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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#22

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • 久々のフェムテック関連ニュース紹介。FDA Approvedの製品も。

  • 臓器に接着・脱着可能な接着剤を岡山大が開発。吸引把持デバイスの研究に取って代わるか?

  • スタートアップ支援続々。ついに健保組合も発足。

です。


・医療AI

AI活用の体腔内異物検出システム、臨床研究で有用性を確認-長崎大ほか| m3.com AI Lab (2024.05.23)

https://medicalai.m3.com/news/240523-news-qlife

富士フイルムとの共同研究。

こういう発生確率は少ないけど必要性の高いエラー検出による医療安全支援技術の臨床研究、

「感度(AIが正しくガーゼ遺残ありと判定したものの割合)は実際にガーゼ遺残がなかったため算出不可」

m3.com AI Lab

とあるように臨床での直接的な検証が難しく工夫が必要で苦労されてるのでしょうね。

大学のリリースは

論文は
Clinical Validation of Computer-Aided Diagnosis Software for Preventing Retained Surgical Sponges

https://journals.lww.com/journalacs/abstract/2024/05000/clinical_validation_of_computer_aided_diagnosis.11.aspx

株式会社 RUTILEA と AI 事業開発の協業について | CEホールディングス (2024.05.28)

https://www.ce-hd.co.jp/wp-content/uploads/2024/05/20240528_rutilea-ai.pdf

「医療・ヘルスケア分野におけるノンバーバル情報(注)を活 用した AI 事業開発の協業に関する基本合意書を締結 」
(注)挙動や沈黙、表情の変化等非言語的な情報

「具体的な例としては、熟練した医師等が患者の診療を通じて得られる「気づき」の知見を AI に 取り込み、学習者の気づきを促す訓練を行う教育プログラムの開発等」

CEホールディングス プレスリリース

人工知能を用いて超音波画像から「野球肘」の早期病変を高精度で検出!~早期に病変を検出するアルゴリズムを開発~ | 京都府立大学 (2024.05.29)

兵庫県立大の小橋昌司先生らとの共同研究成果。

「人工知能を用いた深層学習に基づき,超音波画像から「離断性骨軟骨炎(OCD)」の早期病変を非常に高い精度で検出する」

京都府立大学 プレスリリース

論文は(1本はIJCARS)
Deep learning-based osteochondritis dissecans detection in ultrasound images with humeral capitellum localization

Deep Learning-Based Computer-Aided Diagnosis of Osteochondritis Dissecans of the Humeral Capitellum Using Ultrasound Images

https://journals.lww.com/jbjsjournal/abstract/9900/deep_learning_based_computer_aided_diagnosis_of.1099.aspx

AIを用いた医療機器検査が正式な技術区分で保険収載【新機能・新技術区分で日本初】 | アイリス株式会社 (2024.05.31)

D296-3項 内視鏡用テレスコープを用いた咽頭画像等解析(インフルエンザの診断の補助に用いるもの)305点。

「AIを用いた医療機器の検査が、新機能・新技術(C2)区分による保険適用を受けたもののうち、正式な技術区分で収載に至った日本で初めての事例」

アイリス株式会社 プレスリリース

AI inside、京都府立医科大学と共同で「眼表面希少疾患」の予後予測AIを開発、医師の診断をAIが補助し指定難病の治療に貢献 (2024.05.31)

「眼表面希少疾患であるStevens-Johnson症候群の数年後の眼表面所見の予後を予測するAIを開発」

AI inside株式会社 プレスリリース

論文は
Clinical applicability of AI-based prognosis prediction for a rare ocular surface disease

https://doi.org/10.1111/all.16136


・手術支援ロボット

【時事メディカル】触覚伝える手術支援ロボット ~精度向上、患者の負担軽減に(東京医科歯科大学病院 絹笠祐介教授)~ | 時事メディカル (2024.05.27)

絹笠先生によるSaroaのレビュー。

「印象的だったのは、モニター画面の端に映ったガーゼを取ったときに、手の中にフワッとした感触が伝わってきたこと。脂肪や臓器などの違いも分かるので、執刀医の集中力が途切れたときも安全に手術できると感じました」

世界最先端「ロボット気管支鏡」 日本で普及するか!?:日経メディカル (2024.05.28)

IntuitiveのIon、Ethicon(J&J)のMonarch、Noah MedicalのGalaxy。

精密操作+ナビゲーションで

「従来の気管支鏡検査は、肺病変に対する診断率が60~70%に過ぎないですが、ロボット気管支鏡の統合診断率は84.3%(95%信頼区間81.1-87.2%)というメタアナリシスが既に出ています」

ロボット高度化で家事や医療を支援、「ICRA」3選 | 日経クロステック (2024.05.29)

医療ではソニー(マイクロ手術支援ロボット)のほかトヨタ自動車(院内搬送)・ノートルダム大学(義足)を紹介。

Surgical Robotics Technology Monthly Roundup Newsletter - May 2024 (2024.05.31)

5月の手術支援ロボット関連ニュース。
今年のIndustry Award投票開始、Dexterが1000症例達成、Hugo RASのFDA申請のための治験が始まった、など。


・SaMD/DTx

診療報酬改定を機に新たなサービスを提供 高血圧治療補助アプリを用いたCureApp 血圧チャレンジプログラム 6月3日にスタート | CureApp (2024.05.30)

「高血圧治療補助アプリと医師による診察の他、アプリでの入力内容を利用した患者レポート・療養計画書の同時作成や血圧チャレンジキットと称した減塩レシピ集やスターターキット(アプリの利用ガイドや塩分一覧表など)の配布に加え、血圧計購入支援などのカスタマーサポートサービスを受けることができるプログラム」

CureApp プレスリリース


・医療DX

「バーチャルかかりつけ医」の台頭でプライマリーケアの未来はどう変わるか— 橋爪克弥氏の描くディープテック未来予想図(2)| m3 .com AI Lab (2024.05.26)

プライマリーケアDXについて、米国の先行事例など。
デジタル医療は診療の効用と効率を向上する。

「さがみロボット産業特区」で開発を支援したロボットが商品化されます!―令和5年度ロボット実装促進事業― | 神奈川県 (2024.05.30)

株式会社光洋の排泄ケア支援ソリューション「おむつナビ」。
センサにより排尿量・回数・時間を見える化、サーバで管理&タブレット・PCで確認可能。


・遠隔医療

体動センサー「眠りSCAN」から得るライフログデータ等を活用した 遠隔診療の実地検証を開始 ~ライフログデータおよびテレプレゼンスシステム「窓」から得る映像・音声データを活用した遠隔医療ソリューションの共同開発を目指す~ | SREホールディングス株式会社 (2024.05.27)

「パラマウントベッドの体動センサー「眠りSCAN®」および見守り支援システム「眠りCONNECT®」により把握できる睡眠状態、心拍数や呼吸数などのライフログデータを活用した遠隔診療の有用性の実地検証」

特定集中治療室(ICU)の遠隔支援事業をスタート 遠隔でICUの患者を24時間モニタリング | 株式会社アルム (2024.05.30)

「2024年診療報酬改定における特定集中治療室遠隔支援加算の新設を受けて、集中治療室遠隔支援事業であるACU事業部を立ち上げ」

「集中治療専門医の不足および地域偏在による医療格差の是正、集中治療に関するデータ蓄積によって、医療の質の向上及びさらなる医療の発展を促進することを目指します。」

株式会社アルム プレスリリース


・フェムテック

中外製薬、ウエアラブルデバイスで子宮内膜症患者の痛みを可視化 | 日経バイオテク (2024.05.29)

フェムテック領域のSaMD/DTxも大手製薬に期待。

FDA承認済み!更年期の救世主アイテム5選|木村 恵 - フェムテックや健康経営の社会情勢やビジネスモデル|NewsPicks (2024.06.02)

骨粗鬆症予防デバイスと骨盤底筋トレーニング関連機器4つ。

日本でもヘルスケア・ウェルネス製品として骨盤底筋トレーニング関連は増えている印象。


・PHR

経済産業省「PHR利活用推進等に向けたモデル実証事業」の最終報告書公開 〜カケハシ、イオンリテール、大塚製薬3社による生活者の健康増進に向けた行動変容促進プラットフォーム構築が前進〜 (2024.05.27)

「当社提供の患者フォローシステム「Pocket Musubi」に登録した方に対し、大塚製薬提供の個別化健康サポートサービス「エイチル」の​アンケートや行動変容に資する健康指導を実施」

「健康指導により「患者の状態にあった製品ならびにサービスを届けられるか否か」「患者の行動変容が起こるか否か」を検証したところ、薬剤師が患者さんへ必要な情報を届けることで患者行動の変容につながることが示唆されました​」

株式会社カケハシ プレスリリース


・大学・研究

臓器への接着/脱着が可能な接着材を開発!外科手術の簡便化に期待 | 岡山大学 (2024.05.24)

臓器への瞬間接着、脱着を制御できる無機セラミックス系固体接着材。すごい。

吸引による臓器把持デバイス(タコの吸盤みたいなの)の開発研究を長年あちこちで見てきたけど、こっちがが最適解かも。

論文は
Water-mediated on-demand detachable solid-state adhesive of porous hydroxyapatite plate for organ retractions

https://doi.org/10.1002/adhm.202304616

遠隔医療のビデオ通話では医師の「背景」が重要 | Medical Tribune (2024.05.27)

そりゃそうだろう、と思うことにエビデンスを確立するのも学術研究の大切さ。

「ビデオ通話の際の背景を医師らしく見えるようにすることで、患者の診療内容やアドバイスへの信頼度が強まる」

Medical Tribune

論文は
Patient Preferences for Telemedicine Video Backgrounds

自然な動きが可能になるリハビリ用ロボットの基盤技術を開発:医療機器ニュース - MONOist (2024.05.28)

仲田佳弘准教授らの研究グループによる成果。ICRA2024で発表。

「今回提案した透明性のコンセプトは、ロボットと患者の間で相互作用力が発生するアシスト中に、患者の動きにロボットが追従しつつもロボット固有の特性を適切に打ち消し、理想的な相互作用力を保つもの」

MONOist

大学のプレスリリースは

論文(ICRA2024 プロシーディングス)は
Achieving Mechanical Transparency Using Fusion Hybrid Linear Actuator for Shoulder Flexion and Extension in Exoskeleton Robot


・スタートアップ・起業

起業家に適した「内向的な性格」、独自の強みを発揮するには  | Forbes JAPAN 公式サイト (2024.05.28)

ベストセラー「静かな人の戦略書」の要約みたいなお話。

僕もネットワーキングイベントとか電話とかひどく苦手だけど多分周りからはむしろ外向的と思われているかもしれない「社交的人見知り」で苦労している。

医療機器開発の技術革新を牽引する人材を育成します プログラム受講生の募集を開始 | 東京都 (2024.05.27)

令和6年度医療機器開発イノベーション人材育成プログラム(8/8〜2/27、全8回)。応募〆切6/24。

今年は東京大学バイオデザインのメンバーが中心の講師陣。

医療×ITで進めるヘルステックの戦略とは【高齢化社会において求められる先端技術】| fabcross for エンジニア (2024.05.29)

FiNCの坂井CTOインタビュー。

「エンジニアとしてユーザーのことをどれだけ想像し、支持されるサービスが作れるのか。どれだけコードを書いても使われなければ全く意味がありませんから、使ってもらえるものを作ることが一番の基本です」

「その中で心掛けていることに「ラストマンシップ」という言葉があります。ソフトスキルなのですが、何をするにしても、たとえプロジェクトを撤退しなければならなくなったとしても、自分が最終防衛線だという当事者意識と、最後にこぼれかけたボールを拾ってでも何とかするという責任感を持つことを心掛けてきました」

fabcross for エンジニア

針不要、指当てるだけの血糖測定器が実用間近 〜学会トピック◎第67回日本糖尿病学会年次学術集会〜 | 日経メディカル (2024.05.30)

個人的注目のライトタッチテクノロジーの非侵襲血糖センサーについての学会報告。
非観血的検査は本人の身体的負担だけでなく感染リスクや医療廃棄物の削減にも寄与する価値の高い技術。

国内初のスタートアップ健康保険組合が発足 保険料8%台と安く - 日本経済新聞 (2024.06.01)

「保険料率は8.98%と中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)より1%程度低く、保険料負担の軽減につながる。福利厚生の充実はスタートアップへの人材流入や事業成長の追い風になりそうだ。」

日本経済新聞

関連記事:


・企業・マーケット

オリンパス、整形外科事業を売却 国内ファンドに - 日本経済新聞 | (2024.05.27)

オリンパステルモバイオマテリアル売却。

オリンパスとキヤノンメディカルシステムズ、超音波診断装置「Aplio i800 EUS」を 欧州・日本国内・オセアニア地域で販売活動開始 (2024.05.29)

旧アロカ(現富士フイルムヘルスケア)からキヤノンメディカルに超音波診断装置のベンダーを変更して初の製品かな?

キヤノンとオリンパスの協業についてのリリース (2024.01.15)

関連ニュース:

田辺三菱製薬、ALSを客観的に評価できるデジタルバイオマーカーを探索中 | 日経バイオテク (2024.05.30)

このあたり大手製薬の開発意欲が高い。

「田辺三菱製薬は、筋萎縮側索硬化症(ALS)の臨床試験での活用を目指し、デジタルバイオマーカーの探索に取り組んでいる。また、糖尿病患者の生活習慣の改善を手助けするアプリの臨床研究で米Google(グーグル)社のウエアラブルデバイスを活用している。」

日経バイオテク


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