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ヘルステック・デジタル技術関連ニュースまとめ 2024#15

この1週間に弊社Facebookページ等で紹介したヘルステック・研究・産業、ロボット・AI等デジタル技術関連ニュースをまとめて紹介します。
※ 記事のリンクが切れている場合は記事名で検索していただくとヒットする場合があります。
※ 過去のまとめはこちらのマガジンに。

今週の個人的注目トピックは

  • ITEM2024を前に各社新製品発表。今年は特にAI搭載製品に力。

  • オリンパス、エルピクセルとともにAIアノテーションナビゲーションに着手

  • リバーフィールドのSaroaとOQrimo、着実に導入・臨床実績を。hinotoriに続く勢力となるか

です。



・医療AI

医療AI企業が直面する「欧米の規制課題」 (2024.04.08)

EUのAI法を中心に。
技術の躍進スピードに規制が遅れを取らない様にするには。

オリンパス社と腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIを用いたランドマーク術中教示システムの開発に関する共同事業契約を締結 | エルピクセル株式会社 (2024.04.09)

オリンパスxエルピクセル。
アナウト・Jmees等はどう戦うでしょうか。

「腹腔鏡下胆嚢摘出術向けAIランドマークの術中教示システムは、熟練外科医が術中の判断基準として用いる解剖学的ランドマークをAIに深層学習させて教示するシステムです。エルピクセルとオリンパスは本術中教示システムを共同開発し、実用化を目指します」

エルピクセル プレスリリース

AI医療機器開発のアイリスが保有する咽頭画像医療データベースが100万枚に到達 (2024.04.09)

このデータベース・技術を生かした次の製品開発に期待。

「このデータベース構築システムに関するビジネスモデル特許も出願中」

アイリス株式会社 プレスリリース

AI活用で世界の内視鏡医療の向上に貢献したい――AIメディカルサービス 多田智裕CEO:デジタル変革の旗手たち - ITmedia エグゼクティブ (2024.04.09)

内視鏡王国のバックグラウンドに基づく革新的新技術。

「われわれは100を超える医療機関の看護師、医療事務、内視鏡医、審査委員会など、1件1件まわって数十万件のデータを集めてきた。AI活用はデータ収集に投資する覚悟が問われる。約70年間、内視鏡医療の発展に貢献してきた最先端の病院とオリンパスおよび富士フイルム、HOYAが内視鏡を世界に展開し、シェア98%を実現した歴史がすべてだ。先人のとてつもない努力が今、実を結ぼうとしている。内視鏡AIで世界のリーダーになれることは間違いないと確信している」

ITmedia エグゼクティブ

新規性・ポテンシャルの高い標的遺伝子を紹介する「Novel Targets Library」を開設 創薬可能性の高い標的遺伝子を可視化する新手法を活用、第1弾として「高血圧症」を公開 | FRONTEO (2024.04.08)

「革新的なFirst in Classの創薬を目指す製薬企業を支援するAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」において、創薬ターゲット発見の確度と効率が一層向上することが期待されます」

FRONTEO プレスリリース

名大病院とAcompany、東北大や北大と共同でAI医療データ連携を実証へ (2024.04.09)

改正次世代医療基盤法による仮名加工医療情報の整備・活用ではまだ足りないのか、連合学習のほうが実用的なのか?

「医療AIには複数施設のデータ活用が不可欠だが、従来の手法では個人情報の漏洩リスクが高いため実用化が進んでいないのが実態」

「データを秘匿化したまま機械学習を行う「連合学習」と呼ばれる暗号技術を用いる」

日経クロステック

大動脈弁狭窄症リスクを特定するAIビデオバイオマーカー (2024.04.11)

先日の東北大での死後画像溺水診断研究では医師とAIで見ている場所が違うからAIは怪しいかも、というスタンスでしたが、この事例のように人間の能力では判別できないデジタルバイオマーカーをAIが発見している可能性もあるのでは。

「DASSiを用いて同定される映像特徴は臨床医には見えないため、画像モダリティを横断してうまく機能するこのツールの能力は貴重なものとなる」

The Medical AI Times

AI×医療がメンタルを救う 札幌出身の青年医師が起業したワケ<北のZ世代>:北海道新聞デジタル (2024.04.11)

「「多くの人を精神疾患から救うためには、早期の来院が重要。そのためのITサービスをつくれないか」。同級生や知人のエンジニアとともに「メディフェイス」を立ち上げた。」

北海道新聞デジタル

エムネスと医療AI推進機構、医療データの利活用促進に向けて業務提携 (2024.04.11)

エムネスはITEM2024に出展中。

「エムネスはMAPIのデータ利活用ノウハウと自社の医療画像管理のプラットフォームのノウハウを組み合わせることで、医療データ提供元の医療機関の皆様が、データの匿名・仮名加工のためのサーバーシステムの導入が不要になり、匿名・仮名加工に関する負担を軽減し、匿名・仮名加工業務がより容易に、そして、より安全に行えるようになります」

株式会社エムネス プレスリリース

ChatGPTは医師の10倍の速さで事務作業をこなす (2024.04.12)

整形外科の退院時報告書を10倍のスピードかつ人間と同等の質で作成可能。
論文は
ChatGPT-4 generates orthopedic discharge documents faster than humans maintaining comparable quality: a pilot study of 6 cases

AI(Artifical Intelligence)により、画像診断と検査フローの効率化に貢献する超音波が追う診断装置「ACUSON Origin」を発売 | シーメンスヘルスケア (2024.04.11)

ITEM2024で展示中。

特徴は、

  • 検査に最適な位置へカラードプラROIおよびドプラゲート(パルス・連続波)を自動で配置

  • AIが4つの心腔の輪郭を自動でトレース

  • 2D、Mモード、ドプラ(パルス・連続波・組織ドプラを含む)の計測を自動化し、心機能の評価をサポート

内視鏡システムのクラウド化に関する実証実験を開始:医療機器ニュース - MONOist (2024.04.11)

NTT×オリンパス。

遅延評価・障害時ローカル対応能力・暗号化セキュリテイの3つに関する検証。

「内視鏡とGPUサーバをIOWN APNで接続した実験環境を構築し、3つの検証を実施」

MONOist

医療の「2024年問題」に対応 キヤノン、富士フイルムがAI搭載の画像診断機器 (2024.04.12)

ITEM2024関連。
キヤノン(アンギオのノイズ処理)・富士フィルム(MRIの体動アーチファクト抑制)・エルピクセル(オリンパスとの協業)。今年はAIに特化した展示構成。


・SaMD・DTx

ニュース - CureApp, Inc.: 日本初*「治療アプリ✖️患者のカルテデータ」から降圧薬との関係性を初公開 (2024.04.09)

「CureApp 高血圧症治療アプリ使用で降圧薬服用なし患者の83%がその後も血圧管理を6ヶ月間維持、降圧薬服用患者においても34%で服用中止や減量」

CureApp プレスリリース

CureApp、減酒治療アプリを申請「一般内科でもアルコール依存症治療を」 (2024.04.11)

3月25日に承認申請した減酒治療アプリについて解説。
CureApp プレスリリース https://cureapp.blogspot.com/2024/03/cureapp_088105462.html


・手術支援ロボット

サロアで肺がん手術成功、福山の中国中央病院 中四国初の手術支援ロボット (2024.04.11)

「中国中央病院(広島県福山市御幸町)は、中四国地方で初めて導入した手術支援ロボット「Saroa(サロア)」を使った1例目の肺がん手術に成功」

中国新聞

両手を自由に使える眼内手術支援ロボット 産学共同で開発 | Medical Tribune (2024.04.12)

リバーフィールドの内視鏡術具ホルダーロボットOQrimo。
術者が両手を使えるように。臨床2例を成功裏に完遂。



・医療DX

医療従事者間の円滑な情報共有で働き方改革推進を支援するコミュニケーションアプリ“Medical Image Place Mobile Chat”の提供を開始 | キヤノンMJ (2024.04.08)

「本アプリは、セキュアな環境でチャットによる医療従事者間の効率的かつ安全な情報共有を実現」
「クラウド経由で医用画像を参照可能な 「Medical Image Place モバイル画像参照サービス」との連携により、医用画像データをチャットに添付することも可能」

キヤノンMJ プレスリリース

アストラゼネカと富士フイルム 肺がんの化学放射線療法の過去症例を検索できる医療情報システムを共同開発 (2024.04.09)

医師による放射線治療計画の作成をサポート。
オンコロジー領域における製薬会社と診断機器会社の連携によるDX。


・遠隔医療・在宅医療

テルモ、腹膜透析管理アプリケーション「テルモPDマイケア」をリリース 患者さんの日々の自己管理をサポートし、安定した腹膜透析治療の実現に貢献 (2024.04.02)

透析DX。

「従来は患者さんが手書きでノートに記録していた体重・血圧・除水量などの自己管理の情報をスマートフォン等からクラウドに記録し、データのトレンドをグラフで分かりやすく表示し、家族とも情報を共有することができます」

「テルモの自動腹膜透析システム「マイホームぴこ」や体重計・血圧計などから、体重・血圧・除水量などのデータを容易に取り込むこともできます」

テルモ ニュースリリース

医療現場および家庭での心電図管理を専用パソコンソフトでサポート ~オムロン 携帯型心電計 HCG-9010U 4月9日発売~ (2024.04.09)

動悸や胸痛などの症状を感じた時に胸にあてるだけで、医師の診断に有用な心電図データを記録できる心電計。
連携ソフトウェアで

  • 患者毎の心電図データと解析結果を一括で管理

  • 患者自身がパソコン画面上で心電図データと解析結果を確認

  • 症状を感じたときの心電図を医師と共有可能

島根県・安来市立病院にリアルタイム遠隔医療システム「Teladoc HEALTH」を県内初導入 (2024.04.09)

テラドックヘルス導入のプレスリリース再び。

「「Teladoc HEALTH」の活用により、夜間など医師数が少ない時間帯における遠隔地からの上級医、専門医の支援や、訪問診療における医師の移動時間の効率化等、「安来市立病院経営強化プラン」に沿った地域医療の質の向上が期待されています。」

ウィーメックス プレスリリース



・VR/XR

Reducing cancer related pain with VR - (2024.04.08)

没入型VRによる10分の介入で中等度~重度の疼痛を有するがん患者の痛みのスコアが減少。持続性も確認。


・ニューロリハビリテーション

「LIFESCAPES 医療用BMI(手指タイプ)」、日本における医療機器認証を取得、厚生労働省に保険適用を申請 (2024.04.12)

メルティンMMIのMELTzと同分野のニューロリハビリテーション機器。こちらは前腕部の筋電ではなく運動野の脳波を利用。

「麻痺患者が手指の機能訓練を繰り返し行う中で、BMI技術を応用して頭皮上から生体信号を検出。意図した生体信号が検出されたタイミングで麻痺部に装着したロボットを駆動させ、麻痺の回復をうながします。回復後は、本製品を体から外した状態でも患者の意志で麻痺した手を再び動かせるようになることを目指します。」

株式会社LIFESCAPES プレスリリース


・小児医療機器

心・血管修復パッチ「シンフォリウム」、繊研合繊賞準グランプリに 大阪医科薬科大学 (2024.04.13)

成長による解剖変化に対応できる小児対応パッチ。

「シンフォリウムは大阪医科薬科大学医学部の根本慎太郎教授が、自分の組織に置き換わることで患者の成長によるサイズ増大に対応できるパッチのアイデアを生み、福井経編興業が持つ伝統的な繊維産業の高度な経編技術で特別な編み地構造に細胞を取り込んで、伸長可能な心・血管修復パッチを開発した。」

大学ジャーナル


・教育・トレーニング

メドトロニック 医師・医療従事者向け手術トレーニング施設を名古屋・藤田医科大学内に開設 -世界初、開腹手術・腹腔鏡下手術・ロボット支援下手術まで包括的に対応する産学共同施設- (2024.04.09)

川崎・殿町のイノベーションセンターに続いて2施設目のトレーニング施設。大学病院内は初。

開所式の様子。
藤田医科大学 外科手術のトレーニング施設 開所式 | NHK 東海 NEWS WEB (2024.04.09)


・大学・研究

高血圧になりにくい食事パターンが機械学習でわかった ―コホート研究データ解析におけるAIの活用― | 東北大学 (2024.04.04)

ちょっと意外だけど、海産物食いは飲酒傾向が強くて高血圧リスク高いのか、海産物自体もリスク因子なのか。
4つの食事パターンクラスタリングも面白い。

「2年間の追跡期間中の高血圧症の発症は、「乳製品・野菜」および「肉」パターンはいずれも「海産物とアルコール飲料」に比べて高血圧の発症リスクが6割以上少ないことがわかりました」

東北大学 プレスリリース

株式会社クラ・ゼミと京都大学、発達障がい評価・治療システム開発のための共同研究契約締結 (2024.04.03)

「クラ・ゼミは、その医療機器部門において、こどもの抱える問題の1つである、発達性協調運動障害(DCD)の克服の一助として、京都大学と連携して、評価・治療システムの開発に取り組みます」

株式会社クラ・ゼミ プレスリリース

フィリップスの研究用MRIシステム3.0T「MR 7700」国内1号機、浜松医科大学医学部附属病院で稼働開始 (2024.04.12)

「臨床研究においてプロトンだけでなく、多核種(Multi Nuclei)のイメージングやスペクトロスコピーにも対応可能な性能を備えており、6つの異なる核種(1H、31P、13C、23Na、19F[1]、129Xe[1])への適応が可能」

「従来の形態学的な情報だけでなく、生体内のさまざまな代謝情報、機能情報を引き出すことが期待」

フィリップス・ジャパン プレスリリース

メディカルイメージ生成アプリ「MEDITOR」北海道大学病院先端医療技術教育研究開発センターでの利用開始 (2024.04.12)

ちょっと使ってみます。

「「MEDITOR」には医学に関する3DCGモデル100点が搭載され、角度やカラーなどを自由に操作し、欲しいメディカルイメージを自分自身で簡単に作成することができる。アプリからダウンロードした画像は著作権を気にせず改変、商用まで可能(プランによる)。」

株式会社レーマン プレスリリース


・新製品

液体ヘリウムを一切使用しない完全ゼロヘリウムを実現 1.5テスラ超電導MRIシステム「ECHELON Smart ZeroHelium」新発売 | 富士フイルムヘルスケア (2024.04.08)

ITEM2024に間に合いました。脅威の新技術。
ヘリウム供給不足・クエンチ事故のリスクも無くなるのかな。

「磁性体の吸着事故などのトラブル発生時に専門のサービス員に依頼することなくユーザー自身が復旧作業を行える」

「ヘリウム排気管の設置が不要。天井高の低い部屋や排気管を設置できない高層ビルの一室など、制約のある場所への設置性を向上」

富士フイルムヘルスケア プレスリリース

オリンパスのシングルユース軟性尿管鏡「RenaFlex™」が米国FDAの認可を取得 尿路の診断と治療を行う、当社として初めて提供するシングルユース軟性尿管鏡システム (2024.04.03)

シングルユース気管支鏡は2021年、鼻咽喉鏡は2023年から米国で販売開始。
同社の事業戦略では気管支鏡・尿管鏡に加え十二指腸鏡・胆道鏡も。

EnmeiPro株式会社からOPCOM社のOEM / ODM向け使い捨て内視鏡技術をMedTec Japanで紹介 (2024.04.08)

OPCOM(台湾)製シングルユース尿管鏡の提案。
オリンパスは米国でシングルユース尿管鏡を販売開始。

手術ロボット用の針を開発 マニー、来年1月ごろ販売開始へ 折れにくく、縫合しやすい形状に|下野新聞 SOON (2024.04.10)

2024年8月期第2四半期決算説明資料より。
手術用ロボットに適した縫合針をKOL医師およびOEM提供先と共に開発し今後OEM製品として全国展開予定。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7730/ir_material_for_fiscal_ym/153418/00.pdf

ITEM2024に合わせたGEの新製品プレスリリース。(2024.04.12)

新型1.5TワイドボアMRI装置「SIGNA™ Champion」

新型1.5T MRI 装置「SIGNA™ Victor」

Premium AI CT 「Revolution Ascend Elite」

半導体PET/CT装置Omni Legend 21、“ StarGuide”


・企業・マーケット

AI活用で良質な医療の実現と医療従事者の負担軽減に挑むシーメンスヘルスケア | TECH+(テックプラス) (2024.04.08)

画像診断、体内診断から放射線治療(Varian)、アドバンストセラピーまで、強みを生かした4つの事業領域に注力。
装置のオートメーション化、AIによる治療計画の最適化なども。


・行政・規制

「ヘルスタPT」、3つの戦略的支援アプローチ第3回会議で「エグゼクティブ・サマリー」公表、近く中間提言へ | m3 .com (2024.04.11)

「従来は、スタートアップの成功を左右する5つの要素(アイデア、ヒト、カネ、開発環境、市場)に対して、幅広い支援を提供してきたが、今後は、「ヘルスケア市場の動向を見極め、より手厚く国力を投資していかなくてはいけない」として、3つの戦略的支援アプローチの必要性を打ち出した」

m3.com

会議資料はこちら。

3つの戦略的支援アプローチは

  • 世界直行アプローチ

  • 段階的海外進出アプローチ

  • 国内充実アプローチ

<社説>医療産業都市/市民に集積効果の還元を | 神戸新聞 (2024.04.14)

どこも苦労は同じ。

「最大の課題は、世界的な研究拠点を擁しながら旗印の「産業」に結び付いていない点だ。その要因を分析し、産官学で対策を講じねばならない。」

神戸新聞NEXT

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