糖尿病の数理Ⅰ
糖代謝に関わるの2つの要素
糖尿病において、重要な因子は、血糖値と血清インスリン値である。
この2つの要素の増加・減少に着目することで、糖代謝異常は4つに分類される。
血糖値増加、血清インスリン値増加
インスリン抵抗性の2型糖尿病
インスリン受容体異常症
血糖値減少、血清インスリン値増加
インスリノーマ
インスリン自己免疫症候群に伴う低血糖
血糖値増加、血清インスリン値減少
1型糖尿病
血糖値減少、血清インスリン値減少
下垂体副腎不全症
飢餓状態
詳しくない人にもわかるように説明すると、
ご飯など、炭水化物を摂取すると、それに含まれているデンプン(グルコースの塊)が、消化管の中で分解されて、グルコースとなる。それが小腸で吸収された後、血液に入ってくる。
なので、ご飯を食べていない人は、グルコースが血の中に入ってこないので、血糖値が低い。
血液中のグルコースは、全身の組織に送り届けられる。血液から取り込むために、インスリンという物質がある。インスリンは「グルコースを血液から取り込め!」というメッセージと考えられる。ご飯を食べた後、このメッセージが多く出るから、血液中のグルコースの量は増えすぎない。
インスリンが多く出過ぎる(インスリノーマ)だと、その分グルコースが取り込まれて、血糖値が低くなる。
インスリンのメッセージが聞こえない(インスリン抵抗性、インスリン受容体異常)だと、グルコースが取り込まれないから、血糖値が高くなる。
インスリンが出てこない(1型糖尿病)だと、グルコースが取り込まれないから、血糖値が高くなる。
ここまでで、血糖値とインスリンについて大雑把には理解して貰えただろう。では、数理の言葉に直すとどうなるのか、数理で糖代謝を考えるとは、どういうことなのか。皆さんの疑問を解決していこう。
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