「書く仕事」でよかったこと 僕の編集キャリアについて
執筆:編集2Gマネージャー原田
組織のこととか所信表明とか、ちょっとおかたい内容が続いたので少しやわらかめの内容にしたいなと思います。今回は僕のキャリアをサラッと紹介しつつ、「書く仕事」をやっていてよかったなあと思ったことを少し。
20年くらい編集者をやってきました
新卒で入った会社では営業をやっていたのですが、もともと編集をやりたかったということもあって入社後3年で転職しました。未経験でも雇ってくれるところを探してたどり着いたのが、ゲーム雑誌の出版社。僕は当時主流だった紙ではなく、ガラケーのモバイルサイトで編集キャリアをスタートさせました。
その企業は有名なゲーム雑誌の会社で、モバイルサイトもその雑誌の名を冠したものだったため、中身は雑誌で人気の企画などを落とし込んだものが主です。ゲームの紹介記事、攻略記事、レビュー記事など、ゲームにまつわる記事を書いたり、外部のライターさんといっしょにつくったりというのが、僕が編集キャリアで最初にやったことです。
本誌の編集長がモバイルの部署に異動してきてからは、「雑誌のミニ版」の流れは加速して、家庭用人気ゲームのプレイ日記なども執筆。本誌にページを持つようにもなり、念願だった紙の編集も経験することができました。
やっててよかった①:インタビュー
インタビュー、おもしろかったですね。言ってみれば「話を聞いてそれを記事にするだけ」なのですが、最初は話をするのも難しいし、話したことを文章にすることも難しかったです。まわりにうまい人や、俗に言う「読ませる記事」を書く人が多かったので、自分の原稿が普通すぎることにずいぶんと悩みました。
当時の会社では懇切丁寧に指導するような風潮はなかったので、何度も何度も経験して、やり方を一生懸命考えて、どうにかこうにかたくさんのインタビュー記事を世に出すことができました。
medibaでやったもののひとつがこちらです。
そうして、多少なりとも実力がついて余裕が出てくるようになってようやくこの仕事をおもしろいと感じられるようになったんです。
当たり前のことですけど、インタビューって他人の話なんですよ。自分がしたことのない経験や考えを知ることができるのがインタビュアーの特権です。
ゲームで言えばあのビッグタイトルの裏側にあったことや、そのとき感じたこと、それを読者に先駆けて聞けるって考えたらすごくないですか? それから、シンプルに有名人に会えるというのもインタビューのメリットです。インタビューなら会える。会いたい人に会うために企画を考える、なんてこともやっていました。
ただ、難点もあって、もし聞いたことを僕が上手に表現できなければ、せっかく割いてくれた時間が無駄になるって考えたらめちゃくちゃプレッシャーにもなるんですよね……(笑)。
インタビューのコツはこちらの記事をどうぞ…!
やっててよかった②:取材
取材、楽しかったなあ。ゲームニュースの記者としての側面もあったので、発表会や大規模なゲーム展示会になると記者として駆り出されました。僕はわりと筆が早い方だと思っていますが、それが鍛えられたのが取材の現場です。大きなゲームイベントだと1日に何本も取材して記事を書きました。
僕はあまり意識が高くなかったので、早く届けたいからというより、早く終わらせたいからスピード重視でやりましたけど、それが結果として「速く書くスキル」として身につきましたね。
やっててよかった③:文章力
テレワークでとくに加速したのが、書いて伝えることではないでしょうか。話すよりもチャットで、資料で、ということがコミュニケーションのスタンダードになっている昨今。物書きとしてやっていなくても、書く機会は圧倒的に増えました。
そんななかで、僕はしゃべらせるとあまりイケてない自覚があるんですけど、書いて意思を伝えることは得意かもしれません。構成を考えて、それを文章にして伝える。その基本ができるようになったことが、この仕事をやっていていちばんよかったことかもしれません。
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書くことそれ自体が楽しいという人ももちろんいるでしょうけど、僕はどちらかというと書く仕事に付随して得られる経験に楽しみを見出していた気がします。
それがよいかどうかはさておき、20年以上も編集者としてやってこられたのは、しんどさのなかに自分なりの楽しみを見つけられたからな気がします。
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