MD技術からMD+ONE技術へ
2021.11.08
経済対策として「ハコモノ行政」が掲げられ、全国でも公共文化施設づくりが進み、1970年代当初は400館だったのが1990年代末には約3000館に達しました。
その建設ラッシュの中で、科学館も全国に沢山つくられました。科学館には科学展示装置が必要で、そのための展示装置をつくる技術として生み出したのがMD技術でした。
『MD技術』は、メカトロニクス技術とディスプレイ技術を融合して新たな価値を創造する技術力としています。
メカトロ技術とは、機械の駆動や伝達の技術にPLCやマイコンなどの制御技術を融合して自動化や高性能化を実現する技術で、ディスプレイ技術とは、販売促進や教育啓蒙などの機能を発揮させることを目的した、空間を総合的に構成演出し伝達する技術です。
この違う技術を一人の技術者が保有して「美しく、丈夫で、安全で、楽しく、判り易い」伝達機能を備えた、
新たな価値を創造する技術として、数千の科学展示装置の実績を積み上げてきました。
急速に変化する今、新たに問われ始めたのが「変化の時代でも生き抜く力」として、主体的に行動し協働することができる力がもとめられるようになってきました。
そこで、未来社会を生き抜くには、どのような力をつけることが幸せな人生につながるのか?このような問いから、科学展示装置の未来系を考え始めています。
そこで考え始めたのが「MD+ONE技術」です。
それは、科学技術や自然科学の現象の結果を装置で見せるだけではなく、結果を「問い・考え・行動」に繋げる装置技術の開発です。
その開発で初めたのが「+ONE技術の創造」です。
先ずは、自らの手で町家に小さな科学館をつくり、
科学の要素だけの展示として、光や音、エネルギー等を展示して、対面で地域の人やオンラインで全国の人と交流することや、展示装置から新たな創造ができるような仕組みづくりとして、アーティストや研究者、学者、企業人、学生達との科学要素から考えるワークショップを初めています。
つくるまなぶ京都町家科学館 (tsukuru-manabu.jp)
Make the PHENOMENON #01 テーマ:「光」 - FabCafe Kyoto
(知識⇒体験⇒発見)
知識は体験することで、初めて自分なりの問いができ、考えるという創造へと変わります。創造は、行動することによって新たな発見へと繋がります。
新しいことを発見する体験の機会になるような仕組みや装置を「MD+ONE技術」で生み出したいと考えています。
Medico-tecは、SDGsの「4.0 質の高い教育をみんなに」の実現を、目指しています。
宿野 秀晴