になっていたApple Watch、問題の機能を削除して販売再開へ | ldnews

ソフトウェア的に削除しただけのようで、今後復活の目もあるんでしょうか。マシモの戦いが続きます。

Appleの特許侵害を訴える医療機器メーカーMasimoのCEOが「Apple Watchの血中酸素濃度測定機能は信頼性が低いため使わない方が良い」と指摘 - GIGAZINE

とはいうものの…

「2022年に公開された別の研究では、Apple Watchの血中酸素濃度測定センサーとMasimoのパルスオキシメーターであるRadical-7が比較されており、測定値が非常に類似していると結論付けられています。」

GIGAZINE

米国で裁判中のApple Watch、次期モデルの目玉機能がピンチに | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

この機能は興味あるがApple Watchに今のところ興味ないので他社で別技術で実装されないかな。Fitbitは推定可能?

「睡眠時無呼吸症候群を検知するためには、正確な酸素濃度データの取得が不可欠だ。つまり、現在の血中酸素濃度測定機能に関する争いが、新機能に影響を与える可能性がある、少なくとも今は」

Forbes JAPAN

スリープテックに興味があり、スマートウォッチ・バンドでの睡眠時無呼吸の検出・評価機能には注目しています。
ただ個人的に電池の持ちと四角いデザインでApple Watchに今のところ興味がないので、Garmin・Fitbit・HUAWAI・シャオミなど他社の技術の方が期待大です。

リストバンド型生体センサーを用いて脳内アミロイドベータの蓄積を予測:医療機器ニュース - MONOist

スマートウォッチでアミロイドβを測定・検出?どうやって??

と思いましたが計測でなく予測ですね。興味深いです。

展示会 2024-#1 ウェアラブル EXPO・Factory Innovation Week(ロボデックス・スマート工場EXPO)他|中村亮一 | MEDIELITE LLC


行ってきました。企業/現場向けのスマートウォッチ・バンドでのサービスが多くなってきている感じがします。

どハマリYOYO'S 2024(2) おじさん興奮!進化系アイテム続々
1×8いこうよ! | テレビ | STV札幌テレビ

1月21日放送の1×8いこうよ!にarchelisが登場しました!
まだしばらくはTVerで見られます。hulu・tvkで放送されるのは結構先かなと思います…


・訓練

本物と同じように鼓動するバイオロボテック心臓を作成。ソフトロボットとブタの心臓を融合

豚左心室の心筋をロボットポンプに置換。
論文はこちら。動画もあります。
Biorobotic hybrid heart as a benchtop cardiac mitral valve simulator

https://www.cell.com/device/fulltext/S2666-9986(23)00357-5


・スタートアップ

医療機器のメロディ、胎児の状態細かくモニタリング - 日本経済新聞

香川大発スタートアップ メロディ・インターナショナルのモバイル"分娩監視装置 iCTG"です。

少子高齢化の中でのヘルステックでは「高齢化」に比重が置かれがちですが、小児・婦人科領域のヘルステックの育成は未来の創造・持続的な社会構築に必須の技術・産業です。

世界最大級の医療機器関連見本市 「Arab Health 2024」ジャパンパビリオンを出展 ―スタートアップ特設エリアを新たに設置― | 記者発表 - お知らせ・記者発表 - ジェトロ

出展社リストをメモ。通常エリア18社、デジタルヘルススタートアップ11社。
AIMSとPaMeLaの痛み計測とオクチィの睡眠時無呼吸に関心があります。本当にスリープテック増えてますね。国内のスリープテックの現状を整理したいところ。

帝人、米国医療機器スタートアップ企業への出資および共同研究契約を締結

既に1/3に日経新聞で出資について報道されていますが、帝人の正式プレスリリース。
人工関節の置換手術後に起こる感染症を治療する医療機器『バイオプラックス』を手掛ける『ガーウッド・メディカル・デバイシズ』。


・新製品・新技術

【ニュースアップ】デジタル技術で人為的ミスなくせ! 福井NEWS WEB

投与条件設定から手入力をなくすことでミスを削減・ダブルチェック不要に。医療者の負担軽減と患者の安全確保に資するデジタル医療技術です。

日本の技術が実用化に貢献、フォトンカウンティングCTは医療に革新をもたらすか:医療技術 インタビュー(2/2 ページ) - MONOist

「一般的なCTで得られる3次元画像はモノクロで、画素数もブラウン管テレビとほぼ変わらないレベル。フォトンカウンティングCTは、この白黒のブラウン管テレビがフルカラーのハイビジョンテレビになるようなイメージだ」

MONOist

「アクロラドによる日本の卓越した技術と、Siemens Healthineersによるドイツの医療機器開発力の融合の成果だ」

MONOist

ブタの臓器利用で新展開、脳死患者に肝臓を3日間体外接続

急性肝不全患者治療のブリッジに、豚肝臓を体外接続利用。
異種臓器移植とはまた異なる新たな治療法についての研究です。

弘大とシスメックスが健康講座 認知症など主眼 | 陸奥新報

認知症治療薬の登場で早期診断の価値が向上しています。

「今年度の岩木健診では、このバイオマーカーを使って認知症に関して調べるほか、心疾患についてもバイオマーカーを導入。結果を基に健常者のマーカー値の調査や、弘大が持つ指標との相関解析、過去のデータも活用した認知症や心疾患マーカーの上昇予兆因子の解析を目指す。」

陸奥新報

アルツハイマー病の原因物質が毒性を示す過程の実時間観察に成功

「東京農工大学と三重大学の共同研究チームは、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβが人工細胞膜中で毒性を持つ構造に変化する様子をリアルタイムに観察することに成功。膜中のコレステロールが毒性構造への変化を促進することや、カテキンが毒性構造を阻害することを見い出した。」

MIT Technology Review

【小野薬品工業 × AUBA】“医療”の枠にとらわれない価値創造を目指すオープンイノベーション型事業創造プログラム 『HOPE-Acceleration2024』、共創パートナーの募集を開始!

がん患者、家族、医療従事者への新たな価値提供のためのパートナー募集プログラムです。応募〆切は3/17。
一応「医薬品・医療機器などの手段によらない」ですが、ヘルステックは含まれそうです。


・医工産学連携、インキュベーション

AMED次世代医療機器連携拠点整備等事業関東3拠点合同シンポジウム「高度管理医療機器の開発戦略 ― 治療デバイスの研究開発をやり抜くには? ―」開催のご案内 | 国立がん研究センター 東病院

2024.2.2(金) 13:30-16:30 ハイブリッド開催です。

「献体が足りない」究極のボランティア、手術訓練や医療機器開発にも:朝日新聞デジタル

北大CAST事業関連です。七戸先生のインタビューも。

神戸大の医療機器開発拠点、今秋にもポーアイで完成 全国初、病院と接続 「医工連携」の核に

「ICCRCと渡り廊下でつなげる計画で、同大によると、大学が設置する病院に接続した医療機器開発拠点は全国初。」

神戸新聞

NCC NEXTとか…確かに大学ではないけど…
TWInsとか…確かに接続はしてないけど…


・マーケット

【米国株:銘柄発掘】ロボットセクター:手術支援ロボからRPA業務自動化まで、高度な技術で高い競争力で注目

Intuitive Surgical の紹介があります。J&Jとメドトロにも言及あり。


・行政・規制

大学病院の勤務医、「教育・研究」は準備・研鑽も含めて労働時間 厚労省が研鑽に関する通知改正で解釈明示 | 医療維新 | m3. com

至極当然のことが今の今まで認められなかった事が…

医師の働き方改革、「事業なら治験は労働」  厚労省が解釈、自己研鑽扱いの懸念踏まえ

https://nk.jiho.jp/article/187239

上記報道に続き、治験に関する取材に対する回答です。

大学・NC以外の一般病院での研究は引き続き業務外の自己研鑽とされそうですが、治験については病院が受けてる事業なので当然労働と。

治療アプリ、ネット広告解禁 成長分野で規制緩和 - 日本経済新聞

コロナ禍のパルスオキシメーターのように

「非医療機器はバンバン広告打てるのにまともな医療機器は一切一般向け広告が出来ない。患者が知るのは非医療機器の情報ばかり」

という好ましくない状況を改善するのが主眼で、決して「儲かるやつは規制緩和」などという理由では無いはず。どうしてこういう報道の仕方をするのでしょう?


新技術・エンジニアリング

【CES 2024】未来への『問い』が提示された今年の見どころは | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)

AI、サステナビリティ、ヒューマンセキュリティ。
ロレアルの「BeautyGenius」やAgeTechも。

「CES2024、最大の“幻”に気づいてる?」2024年を先読むAIテックトレンド【尾原和啓】|BUSINESS INSIDER

「ソフトウェア・デファインド」と時流と訴求力を重視した表現戦略。


魔改造の夜 夜明け編 | NHKラーニング

今月から配信が始まったようです。
夜会で惜しくも涙をのんだエンジニアたちのその後を追跡する5分番組。これも本編並みに泣けます。おすすめの番組です。


以上です。
ではまた来週。


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