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『改訂第2版 ゼロからマスター 肩の鏡視下手術』

メジカル裏ばなし 著者:中川照彦 先生/担当:整形外科 担当Y

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刊行に至るまで

 いわゆる「腱板断裂」など,肩の手術では鏡視下手術が大活躍します。本書は2007年に初版が刊行されましたが,著者の中川先生から,「最新の器具・手技を紹介するために改訂したい」とご連絡をいただいたのが,始まりです。
 書籍を改訂する場合,どの程度新しい情報が入るのかが重要です。実際に先生にお会いして(私は初めてお会いしたのですが),じっくりお話を伺い,ほとんどの項目が新しくなることがわかりました。そのときの先生から受けた説明のわかりやすさ,丁寧さといったら! わからない人の気持ちを理解できる先生だと思うと同時に,改訂すればこの本は,もっともっとパワーアップできる! と確信した瞬間でした。
 「 “パチン”と音がするまで」「 “すっ”と抜ける」など躍動感のある説明と,コマ送りのように動作一つひとつの丁寧な解説,そしてダイナミックなイラストを,是非お楽しみ(?)ください。

著者からのご紹介

 『ゼロ肩』にはめちゃくちゃ思い入れがあって,僕の魂を吹き込んだ渾身の一冊なんです。とにかく鏡視下での手術手技にこだわり,そこまで繰り返して書くのと思われるくらい,詳細に記述しました。実際の手術の開始から終了までの操作を事細かに文章にしましたが,なんといってもイラストがこの本の神髄なんです。鏡視写真および外写真だけでは,何をどのように行っているのかが理解できません。イラストを見ることにより,操作方法が簡単にわかります。そう,担当の〇〇ちゃんがつけてくれたキャッチコピー「木(写真)を見て,森(イラスト)も見る」なんです。
 初版から11年も経って,新しいコンセプトのスーチャーアンカーが多数市販され,手術手技もガラッと変わってしまいました。なんとしてでも内容を一新して,読者のお役に立ちたいという強い思いがありました。この度,全面改訂版が世に出て喜びいっぱい胸いっぱいです。メジカルビュー社さんは最高の仕事をしてくれました。感謝,感激,雨あられですっ(^_^)
(中川照彦 先生)

赤ゲラお見せします

 この本は1ステップずつ,手順を省略することなく解説していく本です。鏡視像の写真だけではなく,俯瞰した全体のイラストを付けることで,自分がいま,肩のどこの部分で何をしているのかがよくわかるようになっています。
 鏡視像内にある構造物には,可能な限り名称を入れていただきました。その他,写真や追加情報も,もりもり入れ込みました。どのページもこんな感じで,赤字がてんこもりです。

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装丁への思い

 今回は改訂ですが,初版とイメージをガラッと変え,イラストを大きくしたもの,改訂をアピールしたものなどを作りました。その後,紆余曲折がありましたが,最終的に初版を踏襲したものに落ち着きました。出来上がってみると,くしくも,中川先生が肩関節学会の学会長をされたときのポスターに近い色合いとなりました。

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メジカルこぼれ話

 この本のほとんどのイラストは,中川先生が色鉛筆を使ってわかりやすく原画を描いてくださいました。特に糸の本数が増えていくと,どの糸が上で,どの糸が下なのか,イラストを作るに当たりとても重要になってきますが,その部分まで詳細に示していただいたので,とても助かりました。

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 糸といえば,この本では卓上での練習として,コルクボードを使った糸の縫合法を紹介しています。最初に先生からいただいた写真が,失礼ながら画質がちょっとイマイチ……。先生に相談して,カメラマンに撮ってもらおうと思っていた矢先,先生から撮り直した写真が届きました。今度はばっちり! でも,せっかくだから上手な人に頼みませんか? といったところ,なんと奥様が写真を撮って下さったとのこと。先生と奥様の協同作業なんて,なんだか微笑ましいエピソードでした。

肩の鏡視下手術詳細



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