【Medical Shift × シャープファイナンス 対談インタビュー】 歯科衛生士の労働力マッチングサービス「デンタルマッチ」を事業譲渡
はじめまして。株式会社Medical Shiftです。
当社は2019年に創業し、「テクノロジーとアイデアで医療に関わる全ての人の幸せを増やす」というビジョンのもと、歯科を中心に医院・患者それぞれに向けた事業を複数展開しています。
2023年10月1日付けでMedical Shiftは歯科衛生士の労働力マッチングサービス「デンタルマッチ」をシャープファイナンス様(芙蓉リースグループ)に事業譲渡いたしました。
事業の選択と集中を行い、既存事業のさらなる拡大と新規事業をスピーディに展開する体制を強化するとともに、シャープファイナンス様の持つ全国の歯科医院ネットワークを活用することで、「デンタルマッチ」がさらに多くの歯科衛生士・歯科医院にご利用いただけると判断し、事業譲渡に至りました。
今回の事業譲渡について、シャープファイナンスのご担当者様である織田様と弊社代表取締役の宮井の対談をお届けします。
ーーまずは、織田様よりシャープファイナンスが行う事業について簡単にご紹介いただけますしょうか。
織田様:弊社は1982年の創立以後、主としてベンダーリースや割賦等の金融サービスにて、全国のお取引さまの経営支援を行っています。事務機器等のリースだけではなく、カーリースや建物リース、集金代行等の決済サポートや保険・不動産等、多岐にわたる事業を展開しています。また、芙蓉リースグループに限らず、多くの企業さまとも協働をさせていただく機会も増えてきました。
近年の弊社は特に医療分野に強みを有しており、医療機器リースの取り扱いを拡大する中、全国約40%の歯科医院さまとお取引をさせていただいており、より多様かつ複雑化する課題に対して広く経営のサポートをさせていただいております。
ーー今回事業譲渡を実施した「デンタルマッチ」とはどのようなサービスでしょうか。
宮井:フルタイムで働くことが難しい歯科衛生士と歯科衛生士の採用にお困りの歯科医院をつなぐマッチングサービスです。単発・短時間・不定期など柔軟な働き方を可能にし、双方の課題を解決します。
歯科衛生士の労働力不足は、歯科医療において顕著な課題となっています。歯科衛生士名簿登録者数は約28万人(※1)であるのに対し、歯科衛生士として就業している方は約14万人(※2)と資格保有者の約半数にとどまります。しかしながら非就業者のうち、「すぐにでも再就職したい」「条件が合えば再就職したい」と答えた人の合計は47.6%(※3)となっており、育児等でフルタイムで働くことが難しく、歯科衛生士として就職したくても就業できない方が多くいらっしゃることが分かっています。
これらの課題に対し、「デンタルマッチ」では単発・短時間・不定期などの柔軟な働き方を可能にすることで、歯科衛生士の就職を支援するとともに歯科衛生士の労働力不足解消を目指しています。
ーー「デンタルマッチ」はどのようなきっかけでできたサービスなのでしょうか。
宮井:知り合いの歯科衛生士の方は、復職したいのにフルタイムの求人ばかりで就職できないと悩んでいました。また他の歯科衛生士の方からは、就職はしたものの職場が合わずに半年で辞めてしまい、再度就職活動が必要になったという話も聞きました。
というのも、歯科衛生士の面接は院長の方と15分程度話して「明日から来てください」といった形で即座に就業が決まることもあります。採用候補者である歯科衛生士の方は、選考のプロセスで職場の雰囲気が十分に分からないまま就業することになり、結果的にミスマッチが起こってしまう環境が見受けられます。
医院においても、歯科衛生士を採用してもすぐに辞めてしまうという課題意識を持っていることが分かりました。中には、フルタイムでなくともパート社員での就業や、例えば忙しい土曜日だけでもスポットで勤務してほしいといったニーズもありました。
歯科衛生士と医院をスポット勤務の形でマッチングさせることで、歯科衛生士の就業ニーズと医院の採用ニーズを満たせるほか、歯科衛生士にとっては”職場体験”に近いスタイルで勤務できるので、スポットで働きながら自分にあった職場を探すことができるので、職場のミスマッチも減らすことができるのです。
この仕組みであれば、歯科衛生士と医院双方の課題を解決できますし、歯科衛生士は長く働ける職場を探すことができます。歯科衛生士にとって良い意味で最後の就職活動機会にできるかもしれない、そんな想いを込めてこのサービスを立ち上げました。
ーー事業譲渡に至った経緯について教えてください。
織田様:リース事業を展開する中で、弊社の営業担当者は全国の歯科医院さまから「歯科衛生士の雇用が難しい」という課題をよく聞いておりました。実際に歯科医院さま向けに関心があるサービス項目についてアンケートを取ったところ、約38%もの歯科医院さまが「人材募集に関心あり」と回答されました。多くの歯科医院さまが課題に感じている歯科衛生士採用に対する課題解決のためのサービスを検討する中で、歯科矯正メディア「Harwell(ハーウェル)」ですでに提携していたMedical Shiftの「デンタルマッチ」の存在を知りました。
改めて「デンタルマッチ」を立ち上げた経緯等をお聞きし、歯科衛生士にとってこれが最後の就職活動機会にしたいというMedical Shiftの想いに共感しました。
サービスの仕組みとしても、歯科衛生士の就職課題を解消できるとともに、歯科医院における短・中期の歯科衛生士不足をスポット雇用という新たな方法にて解消できることから、双方ニーズに合致する最適解提示ができる点に大きな魅力を感じました。
宮井:「デンタルマッチ」は弊社が生み出したサービスではありますが、他の事業との兼ね合いや新型コロナウイルスの影響もあって一時休止していました。そのタイミングでシャープファイナンス様よりお声がけいただきました。
事業を再開、そして継続できる観点でシャープファイナンス様はベストなパートナー様だと思い、今回の事業譲渡に至りました。
というのも、当社はマーケティングに強みがありますので、歯科衛生士の利用者は順調に伸びていたのですが、ご利用いただく医院様の拡大には苦戦していました。シャープファイナンス様とタッグを組むことで双方の強みが最大限活かされると確信しましたね。
ーー今後の「デンタルマッチ」の展望をお聞かせください。
織田様:多様な就業条件要望をお持ちの中で働きたいと願う歯科衛生士さまの声を大切に聞きながら、おひとりおひとりにしっかりと寄り添い満足度高いマッチングを行うことで、最後の就職活動機会のお手伝いを行いたいと考えています。おひとりでも多くの満足度が高い就業が実現できれば、歯科医院さまの安定経営にも繋がり、ひいては患者さまの利益にもなります。これによりお取引先である歯科医院さまへの経営貢献が期待できますので、歯科衛生士さまと歯科医院さまと弊社のwin-win-winの関係が成り立ちます。
歯の健康は近年社会的な注目を集めていますので、この「デンタルマッチ」によるマッチングの結果、 SDGs目標である「すべての人に健康と福祉を」に寄与することもできると考えています。
また、将来的には歯科衛生士の復職支援活動にもサービスを拡充して、全ての方が自分らしく輝いて仕事ができる環境創出を目指したいと考えています。
宮井:シャープファイナンス様が持つ全国の歯科医院ネットワークにより、「デンタルマッチ」の活用期待先が大きく広がりますので、弊社がサービス立ち上げた際に描いた世界がより近くなることを期待しています。
今回の記事を読まれてMedical Shiftで働くことにご興味を持たれた方は、ぜひ以下の採用ページをご覧ください。